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シュテルは と無意識の内に何かを書き出しかけてハッとなったTALK-Gですこんばんは。 私はその内シュテル菌のキャリアとして焼却されてしまうのではないだろうか。 さて、斯様に馬鹿な事ばかり綴っているこの雑記帳ですが、近頃何故かグーグル(http://www.google.co.jp/)の検索結果からのご訪問が急に増えまして。 それは例えば お料理の資料を求めて検索してみたのに女子高生と黒い男の料理小話にぶちあたってしまう検索結果であったり こんなパッフィー桃色な検索結果であったり 幣サイトでは彼女は余り強化していないと申し訳なく思ったり 幣サイトではこの内容しか強化していないと申し訳なく思ったり リューナイト関連の言葉で来て頂いていたときには、この雑記帳が少しでもお役に立てているかどうか、気になってしまいます。
食べられもしないドーナツを2千円分買ってホクホクと手に入れたポンデライオンのスケジュール帳(2005年度版)に、一番最初に刻み込むのが「入稿 締め切り 20時」であるという現実。 自分を逃げるな!こんばんは、TALK-Gです。 さて、ようやっと復活したメインPCでごちゃごちゃしたハードディスクの内部を見ておりましたらば、おかしなテキスト文章が出て参りました。 「プリンセスメーカー2」という育成シミュレーションゲームのプレイ雑記の様で、色々書き付けてあります。 折角なので(貧乏性)、今回はそれを此処に載っけてみようかと。 ――――― プリンセスメーカー2プレイ日記 〜私、覇王様になりたい!〜 はじめに、「プリンセスメーカー2」とは…… 救国の勇者(プレイヤー)がある星の輝く夜、天から預かった娘。 彼女を八年間の間大事に育て、様々な技能を伸ばし、経験を積ませて愛でに愛でつつ、最後にはどんな職に就いたりお嫁さんになったりするのかドキドキしながら見守る、世界一の親馬鹿ゲーム。 プリンセスメーカーには1、2、3など様々なシリーズがあり、様々な層から支持を受けている。 ――――― さて。 プリンセスメーカー2win版(プリメ2)を購入した私、早速娘を育てんとインストールしてゲーム起動。 私が遊んでいたPC98版とは違って、娘のグラフィックが描き直されていたり、娘に声がついていたり(CVは笠原弘子さん)。素晴らしい。実に素晴らしい。 PC98版の娘も良かったがwin版の娘の立ち絵の豊かさもまた魅力!などほくそえみつつ、娘の名前、父親の名前、誕生日、血液型等の基本ステータスを決める最初のシーンへ。 ここはやはり可愛い娘であるわけだし、あまつさえ天界の子という稀有な娘であるわけですから、キュートかつ気品溢れる名前が良いですね!思わずキュンときてグッとなる様なそんな可愛らしい名前に!! 命名:ガルデン・ガラハード 親馬鹿以前の馬鹿ですか? いや、でも、しかし、初回プレイはやはり当サイトらしく、この名前でいこうじゃないか!!名に恥じぬ、強く気高く美しい娘に育てて見せる!イドロの気分になって!! 因みに「ガラハード」の元ネタは、知る人ぞ知るOVA版リュー世界においてラーサー達と共にウォームガルデスと戦った勇者の一人です。ハイエルフ(かも知れない)魔法剣士。 この人(エルフ?)、絶対ガルデンと関係あると思っているんですが如何でしょうか。 PCゲームのラーサーレジェンドに出てきたりするんでしょうか? さて、名前をつけ、初期パラメータも確認した所でプレイ開始。 昔このゲームに嵌まりに嵌まっていた時には、娘の能力やら容姿やらの磨き方のコツをバッチリ掴んでいたのですが、当時使っていたPC9821を4年前に処分して以来、このゲームはとんとやっていなかったわけで。 