せきねしんいちの観劇&稽古日記
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2009年09月07日(月) 羽裏と通し稽古×2

鳥井さんが来てくださって、衣装の確認。
新しく用意してくれた袖無羽織の裏地、羽裏をもう少し地味なものに変更するとのこと。
今は、紅い襦袢地のいかにも花魁あがりのお妾さんが着ていそうなかんじのもの。
新しい羽裏は童の模様。養子をもらって、うれしさのあまり涙ぐむこの人にはいかにも似つかわしい。
羽織を脱ぐのは、最後の場面のみ裏地が客席からどれだけ見えるかは微妙なところ。
でも、そんな心遣いをしてくれるのがとてもうれしい。
稽古は今日も、2回の通し。
この間やってみて、やっぱりやめましょうということになった髪を切る段取りを元にもどして、それでも、ラストの気持ちの変化を自分なりにきちんとたどってみた。
稽古終了後、稽古場の移動のための撤収。
このところの稽古場ギャラリーΧから、おとなりのコミューンΧの洋室へ移動。
バミリをとって、パーテーションでつくった仮設の着替え部屋、小道具、衣装をかたづける。
部屋の中央に大きな柱のある、いつものギャラリーΧに戻して、今日は解散。


2009年09月06日(日) リーディングと通し稽古×2

午後、来年一月に客演する「ろばの葉文庫公演『僕らの声の届かない場所』」の顔合わせ&最初の読み合わせ。
まだ稽古入りには間があるのだけれど、改稿にあたって作家の前で一度読んでみようということだそう。
稽古場の最寄り駅で待ち合わせ。
知っている人は、詩森さんとほさかさんだけ。自己紹介は、後ほど改めてということで、稽古場まで十数分の道をほぼだまって歩く。
緊張している自分、人見知りな自分をもてあます。
会場について、軽いアップの後、読んでみる。「僕らの声の届かない場所」作、ほさかよう。
初めましてなみなさんと、初めての台本を読んでいくうちに、どんどん自由になっていく自分に気がつく。
どうやろうかというプランもほぼないまま、やりとりだけをちゃんとしようとだけ考えて、全編のリーディングを終える。
終了後、とてものびのびとした気持ちになる。
もうみんな、初めましての遠い人たちではなくなっている。どこか「仲間」のような感覚になっている。
そんな力を持った戯曲なんだなあと思った。いいかげんな本だったら、そうはいかない。
詩森さんから、好きな画家について話してもらえますかという提案があり、読み合わせをしたキャストがそれぞれの言葉でそれぞれの好きな画家と作品について話した。
これもいい時間だった。
僕は、ミロ、熊谷守一、ギュスターブ・モロー「廃墟にたたずむヘレネ」、上村松園「焔」「花がたみ」、ゴッホ「オリーブの枝」について話す。
帰り道、駅までの長い道のりを、今日初めて会った役者さんと話しながら帰る。
何時間か前に同じ道を無言で歩いていたのが嘘のよう。
演劇ってそういう力があるんだなと思った。
みんなが懇親会に流れる中、「根岸の一夜」の稽古へ向かう。
稽古は、今日も2回の通し稽古。
オープニングの芸者衆、幇間とのやりとりがとても楽しくなった。
2回やって、出てきづらいセリフというのが、確実にあることが判明。
なんでだろう?と原因を考えてみたら、どういう気持ちで言ってるのかが、はっきりしていないのだとわかる。
いろいろ考えるが、すぐに答えは出てこない。
もう少し、迷ってみようと思う。
帰り、昼間の稽古の懇親会に参加できず残念だった気分を、こちらの飲み会に行くことで埋め合わせ。
去年の「襤褸と宝石」以来、ひさしぶりなさくら水産にて。
昼間のリーディングでほぐれてしまった気分のまま、「根岸の一夜」のキャストのみなさんと楽しい時間を過ごした。ごちそうさまでした。


2009年09月05日(土) ミーティングと飲み放題

月に一度フライングステージのミーティング。
主に、年末のgaku-GAY-kaiの企画と来年のことについて、あれこれ話し合う。
帰り、三軒茶屋駅近くの居酒屋さんの呼び込みで、2000円飲み放題食べ放題の「えん」という店に行く。
ドリンクもフードもバイキング形式。
びっくりしたのは、生ビールのセルフサービスの機械が指定の位置にジョッキを置くと、ジョッキをぐわんと傾けて、泡が出ないようにビールをついで、最後にジョッキを傾けて泡だけを数センチ分プラス。
これはすごいなあと思った。
食べ放題のフードは、新しくできたものがあると、席を回って「いかがですか?」と言ってくれる。
居酒屋というよりは、うちでできあいのつまみを買って飲み食いしている感はなきにしもあらずだけれども、
なかなかにおもしろかった。


2009年09月04日(金) 通し稽古!

