三十一弦-花香-

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記憶虚欠 2005年10月18日(火)


欠けてゆく 記憶少しずつ恐怖ゆえ 辛き震えをしているのに



病み老いた虐待主なた 知りつつも囚われ震う(ふるう)逃(のが)れられずに



虐待の代償はただ生くるだけ 夢見る事さえ奪い取られて



世の中の全ての者の言葉棘(ことばとげ) 次来る暴力が映像と化す虚(きょ)



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少しの眠り 2005年09月30日(金)


魔除けとしピアスに頼り寝床入る されど身痛めも逃げたき恐怖


脅えした 六十日(ろくとび)が消え 緩やかな眠り少しだけ深しを得た




生活の便さえ気侭(まま)できなくて 痛みの記憶。何処まで責める

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水清めて 2005年09月09日(金)


筆先の固まり解す(ほぐす)水のよう 恐記憶にも滲(し)み解して欲し

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生物な者 2005年08月28日(日)


生くるだけ 生物ゆえに 生くるだけ 何も求めず 喰うのみ生くる

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罵声という台風 2005年08月26日(金)


台風去り されど心壊され屋根も飛び 布団に入れず震えるのみ

傷つけられ 震える我は 布団に入れず 傷つけし者ハ 布団でヌクヌク



壊れても生くるのハ苦しくて 消えてしまいたい! 布団さえ怖く

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囚われの悪夢 2005年08月25日(木)


浅眠り 君の苦しむ悪夢とは 傷つけし過去傷つきし過去ゆえ


不生不死 囚われず事に囚われず 考えも楽(らく)し考えずの楽(らく)し

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輪廻とすれば 2005年08月24日(水)


輪廻とす 君と出会うハ運命(さだめ)なり 心軽くて(かろくて)和らぐゆえに

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生きる 2005年08月22日(月)


月末の小銭数えて恨めしく 病恨みて一円を束す

一月五Kg 一日80gの肉に泣き 貧乏に噎ぶ(むせぶ) ただ二人ゆえ



小麦粉を砂糖だけにてさら捏ねて 菓子とし食いて時を笑むしか

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虐待恐怖に 2005年08月21日(日)


逃げ出せど恐怖ハ消えぬ虐待記憶 未だ、生活あらゆる仕草に震え

虚ろなる脅えし記憶が鮮明再現出でし今ほど、苦しはハなかろ


今生きる為に恐怖、箱に閉じ込め 狭き我が世を大事、目一杯!




実母(はは)の声 幸(さち)と願わる幸(さち)嬉し 虐待恐怖も和らぎと錯覚


幸あれと願わらる幸ハ心地よく 瞬、虐待恐怖消えゆくと思い




平穏よ 育ち羨み(うらやみ)嘆く(なげく)暇の小時間なりも戴きたきよ

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詠ふ眠れぬ夜 2005年07月31日(日)


何故としら 隣の寝息悲しくて 重き身体の微か寝返る


眠られぬ 眠気と戦ふ此(こ)の一月(いちげつ) 身重き今宵も唯(ただ)一途歌(か)す

歌詠むハ「君の何と」と問われしも 生とも死とも何せらんや



欲せ(ほっせ)しは何と知らるば眠らるか 考えし事すら意味も成さぬよな



氷解け 一雫受け喉潤む そんな緩やか時の眠りを




横で寝し 君の寝息が休まりて 嫉妬が消える和き(やわき)が欲しい

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