勘を取り戻すまでには少々時間が掛かりましたが、それでも暫くプレイしているうちにそれなりに娘を育てる事が出来るようになりました。 で、娘を育てていると色々とアドバイスをしてきたり、報告やら何やらをしてきたりという、補佐と言うか説明役というかまあゲーム上では「執事」なのですが、そんなキャラがこのゲームには居まして。 名前はキューブ。こやつ、「魔族の若者」(設定より)の割りに礼儀正しく、しかもいちいち的確かつ耳に痛いツッコミをしてくるのです。 例えば、武器防具を着けず武者修行(モンスター退治やイベントで、各種能力や戦闘・魔法評価などを磨く)に放り出そうとすると 「いいんですか?武器も防具も装備しないで」 ある一定の年齢になっても社交評価などを上げずにいると、 「旦那様は、お嬢様を社交界に出すつもりはないんですか?」 猛暑イベント発生の際にうっかり「夏服」というアイテムを買い損ねていると 「服くらい買ってあげればいいのに・・・ケチだなあ」 挙句、高いお給金と「色気」パラメータが日に3ポイントUPするというボーナスにつられて「夜の殿堂」(お仕事内容:淫靡なショウと華麗な美女の密着サービス)で働せようとすると…… 「その様なお仕事は、お嬢様にふさわしくないかと・・・(凄く嫌そうな顔)」 お前の名前、今日からシュテルな。 ……まあ、そんなこんなで家出&非行(折角育てた能力やらがガックリと下がる)防止の為に「モラル」と「信仰」を上げたり、 「芸術祭」なるイベントの賞金目当てに「感受性」と「芸術性」を上げたり(芸術祭は芸術の授業などで描いた絵の得点を競うコンクールで、この2値が高いと得点の高い絵が描ける)、 芸術祭優勝で金に余裕が出来てからは、生活の為に働くというのをやめてひたすら武者修行に出し、魔王に「色気」を上げてもらったり(勿論「因業[罪深さ]」が上がる)、 シュテルの制止も振り切り「夜の殿堂」で更に色気に磨きをかけたり、 ちょっと色気を磨きすぎて「街へ行く」コマンドのたびにスケベオヤジやナンパ野郎に声を掛けられたり、 すかさずお節介シュテルに「なんだか、お嬢様の心がすさんできているような・・・」と嫌な顔をされたり、 ガルデンと言えば忘れてはならない「気品」も上げたり、 色気が十分上がったらダンスパーティなるイベントで優勝を狙ったり、 優勝を狙いすぎて他の参加者より得点が一桁違うという結果を残したり。 もはや美においてガルデンに敵うもの無し。 ちなみに、上記の魔王に色気を上げて貰うイベント「魔王と酒盛り」に遭遇するには、武者修行で「西部砂漠地帯」という場所に行かねばならないのですが。 そのイベント発生地帯までの通り道に、「竜の遺跡」という場所がありまして。 此処には金持ちな老ドラゴンが、溜め込んだ財宝と一緒に楽隠居を決め込んでいるのです。 で、この老ドラゴンは「若くて色っぽいおなごが大好き」らしく、不意打ちでガルデンの顔を舐めるという狼藉を働いた挙句「龍のレオタード」なるアイテム(装備すると色気と魔法防御力がUP。勿論娘のグラフィックも色っぽく変化)と色気の数値×1Gのお小遣いをくれやがりました。 その後も会いに行くたびにお小遣いをくれたりセクハラ発言を繰り返したり、やりたい放題してくれます。 その狼藉ぶりに、密かにこの老ドラゴンを「ホワイトドラゴン」と命名。 さてさて、そんなこんなで過ごすうちに娘の18歳の誕生日。 8年間の忙しくも楽しい生活を終え、エンディングを迎える運命の日です。 このガルデンはどんな風な職に就くのかしらん、とイドロ宜しく思っておりましたら。 ……おや、お城から遣いの者が馬車で来て、娘を乗せていきました。 行き着く先は王様の御前。 王様は娘を「国中の男がお前に恋をしている」など誉めそやします。 王のお墨付きも頂き、最早美の覇王と言って間違いなし。