通しての稽古。
「名作劇場」の稽古では、小返し稽古というのはほとんどなく、いつもこんなかんじなのだそう。
ていねいに確認したいところも、プランを考えて、ぶっつけでやってみるしかない。
自分だけのことはともかく、二人以上の場面をさぐりあうのは、なかなかに大変だ。
今日は、二度目の通しから、思い切って、相手の方を向かなくていいと決める。
ずいぶん気持ちがラクになった。その上で、ここは向き合う!と思うところを確認していく。
こういうことも稽古の前に考えて決めておかないといけないんだろうな・・・。
僕はどうしても、芝居は稽古場で、みんなでつくっていくものだと思ってしまうので、そこがむずかしい。
先日の「金の卵1970」同様、今回も小道具の扱いがとても多い。
実物がないまま、舞台監督の大幸さんとどうしたらいいかを考え、やってみる。
酒井抱一役、上人さんを演じる松尾智昭さんが、お手前をするシーンがある。
セリフがない、けっこうな時間。とてもおもしろい。そして、参考になった。
僕の養子としてやってくる八十丸という男の子を、安井実生さんが演じている。
実生ちゃんは、「サロン」で共演した女優さんだ。
「親子」ということなので、いつも一緒にいる。
まっすぐに届くセリフが、とても気持ちがいい。
明日はお休み。
明後日はもっと自由な身体でいられるよう、準備をしておこうと思う。


2009年09月03日(木) ありんす言葉と身体の向き

通し稽古を頭から
気合いを入れて、セリフを入れたつもりが、あちこちで出てこず、プロンプをつけてもらう。
花魁上がりの「ありんす言葉」が、ちゃんと相手に届いているかどうか、心許ない。
差し向かいの場面での体の開き方、客席に向かってななめに座るというのが、なかなか落ち着かない。
歌舞伎では当たり前のことなのだけれど、僕はやっぱり話している相手の方を向きたくなってしまうのだ。
そのあたりのおりあいをどうしようかと考えていると、それだけで集中できなくなってしまい、セリフも出てこない。よくない堂々巡りだ(笑)。


2009年09月01日(火) セリフと反省会

「根岸の一夜」稽古。
衣装の鳥井照子さんが着てくださって、候補の衣装を着てみる。
大汗をかく。
その後、とにかく通し稽古ということに!
びっくり。
キャストのみなさんは、きっちりセリフが入っている。
僕は台本をもちながら、なんとかラストまで。
まだ、何がなにやらなかんじだ。
花魁言葉が相手にちゃんと届いているかどうかもこころもとない。
セリフをうたいすぎていないか、いや、ちゃんとうたえているのかどうかも心配。

その後、非戦を選ぶ演劇人の会のミーティング。
先日のピースリーディングの反省会。
終電で帰宅。


2009年08月31日(月) 読み合わせと場当たり稽古

午後から、名作劇場「根岸の一夜」の稽古。
出がけに先日、「金の卵1970」にご来場いただいた川和先生の奥様にお礼をと思い、電話をかけたら、川和先生が出た。稽古は・・?と尋ねると、夜だとうっかり勘違いしていたとのこと。
僕はそのまま出かける。
稽古場では、自主稽古ではなく、雑談の時間。
松尾さんはじめキャストのみなさんとおしゃべり。
先生が見えてから、一度通しての読み合わせをする。
その後、稽古用の装置の建て込んでみる。
実際の寸法が見えてきたところで、場当たりをざっと。
ええ、もうそんなことするの?と、ドキドキしながら、自分のいどころを確認する。
これから二週間の立ち稽古で、どこまでいけるか!
さあ、始まった。


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