三十一弦-花香-

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迎春 2002年01月01日(火)


新春の 永き苦節を 忘れ得て ぽっくり午と なりにけるかな
*年賀状用*


初日の朝 緩やかな光 目に刺して 床に照らされ 爽やかに迎う

迎春を 汝(な)と語りて 身に染みて 心意なく何故 涙流るる


新春の 古式習いし 幼日に 思いを馳せし 御神酒戴く



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大晦日の深重 2001年12月31日(月)


先年も(さきとしも) 君と過ごせし 生なれど 更なる深み 刻む重み増し

苦の年と 日々の想いを 返る今 緩り(ゆるり)穏やか 時の慈悲かな

世紀始の 三六五(みろご)の時を 思返し 床より愛の 深重(しんじゅう)に謝し


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苦悶の声 2001年12月27日(木)


生くる苦に 「死を選びたい!」と 語る誰(たれ) それでも「生きる!」と 苦悶の声のみ


掴めない 未来に安危 鬱う誰(たれ) 石に躓くと知らず 宇宙(そら)ばかり見ゆ

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真昼の月 2001年12月25日(火)


晴空に ほっかり浮かふ 真昼の月 暗冬の合間 ほの風清し(すがし)

「小春日和」と 言うはあまりの 晴天に 昼下がり のどかバス揺らり

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冬雷 2001年12月21日(金)


海に断つ 闇を切り裂き 稲妻は 悠久の大陸(だいち)より 雪の使い部


静寂の 闇を切り裂く 冬雷に 胸(むな)騒ぐ響き 落ち着かぬ閃めき(きらめき)

冬雷の 響き閃めき 瞬刻に 怯え反して 白閃に酔う

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塵無となせり 2001年12月18日(火)


神仏に 来世の得を 拝伏せ 今日(こんじつ)の苦々 減るるべくもなく

生き疲れ 床身存え(とこみながらえ) 望む唯一 輪廻終局 塵無となせり

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明けの眠 2001年12月17日(月)


底冷えの 眠れぬ夜も 薄ら明け 再度(ふたび)寝返り 雪景想浮ふ(おもふ)

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冬木 2001年12月16日(日)


黄葉落ちて 大き枝広げ 街路立つ 銀杏を見上げ 空色鬱う

常用樹 冬色深緑 重ばゆく 淡く彩る 早春に馳せ

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暗冬の紅 2001年12月15日(土)


暗う雲 悲しき色に 風を染め 鬱々し故 紅椿でもと

枯れ枝に 赤唐辛子 未だ艶し さら畑(さらばたけ)にて 紅冴え冴え

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小春日和 2001年12月12日(水)


爽やかな 寒気団合間の 小春日和 闊歩(かっぽ)する吾 窓辺で透見(とうみ)す

久方の 陽に当たりし 山茶花(さざんか)が 鮮やか白き 暖かさ匂す



華やいだ 降誕祭の 街に合う 真紅のコート 羽織って闊歩す 夢を見ゆ



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