(ビューティーコロシアム!) ……で、王様の話を聞いていましたらば、 ……え?「余も一人の男としてお前が誰かのものになるのが我慢できん」? ……「老い先短い老人の頼みを聞いてくれ」? ………………。 ガルデン様は王の寵姫となりました。 高い気品と色気と社交評価で究極の玉の輿をゲット。エンディング内で語られる後日譚によれば、王宮の人々は「ガルデン様の美しさは、この世のものとも思えぬ」と噂しあったそうです。 最初に娘をプレイヤーに預けた守護星(この娘の場合はビーナス)からお褒めの言葉も頂き、ガルデンはこの後も素晴らしい働きをし、幸せに暮らしたそうで、まずはめでたし。 この国を「パフリシア王国」か「邪竜皇国」、王を「アデュー」か「キルガイン」にして考えるとちょっと笑えます。(当サイト的には) しかし「王の寵姫」で「素晴らしい働き」って。 <おまけ> 上の娘は、魔王との酒盛りなどで上げた「因業」を全て落としてからエンディングに臨んだわけですが。 これを落とさず、罪深いまま、少々戦士評価も上げてやって運命の日を迎えるとどうなるか。 エンディング:SM女王 良かったね、シュテル。
※流血注意※ この邸宅から車で十分ほどの所に新しくケーキ屋が出来て以来、御主人様は毎日のおやつの時間をとても楽しみにしていらっしゃる。 その熱の入りようたるや大変なもので、休日は件のケーキ屋に入り浸り。平日ならば学校から帰宅して自室のカフェテーブルに着いたが最後、宝石の様な「本日のケーキ」を一品、更にそれらに合う紅茶(ないしはコーヒー)を堪能し終えるまで、まともに口を利いても下さらない。 ……少なくとも、普段はそうなのだが。 040:小指の爪 「シュテル」 と、席に着いた御主人様が唐突に呼ばわったのに、シュテルは彼の大好きな葡萄のショートケーキを切る手を思わず止め(ホールで買ってくるのだ)、それから彼(か)のかたに向き直り「はい」と短く返事をした。 一体どういう風の吹き回しか、常ならば心此処に在らず唯一点ケーキに在り、といった調子の目は悪戯っぽく眇められ、値踏みする様にこちらを見詰めている。 「『心中』というものを知っているか?」 続く言葉に更に混乱する。 今日のケーキには、何か「心中」に関する謂れでもあるのだろうか? その謂れでもって、御主人様はわたしを試そうとしていらっしゃるのだろうか。 こんな事ならばあのケーキ屋の男を締め上げてでも詳しい解説をさせておくのだった、と内心ぎりぎりしつつ、シュテルは「二人以上の者が一緒に自殺することでしょう」と辞書の様な答えを返した。 「それは最近のニュースやらで頻繁に使われている方の意味だな」 「は……」 切り分けたケーキをしろい皿に乗せ、……この店のケーキはそれだけで盛り付けの全工程が終了するから楽だ……恭しく、既に銀のフォークを握り締めている主の前に置く。 置きながら、「御主人様の質問に対し己は的外れの回答をした様だ」とがっかりする。 「私が言っているのは『情死』の方の心中だ」 下僕の胸中など意に介さぬまま、ケーキに手をつけた主の話は続く。 普段ならばクリームとスポンジ、果物その他の織り成す絶にして妙なる味わいに蕩けきり、話などしていられない状態なのだが。 「今日、古文の授業で習ったのだ。 むかしの遊女は、愛する男との『心中』にロマンを見出していたらしい。 それだけではなく、爪や髪を抜いたり切ったりして、『心中』の証としていたのだと」 「はあ」 未だ主の意図が掴めず、紅茶を淹れながらシュテルは控えめに、しかし注意深く返事をした。 込み入った話になりそうだと思ったのだ。 が、その予想すらも外れ、 「お前なら、私と心中したいなど言って爪を剥ぐくらいはしそうだなと思った」 主の話は此処で途切れた。 ……待てど暮らせど一向に「続き」らしきものは無く、しかも主が普段通りの蕩けた表情でケーキを嗜んでいるのを見るにつけ、本当にこの話は終わったのだなと気付く。 結局、何を仰りたかったのか――― 唐突な主の行動には、いつも驚かされているが。 特に今日は、調子が狂いっぱなしだ。 恐らくはただ単に、学校であった話を忘れぬ内に、というだけなのだろうが。 ケーキよりも先に己に関する話を振って下さった、と手放しで喜ぶべきなのだろうが。 しかし、シュテルの口元は苦く歪んでいた。 不愉快だった。 己の心情を、下級売春婦と貧しい庶民の現実逃避に過ぎぬ「心中」になぞらえられるなど…… おまけに爪を剥ぐなんて程度で、己の思いを量られるなど。 生じた苛立ちと怒りは、容易く己自身に向けられる。 こんな風に見損なわれるのは己に様々なもの……例えば言葉や実績、ハク、身の振りようなどが足りていない所為だ、と。 この男の精神構造では、攻撃的な感情が主に向かう事など万に一つも有りはしないのであった。(その原因が全て主にあったとしてもだ) 「ガルデン様」 「ん?」 口腔で潰れる新鮮な葡萄の汁に陶然としていた主が、普段滅多な事では食事中に話し掛けてきたりはしない下僕の方へと向き直る。 ありありと翠の瞳に浮かぶ「邪魔をするな」の文字。 しかしシュテルは挫けず、これだけは言っておかねば、と余り巧くない口を開く。 「私はそんな遊女と同じではありません」 「それはそうだろうな」 お前の様な遊女が居たら不気味だ、と言い捨て、再びケーキの世界へと埋没してゆこうとする主。 「ガルデン様!」 そういう意味ではありません、と言った所で、主は益々鬱陶しがるか面白がって、無視するなり茶化すなりで話を流してしまわれるだろう。 何か、良いアピール方法は無いだろうか? あなたの仰った事は、このシュテルにとっては耐え難い誤解なのだと、判って頂く方法は無いだろうか? ……ふと、見やった先に先程使ったケーキナイフを捉えた。 「―――――」 シュテルは己のジャケットを脱いで卓の上に掛け、クリームで汚れたナイフを取ると、 「失礼」 主に不躾を詫びてから弓手をジャケットの上に置き、小指に刃を馬手であてがい、銀の柄を握った拳にがっと上げた右足の靴底を当てて、そのまま全体重をかけた。 ・ ・ ・ 「馬鹿」 淡々とした主の声が、頭にがんがん響く。 決して不快ではないそれに、シュテルは無意識に薄ら笑いを浮かべた。 計算や演技でこんな事をしているのでないと、判って貰えただけでも嬉しかった。 「早く血を止めろ。絨毯が汚れる」 言われるまま、ポケットから出したハンカチで欠けた小指の根元を縛る。 右手と口できつく絞った布切れは、見る間に重く濡れてゆく。 赤黒い染みで台無しになるジャケット。 久し振りに見た自分の血は、以前抗争や日常の些細な事で流したそれより、ずっと熱く思えた。 「痛み止めは?」 「薬は効かないもので……」 別の組に居た頃の薬物濫用の所為で、今ではメジャーな薬物の殆どが効きやしない。 主は「ああ、そうだったな」と、少し面倒臭そうに呟き、それからじっとシュテルの顔を見た。 「心配要りません、そんなに痛くありませんから」 「心配などしていない。β-エンドルフィンでラリるのは兎も角、あまり自惚れるな」 珍妙な会話と数瞬の沈黙の後、無機質を思わせる瞳をシュテルの顔と手、交互にやりながら、再び唇を開く。 「何がしたかったのだ?」 考え様によっては、罵倒より酷いリアクション。彼にはシュテルの唐突な行動の意味するところが判らなかったらしい。 いや、知っていて確認しているのかもしれない。 どちらにせよ、問われた以上は答える以外の選択肢など無かった。 「爪は、剥がしてもまた生えてくるでしょう」 「それで?」 「そんな幾らでも代わりのきくものを、わたしは心中の証にしたりしない」 だから指を詰めたのです、と。 