天国の扉
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2009年12月04日(金)

悪夢


手術からまる3年。
毎日毎日、祈る気持ちで過ごしてきた。
半分過ぎた。あと2年。
あと2年過ぎれば生存率はぐっと高まる。

定期検診から帰って来た主人が、深刻そうな顔で話しだした。
「肺に影が写った」
1センチほどの小さな影。
この段階では普通見付からないまま進行するのだそうだ。
レントゲンではうつらないのだそうだ。
CTだから見つけられたのだそうだ。
転移だとも、新規だとも、今の段階では判断ができないらしい。
そう、癌であるかさえもまだわからない。
遡って見てみたら、前回のCTにも影があったらしい。
なぜそのとき見つけてくれなかったのか。
逆恨みだとは思いつつ、そんなことを考えてしまう。
詳しい検査は、一週間後に行うそうだ。

ああ、もう……。
たばこを吸わないあなたがどうして……。
なるなら、私でしょうに……。

神様、お願いです。お願いです。
どうか癌ではありませんように。
代われるものなら、私が代わりますから。
お願いだから、私からこの人を奪わないでください。

2008年10月21日(火)

今年もまた


君が逝ってしまったこの時期がやってきた。
必ず想い出す。
きっと一生忘れないだろう。
君の誕生日と逝ってしまった日を。
なんでだろうね。恋人だったわけでもないのに。

春先、君のお母さんから手紙をもらった。
正直とまどう。
一度目は返事を書いた。
それで気持ちは書き尽くしてしまった。
そのあとの手紙には、どう返したらいいか困ってしまい、未だ返事を書いていない。
君のお誕生日に大好きだったお酒でも添えて、返事を書こうか。
墓前にお供えしてくださいって。
お父さんはお酒の好きな方なんだろうか。
そのあと飲んでくれると嬉しいな。


      

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