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2006年07月03日(月) 一夜の夢。

仕事に疲れた帰り道、ここ十数年行ったことのないゲーセンに立ち寄った。その中にあったのは、「新世紀エヴァンゲリオン・セカンドインパクト」。

昨夏、実は自分は、パチンコに嵌っていた。いや正確には「CR新世紀エヴァンゲリオン」に嵌っていた。
最初は、究極のビギナーズラックで、+144k。信じられないほど簡単に現金が手に入ることに、自分は完全に金銭感覚、生活リズム、仕事、家庭を忘れてしまった。そしてその僅か2日後に、収益を全て再びパチンコ店に還元。
その後、再び20kほど収益を上げるが、その後はもう連日の大負けだった。30k、60k、100k、一日に失った金額である。ヤフーのオークションで攻略本を定価以上の価格で落札したり、「攻略法」を仕入れて全て試したり、平日の方が玉が出るのだろうと、仕事を休んで一日、「ヤシマ作戦」と称して持ち金総ブッコミをしたり…。当たる時は当たった。しかし、負けることの方が多かった。累積損失額は、ジグザクを繰り返しながら、確実に増えていった。
家族旅行先でも、隙を見れば店に入りたくなるほどだった。もちろん家族には内緒である。妻子を裏切りながら、それでも出てくる玉のぬくもりを感じるとホッとした。確率変動に入ると、コーヒーを飲みながら見守るのが楽しかった。激熱な予告が出ると、心臓がバクバクした。
連日のパチンコ店通いは、ほぼ2ヶ月続いた。最後は8月31日。連日60k負けが続いた。最後の大当たりはミッションモードから、通常リーチが綾波背景、これがヤシマリーチへ発展し、まさかまさかの大当たり。しかし通常で「単発かよ」と思った矢先、時短数回目で長時間変動が1のシングルリーチで初号機リーチでバルディエル。これで確変大当たりとなり時短引き戻し。「さぁこれから」と思ったが、次は暴走モードに入り、単発で終わり3連止まり。

…あれから10ヶ月、自分はパチンコ店から足を洗った。

話は今日に戻る。

ゲーセンのパチンコは、比較的釘が甘めという話を聞いたことがある。とにかく100円を入れてみる。が、いつもとなんか違う。
玉が出てこないのである。グリップを回すと、確かに玉は打ち出されるが、玉は全く、外には出てこない。中だけで循環するということが始めて分かった。始めての「セカンドインパクト」。特に儲けようというつもりはない。1回くらい大当たりすれば、それでよい。
しばらくすると、SSU予告が4まで発展。背景を期待するがなし。初めてのスーパーリーチは、弐号機だった。
前作の海中のケツではない。アスカ「エヴァシリーズ、完成していたの?」の言葉が表すとおり、量産機との死闘である。しかし予想通りあっさりハズレ。

その後は、本当に音無し。SSUがでてもことごとくチラリツコ。ミッションモードも、「リツコ予告を出せ」「綾波背景を出せ」と無理難題を押し付けられ、合えなくMAGIに自爆決議を採決され、ジ・エンド。学校モードもミサト部屋も、まったく熱くならない。ヒマ。久しぶりに出たPEN2に、「お、見ないうちに太ったなぁ」と思うくらい。
これがパチンコだったら恐ろしい。きっと30Kくらいは軽くいっているだろう。しかしゲーセンでは金の減りが遅く、まぁ−5K程度である。
それにしてもである。一度でも当たればおしまいにしようとしているのにこの体たらくは頭に来る。手持ちの12Kは、既に残り6K。そしてここで、残りの6K、どうせなくするのならパチンコ店で、という考えが頭をよぎってしまう。そして自分はゲーセンを後にした。

ゲーセンに入店してから2時間。時刻は既に21時を過ぎている。そして自分は10ヶ月ぶりにパチンコ店に足を踏み入れる。いつも大負けを繰り返した「none」ではなく、何度か「捨てる神あれば拾う神あり」で、夜の自分と比較的相性がよい「大大映」へ。
やかましい音が妙に懐かしい。煙草を吸わない自分が、ヤニ臭いあの空気に慣れるのにも、そんなに時間はかからなかった。

迷わず「新世紀エヴァンゲリオン セカンドインパクト」の島へ。10台くらいの台があるが、使用中は僅か2台。自分は大して考えることなく、今日19回当たっていて、180回転で打ち捨てられていた台−昨日は最終で1000嵌りと表示あり−を選ぶ。そして、1K札を投入する。

玉が発射される。音がゲーセンと比べ物にならないくらいでかく、やかましい。これだけでも体に良くない。そして、10ヶ月の禁パチを破ってしまった罪悪感すらまだ感じることができないころ、いきなり「ヴォー」と聞き覚えのある不気味な音が聞こえる。まさか、まさか?

役物(初号機)咆哮!ということは…、「1」「3」「5」が次々に止まる。
「動け!動け!動け!動いてよ! 今動かなきゃ、何にもならないんだよ! だから…、動いてよ〜!!」
暴走モード突入。

まさか…オスイチ(お座り一発)とはね。と思わず苦笑する。この展開だけは予想がつかなかった。嬉々とした瞬間の中、まずは確変大当たり。アタッカーに玉が吸い込まれると、出てくる出てくる。機械から出てくる玉はぬくもりがあり、本当に暖かい。これが麻薬なのだ。自分はそれを知っていながら、また今、こうしてエヴァを打っている。そんなちょっぴり罪悪感を感じながら…。

そして次は、綾波背景の後、6シングル→3機合同作戦(あのクモみたいな使徒が出る話)リーチで当たる。
しかし、「あっちゃー!ワンセット終了かよ〜。『オスイチ』はやっぱり小物だよな」とがっくし…。
ところが、である。それは大当たりラウンド11を迎えた時である。突如、「次回予告」と称し、「決戦!第3新東京市」の表示。このアリエナイ展開に、心拍数上昇。(え、なに?初号機があの8面体撃墜すれば、確変継続??そりゃあもう、燃えるこて〜!)
なんかスペック不足のPCのように、展開が時々止まりながらポジトロンライフルを発射!命中!!「よっしゃ〜!!」(ミサト&俺の心)確変継続!!

3連目はまたまた11Rに同じような展開。そして1発目はATフィールドに弾かれたものの、綾波盾で復活!!またしても土壇場で確変継続!!

あれよあれよと6連まで続く。

終わってみれば、オスイチ→32kで、+31k。

しかし、今日買ったのは、完全な「セカイン」のビギナーズラックだったとしか言いようがない。ちょっと神様の機嫌が良かっただけ。これで、「次回もサービスしちゃうわよん」というミサトさんの甘い言葉に誘われれば、去年と同じ轍を踏むことは、火を見るよりも明らかである。

ありがとう「セカイン」一夜の夢を見せてくれて。またこれで、1年間はパチンコはしなくてすむだろう。そしてそのうち、パチンコから「エヴァンゲリオン」が消えてくれ。そうしたらもう、自分はパチンコのチラシにも目を向けることがなくなるだろう。

もう一度念のために記しておく。

去年の二の轍を決して踏むことなかれ。


yasubi |MAIL

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