主はそれを聞いて、ふふっと笑った。 子供の悪戯を見る親の様な、ひどく大人びた緩い笑み。 「お前、そんな馬鹿な行動に走るほど、私だけを好きなのか」 己の為に指を切断した男を、何の躊躇も恐れも無く見据えて彼は言う。 「この私が、証として指をもっと寄越せと命じたら、お前は従うのか」 「あなたがそれでわたしを信じて下さるのなら、指を全部失くしたって構わない」 「全部は困る」 ケーキの給仕をするのに不都合だ、と呟き、それから食べかけの甘いものに向き直って。 「多少血圧が上がっても支障が無い程度に、きちんと止血をしてこい。 寝室で待っていてやるから」 早くもクリームに濡れた唇でもって、実にそっけない調子で大変な事を告げたのだった。 しろい敷布に溺れ、まるで何もかも初めての子供の様に、遠慮も思慮も及ばず理性を手放す。 そんな下僕が可笑しかったのか、主は吐息と嬌声の合間でずっと笑い声を立てていた。 「遂に組長の息子に手を出したか」 ことが済んだ後、男の頭を抱いたまま三日月の形の唇で呟く彼。 「父様にばれたらドラムミルで擂り身にされるぞ」 そして海に流されるのだ。 ただの脅しと言うには血生臭すぎる事を、さも甘い寝物語の様に囁く彼は(普段が幾ら良家の子息然としてあっても)やはりこちら側の住人なのだ、とシュテルは思った。 「……わたしが」 「ん?」 「わたしが死ぬ時は、ガルデン様も一緒に死んで下さるのでしょうか」 問うてみると、彼はふっと笑うのを止め、 「何故私がお前といっしょに死ななければならないのだ?」 真顔で問い返してきた。 ……予想していた答えだが、あれだけの情事の後なだけに、流石に堪えるものがあった。 脳内麻薬でうわついていた心が現実に引き戻され、無い筈の小指の先がうずく。 そうだ、己如きがエンコ詰めをした程度でこの方に心中を強いるなど、おこがましいにも程がある…… 「申し訳御座いません」 差し出がましい真似をしました、と詫びる。 主はそんなしょげた下僕に哀れを催したのか、それとも嗜虐心を刺激されたのか。 もしくは最初からこの答えを用意していたのかも知れないが(この考えもまたおこがましいだろうか?)、 「おい」 「は……い」 男の硬い髪を掴んで無理に顔を上げさせて。 「私がお前に付き合う義理は無いが…… お前が私に従って死ぬことくらいは許してやる」 言葉の意味が判らず、一瞬ぼんやりと間抜け面を晒した男の唇に、甘いクリームと葡萄の味が残る口付けを落としてきた。 「あ」 唐突な主の行動には、いつも驚かされている。 特に今日は、調子が狂いっぱなしだ。 「あ……ありがとうございます」 彼の言葉を理解したその瞬間、沈んでいた思考を再び浮上させた単純な己に呆れつつも、精一杯の声で返事をする。 ああ、一生分の小指の爪で、死する時まであなたに添い遂げる事を認めて頂けるのなら。 この身が細胞レベルまで擂り潰され、海に流された時には、あなたの心の一部くらいわたしに割いて頂けるだろうか。 既に己が身を海中に四散させた様な、奇妙な浮遊感。 ひょっとして、あの店のケーキを召し上がっている時の主はいつもこんな気分なのだろうか、と思いながらシュテルは、 「ありがとうございます」 もう一度繰り返し、皿を空にした後の主がいつもそうする様に、もう既に無くなってしまったものとソレがもたらした無上の興奮・幸福の余韻を楽しむべく、目を閉じて口元を緩ませるのだった。 ――――― 一週間ぶりの雑記更新がこれで申し訳御座いません。 御無沙汰しておりました、TALK-Gです。 今回のお話はボアンさんの素敵パラレル設定「ケーキ屋『エルフ』物語」に感動してこしらえたものです。 