連れ去られ 親無し日々に 覚えしは 喰うに生き抜け 奴等かほ選べ 忘るるな ぬしの親こそ 愛深く 奴等に喰われぬ 術たけよ ***** ***
落日の 深き睡眠 得られずと まどろみは浮く 優し包まれ 君添いて 浅き眠りに 安堵たる 悪戯騒せ 優しさを受す ***** ***
先人の 知恵さえ踏みす 辱人あり 族名(ぞくみょう)連ぬ 意志貫き 名品と 去りし決め時 痛む気心(きこ) 質を守りし 術無らしか ***** ***
汝(な)を責める 意味無き罪は 夢想なり 傍ら眠る 刻(とき)ぞ安らげ 安らぎは 君を解く鍵 眠りたへ いつか軽きし 笑顔戻せり ***** ***
熱迷う 死乃世誘わる ゆらゆると 今地に留まる 曳き力(ち)は何誰(なで)ぞ ***** ***
喰らうとは 全霊知識 総動ぞ 蟻穴さえも 足掬われし(すくわれし) 知る事の 幼き知識 怖ろしや 生きる糧さえ 望めづ餓え来(うえく) ***** ***
病う(やう)心 他非難せしす 言霊(ことば)吐し 不幸呼ぶ知ず 力尽き者あり ***** ***
静丹の 其処在り(そこあり)迫る 能舞に 倭人の根霊(こだま) 揺され総身起つ (そうみたつ) 楚々と泣く おのこ亡霊 涙呼ふ 面(おもて)情現す(あす) 達人(たっぴと)に酔ふ ※能鑑賞『善知鳥(うとう)』を見ました。観世流。 ***** ***
涼き朝 秋の香り(かほり)そ 仄か(ほのか)風 され色悲し 乱季(らんき)葉落ち木 ***** ***
己が流(おのがりゅう) 今流(いまら)に直せじ 我頑固 想い綴るに 他流(たる)混ぜ堅し ***** ***
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