三十一弦-花香-

≪過去     未来≫


 

 

ふたりぼっち 2005年07月19日(火)


毎日を時も数えぬ眠りにて 付き添ふ君の眠き目に謝(しゃ)


小さ銭一枚二枚と数えりて 米粒啄(つい)ばむ 二人ぼっち

粉捏(こ)ねて 祷り(いのり)いて 膨らみに嬉し 今宵も生きる

トンボ珠(だま)夢を叶えよ 豆になれ 一口でもの緑食わせよ



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死に逢えぬ 2005年07月17日(日)


実父(ちち)の死に逢えず終りし一生も、○○の死に逢わぬ一生とも言ふ



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養父の癌 2005年07月16日(土)


幼き日 楽し日々の思い出は実は欠片も無く在りなむ

○○母の思い出の欠片 記憶から無くなりてるに歌を書けようか?

見栄えだけ親になりしし○○母は未だごっこの夢を語りし

ごっこから抜け出したる 娘とは裏切り者の誹りに薄笑い

命尽きる 癌なる○○は縁尽きて 独り寂しく暗病室(あんやまむろ)で

一本の絆で結ふ 親子へと夢に願えど夢のまま。

交わらぬ 血に負け到る(いたる)養ひ(やしなひ)縁 共の想ひは何も叶わず

欲喰いて欲を欲する養母盾 ○○との糸もすでに切れたろ!


○○=“ようちち”を漢字で書いてください。

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死向ふ不幸 2005年07月15日(金)


「生きる」文字 書こうと筆を置きすれば 死の言霊が 手を誘ふ何?

死神よ 少しの間 閻魔まで遠くの時を○○に与え給(たま)へ

生くる間(ま)は苦しみ ○○に与え給(た)へ 壮絶な生(せい)味わせ給(たま)へ


死の時ハ直々(ひたひた)となり近づきを。思ふ傍より数うる妻とは

生くろうと 小さき望み 縋ろうも 死時数えて 金数えし妻

財産を皮算用(かわざんよう)妻 夫の癌 死の宣告こそ縁の切れ端


訊(き)けぬ技 親ごっこの行く果ては夫婦ごっこで愛無き死


※○○=“ようちち”を漢字で書いてください。

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消えよ!記憶 2005年07月02日(土)


消え失せよ! 記憶押し込めし恐怖なぞ 負けじ魂 我に宿せよ

記憶消せ 記憶なぞ要らぬ解き止ませ 今のみ生きて、其(そ) 乗り越せよ

もう心見詰めすぎづ安らがす。ここに抱き締め腕が優しや


言霊の穏やか誘われ我還(かえ)つ 己(み)も書き殴し己(み)を収めす


有り難き。君の静かせ笑み心 我を戻す時(ごと)静々流る



一輪の黄花様(よう)笑む 辛き身に笑みのみ救ふ。一途を知れと



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越・恐怖 2005年07月01日(金)


記憶無し 恐怖と向かふ恐ろしさ 唯(ただ) 夢に逃げたし

目の前の君に縋(すが)りて恐怖越え 清(すが)しく死の日を笑み迎えたき



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無理強い恐怖 2005年06月30日(木)


恐ろしき 無理強い(むりじい)せした 断ちし言(ごと) 伝わらず痛(いみ) 耐え難き痛(いみ)

身ぃ詰まる 無理強い恐怖 止まる芯 明日の旭(あさひ)に 縋り(すがり)願ふそ

覚え無き 恐怖は何故にし 消え遅し 真に震えの 一夜を流ふ

誰知らず 恐怖がここに あるだろふ 無理強い恐ろし 我も何故よよ

 

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悩みの中で 2005年06月13日(月)


人として 人を裁くも 人と為す 人に或る力 人として善しか

欲得と 進めたし道 相まみえ 何処等の道ぞ 目指す道かと

誰あれど 我さえ在れば 道は在り 一筋のみに 一途進まん

学びの間 与えられしを 求めても 知恵は進まず 驕りのみ残り

人なぞと 全て良しなど 夢の中 悪きしは他所と ただ進めば良

凛と立て 迷いの中に 道は無し 一途に求めよ 自らの中へ

外虐に 目を奪われず 歩むのみ 道自ずと 光を放つ

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見えぬ幸 2005年05月31日(火)


選びしは 苦楽の二橋 渡る時 自(み)ずを責めずと 苦と向こうぞ

己(おのれ)すら 正しき道と 進めずに 人を責め居て なお苦しかろ

我(われ)先と 生き急ぎて 残すもの 残すものなぞ 無くて生きらん


夢追いて 夢に破れて 夢嘆く 夢に捉われ(とらわれ) 夢無き気づかん



足元の 全てに力(ちから) 注ぐなり そこに在るこそ 己(おの)の魂



食ふことの 喜び笑ふ 喜びに 満足なくて 夢は入らん

晴れた日の 憂ひせし雨に 迷いたる 惑わさるるな 天地味方よ

身の端に 虫を置きたり 苦しんで 心失うと 嘆きなさるな


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母と義父 2005年05月25日(水)


彼女(かの)声を 釦叩いて 聴く願い 電話の向こふ 実母(はは)温っか

実母(はは)に寄り 甘えたき今 幼きに 帰る自(みず)抱く 微笑緩るる「えみゆるる」浮ふ 

義父(ちち)寂し 歳の切なさ 母語る 傍に走りて 有難し云い願

義父(ちち)を聞く 我の脳裏に 勇ましき 姿だけあり 拳握ぐ思ひ



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