ケーキ屋の店長にしてギャルソン、妹への密かな想いに悩むブラコンヒッテル兄ちゃんを筆頭に、天才的な技術を持ちながらもバイト君への想いの余り奇怪な行動に走りがちな恋するパティシエ・グラチェスさん、その想い人たるバイト君にして、甘いものにさしたる興味が無いにも拘らずお菓子作りの才能をバリバリ発揮する勤労高校生サルトビ、サルトビの友人にしてお気楽極楽なバイト君、笑顔の素敵な悪意無きトラブルウェイター・アデュー。 この四人を軸に、あけすけで元・お水の兄思いな妹カッツェ、お嬢様な同級生パッフィー、サルトビの幼馴染にしてガールフレンド(?)のイオリちゃん、『エルフ』のケーキに惚れ込んだあまりショウウィンドウの端から端までを一気買いするわ開店から閉店まで粘るわ挙句に店の近くの高校(サルトビ&アデューが通う高校でもある)に転入してくるわと突飛でもない事ばかりするちょっぴり頭のネジの緩んだワガママお坊ちゃま(その正体はヤクザの組長の息子)のガルデンやら、その世話役にして頭のネジ山が完全に潰れている現役ヤクザのシュテルなどが入り乱れて繰り広げるラブコメディ。 ラブコメディ。 まかり間違っても上記の様な雰囲気の話ではないのでありました。 それでも書かずにおれなかったんだ。(だって組長の息子=ガルデン、組員=シュテルがあんまりはまっていたんだもの。あまつさえ私の中では既に組長=漫画版ガルデン、姐さん=聖(以下略)の黄金図式まで出来上がってしまっている。馬鹿だ) ボアンさん、こんな三次創作でも許可して下さって有難う御座います。 (本当に良かったのだろうか?) ――――― 昨日、夜篠嬢と共に印刷会社サンライズさんに見学に行ってきました。 雨がざんざと降っていました。 ……呪いか、それとも涙雨か? 見学に関することはまた後日。 知識豊富な受付の方を始めとした社員の方皆様が、とても親切で丁寧で、此処に入稿しようと決意を固めるに十分な対応をしてくださった事だけ先に報告致します。 折角のまたとない記念本、あらゆる面に満足ゆくまで(そして満足して頂けるまで)頑張りたいです。
今日の業務内容 ・データ入力、出力 ・書類作成 ・書類の面付け ・コピー ・輪転機を使用して書類を印刷 ・製本及び裁断 ・別件のイラスト入り書類をラミネート加工 ・封筒に「転送不要」の印刷 ・封筒に宛名書き ・封筒に書類を封入、速達印を押してしかるべき場所へ委託 夏のイベント前にもキンコーズ辺りでそっくりな事をしていた気がするのだが。
※特典CD2巻「アースティアTV」設定 「なあ、ガルデン製作部長」 「なんだ、しがないディレクター見習いアデュー」 「いや、実は製作部長が『ナイト戦隊リューナンジャー』の製作にGOサインを出して、しかも自分も悪の大幹部役で出るって聞いて。 あんなに『金がかかる子供向け番組』に関わるのを嫌がってたのに、何でかなって思ってさ…… いや、それを悪いなんて言うつもりは全く無いぜ?俺は特撮好きだし…」 「知っている。私に何本も特撮作品のビデオを押しつけ『無碍に製作を反対するより先に見てみろ』と言って視聴を強制したのは貴様なのだからな」 「……、……それにこないだの社内報に載ってた製作部長の『悪の大幹部』姿だって、ベルトやジッパーや編み上げで締め付けビシバシブラックレザーにシルバーや鋲ガチガチの、あの『JAP工房』オリジナルの衣装がめちゃめちゃ似合ってて俺的にかなり夜のお世話に…いやいや、まあ、その、とにかくかっこよくて綺麗だったしさ。 ただ、あれだけ『洟を垂らした餓鬼の娯楽になど誰が協力するか』とか言ってたのに、急にそうなっちまったのはどうしてなのか教えてほしくてさ……」 「…………」 「…………」 「……誰にも言わないか?」 「あ、ああ。約束する」 「実は……私はビザールファッションフェチでな……」 「……は……?」 「特撮など、派手である事しか興味が涌かぬ餓鬼の作品だなどと思っていたのだが…… 貴様から渡されたビデオを嫌々見ているうちに、これらの世界観には実にすんなりと、ボンデージやラバースーツといったものが馴染むと気付いてな…… たとえば悪の組織の怪物ども。ただのグロテスクな集団かと思いきや、その造形にキンキィでフェティッシュな魅力を感じるものも少なくない」 「………だ、だからGOサインを出して、おまけに自分もあんなボンテージを着て、悪役として出演するってのか?」 「ボンテージではない、ボンデージだ!!Bondage!!! 貴様、さてはベッドを『ベット』、バッグを『バック』と発音する人種であろう!!ふざけるな!!跪いて其処で謝れ!!!」 「いや、何をそんなにエキサイトしてんのか判らないけど、気に障ったんなら悪かったよ……つうか、意味が通じてるんなら別に構わないと思うんだけどさ……俺はそこまでの拘りは無い一般人なんだから……」 「………!!………!!!」 「ごめん、謝るからジャパネットなんたらの電子辞書で殴ってくるのは止めろよ……うん、ボンデージは『奴隷の身分・束縛』って意味なんだな。ちゃんと覚えたから、もうそんな真っ赤になって怒るなよ」 「ま、全く……これだからシロウトは…… それに私は自分の衣装をボンデージと呼ばれるのは好かん。ボンデージとはその辞書にある通り、奴隷の身分を意味するものなのだからな。 故に私自ら纏う『特別な衣装』は、『ビザールファッション』と呼んで貰いたい。Bizarreとは奇矯・奇異・奇怪の意。一般にはボンデージと同義の『拘束的ファッション』くらいで使われているが、本来の意味を考えるとこれは譲れん(息切れしつつ襟元を正しながら)」 「クロウトなら、自分の拘りを素人に押し付けたりするなよ……(小声) ……で?話の続きは…?」 「あ、ああ。……だから、その『子供向け』でありながら背徳的且つセクシィ、しかもデコラティブに成り得る『特撮』の世界観に魅了されたというのが理由だ」 「でもさ……俺がこんなこと言うのも何だし、金を握ってる製作部長が一番良く判ってる事だろうとも思うんだけど… そういうボ…ビザールファッションって、金かかるだろ? お前の衣装だって、大幹部用だからあそこまで凝ったのになったけど、他の怪獣なんかはちゃちいのになったりもすると思うぜ。凝り性のお前が、そんなので我慢出来るのか? 戦闘員なんか全身タイツだぜ、全身タイツ」 「判っておらん奴だな、だからこそではないか」 「はぁ?」 「全身タイツもまたフェティッシュの一角。 全身を束縛し、表情や顔のつくりによる個性すら奪う全身タイツは、ビザール愛好家……特にラバーフェチからの人気も高い」 「…………」 「その様な衣装に身を包んだ人権無き下級兵士どもに、永遠の忠誠と殉死を誓われるビザールファッションの大幹部…… こう聞いてオファーを受けぬ方がどうかしている。考えれば、主役のヒーローどもも全身タイツに仮面+ベルトだのブーツだのであるしな。 全く、こんな身近に斯様な世界が広がっていたとは………ふふん、今回ばかりは礼を言うぞアデュー・ウォルサムAD。開拓し甲斐のあるジャンルをこの私に見せ付けた、その無謀さと先見の明にな!」 上機嫌で話を〆たガルデン宣伝部長に機械的に頷いて見せながら、「ナイト戦隊リューナンジャー」が「ビザールファッション好きや全身タイツフェチの間では必見、一般的にはドマイナー」な作品にならない事をただ祈るばかりのアデューであった。 ――――― 昨日の雑記の続きで書く予定だったのですが、長くなってしまったのでこちらに。 特撮の衣装と言うのは、本当に凄い世界だなあと思います。 個人的にはカーレンジャーのゾンネットが好きだったな。 それでは、また後程。 ――――― 「アデュー」 「何だ、パッフィープロデューサー」 「ガルデン製作部長が、素性を伏せて他局のTVに出ているそうですわよ」 「へ?何でまた……」 「何でも、製作部長の個人的な趣味が高く評価されたとかで…… 是非今回の特番にとオファーが来たそうですわ」 「個人的な趣味ねえ……それってお茶の間に流しても大丈夫なモノなのか?」 「さあ、わたくしは存じ上げませんわ。 ……あ、もう始まっている時間ですわね。見てみましょう」 ピッ 『……さあ始まりました「TVチャンプ」、今回は「ダメ犬しつけ名人決定戦」です!! 可愛いワンちゃんの無駄吠えや噛みつきなどに困っている其処の貴方も、これさえ見れば明日から素敵なドッグライ(プツッ) 「まあ、アデュー、どうして消してしまうのですか」 「見ない方がいい」 ――――― 今日、TVで上の様な番組をやっていまして、ふと思ったのですが。 ガルデンはイヌ類の躾名人になれそうだと。 噛まれたりしたらもう「どちらが主人か思い知らせてやる!!!」とか言いながらその犬に噛み付き返し、半殺しにしかねない。 地上最強の犬との誉も高いアメリカンピットブルテリアだって、狂犬ガルデン(例・漫画版)の前では尻尾を巻いて腹を見せるほか無いぜ。 で、きっと自分の犬がうまく何かを成し遂げたら「フハハハハハ!!流石はこの私の犬!!それでこそ覇王となるべき犬よ!!!」とか言いながら褒めて褒めて褒めまくるんだ。 後、シュテルがガルデンに出会う前はどうしようもない不良リューだったりしたら萌える。 初代の乗り手以来、どいつもこいつもてんでこのわたしを乗りこなせやしねえ、と「力を貸してください」と言って来るリュー使いの卵たちをことごとく切り捨ててきた、みたいな。 他のリューは「乗り手と一緒に成長しよう、寧ろ俺が乗り手を成長させてやる」みたいな感じなのに、シュテルだけは「未熟者なんぞに使われたくない」と高慢ちきにそっぽを向いていた訳ですよ。 そんなシュテルの前に現れたガルデンは、これまでシュテルが見てきた「不甲斐ない」リュー使い志望の者とは違い、シュテルの持つ強い力を崇める事も敬う事もせず、ご機嫌を取ったりもせず、「貴様のような古臭い道具でもこの私がまあそこそこに使ってやるから感謝しろ」みたいな筋金入りの傲慢さで「私のものになれ」コールをする訳ですよ。 当然ブチ切れて暴れるシュテルを、そのプライドをずたずたにする様な力と手段で以って、無理やり自分のものにする訳ですよ。 何かこう、重力波の結界の罠かなんかで地面に這い蹲らせた挙句、その手だか頭だかを踏みつけて「フハハハハ!幾ら古代の超魔法科学を使っていようと、やはり中古品は中古品よ!!道具風情がこの私に逆らうなど、天に唾する行為と知れ!!!」と高笑いしながらブーツの踵でぐりぐりとやる訳ですよ。 勿論それで魔法金属ボディのシュテルが痛みを感じるわけも無いのですが、心の方は正に踏み躙られた様な痛恨のダメージですよ。この無礼者、殺してやりたいほど憎い!!と思う一方、このわたしがこんな華奢なエルフの前に跪くなんて……!と大ショックプライド崩壊ですよ。 そうなったらもう後は坂を転げ落ちる勢いで「自分を負かした初めての御方」に傾倒、思慕、尊敬崇拝下僕化の一直線ですよ。 更に、ちょっと乗り手たる主人の為に頑張ってみたら「そう、それでこそこの私のリューだ!!このアースティアの覇王となるべきリューは、シュテル……お前一体で良い」なんて甘い囁きを貰っちゃったりして、再起不能ですよ。 一度飴と鞭の味を覚えたら、どうにも止まりませんよ。 多分。 問題は、その御主人様自身も「プライドズタズタ自信喪失→優しくされる→その人に懐いてしまう」という調教に弱そうな所だ(除漫画版)。 主人の事を敬愛する犬ほど、焼き餅を妬き始めると酷いぜ。
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