せきねしんいちの観劇&稽古日記
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2008年09月15日(月) 「祝/弔」千穐楽

 小屋入りしてからほぼ半月。こんなに永いこと劇場にいるのも久しぶり。
 マチネ開演の3時間前の劇場入り、掃除、ダメだし、アップという流れが、とても規則正しく感じられる。
 昨日からのマチネ、ソワレ、一日二回公演が今日も。
 金曜の夜から数えると、連続7回。
 さすがに疲れがたまっている気がする。
 上演時間は1時間40分だし、ずっと出ずっぱりというわけでもないのだけれど、この芝居の疲れは、時間を気にしながら芝居をするというところにあるのかもしれない。
 体が覚えているまま、芝居をしていくという基本は変わらないのだけれど、それでも、10秒、20秒という差が、となりの「弔」とのかねあいで重要になってくる。
 にしすがもの稽古場では、となりの芝居全体が気になって仕方なかった。それが、今は、単純に、「自分が見ているところだけが世界」というような割り切りができるようになった。
 それがとてもおもしろい。
 その上で舞台裏で何を見て、何を聞いているのか、そんなことまでを楽しんで舞台上にいる。
 マチネ、ソワレとも、時間をドキドキしながら、それでも、今その場にいることを楽しんで芝居をさせてもらう。
 無事、終演。
 いつもより少しだけ長い挨拶をアダムちゃんがして、公演の幕は下りた。
 終演後、オジーさん、柏木さん、東屋さん、美弥子ちゃんにご挨拶。どうもありがとうございました!
 即、ばらし。
 仕込みは一日ずつだったものを、一気にばらしてしまう。
 皆さんに気を遣っていただきながら、腰をいためなような仕事を選んでお手伝い。
 脚立に載って灯体を降ろしていたら、照明の黒尾さんに「昇ってるんだ」と驚かれる。
 たしかにひさしぶりな感覚。あとは、ほうきを持って、ひたすら掃除。
 予定を一時間まいて12時過ぎに終了。
 きれいに何もなくなった劇場にお礼を言って、打ち上げ会場へ。
 キャスト、スタッフのみなさんと楽しく飲んで、あっという間に始発の時間。
 余興で、細身さん、タワーさん、松岡さんによる、劇団あごひげ塾の出し物もあり、盛り上がる。
 始発の何本か後の電車で家までたどりつく。
 ご来場いただいたみなさん、そして、スタッフ、キャストのみなさん、どうもありがとうございました。
 フライングステージの本公演でもこんなに濃いキャラはなかなかやったことがないのでは?と思えるようなキャラクターを演じさせていただいた、とても幸せでした。
 シチュエーションコメディを2本同時に演じるというのも、またやりでのある仕事でした。
 演じながら、今回もまたたくさんのことを勉強させてもらいました。
 重ねてお礼を申し上げます。
 
 今年の頭から続いた芝居まみれの毎日が、これでひと段落。
 1月の「Tea for two 二人でお茶を」、2月の劇団劇作家リーディング研究会での本読み、いわき総合高校「あいだにあるもの」、富士見丘小学校の「雪の降る日に・・」、3月の「新・こころ」、4月末から5月の鹿殺し「狂人教育」、6月の「襤褸と宝石」、7月の劇団劇作家「劇読みvol.2」、そして、「祝/弔」。ずっと芝居をしていた気がする。
 今年は、あと11月30日のgaku-GAY-kai、そして12月には来年1月のフライングステージ本公演の稽古が始まる。
 しばらくの充電期間。というか、作家としての関根にギアを切り替える。


2008年08月27日(水) 帰ってきた!

 午後から西巣鴨へ。
 「祝」の稽古場に帰ってきた。
 もっちゃんに変更点をメールでもらっていたのだけれど、昨日までの「ママ」から、秋彦にうまく切り替えができない。
 午後の小返しは、なんとなく体が目を覚まさないかんじ。
 夜は通し稽古。
 無理矢理、たたき起こした気分。
 帰ってきたなあと思う。


2008年08月26日(火) ピースリーディング2日目

 午後から、場当たり。
 そして本番。
 今日は、渡辺えりさんとラサール石井さん。
 去年の初演のキャストだ。
 昨日と全然ちがうのがおもしろい。
 リーディングなのに、こんなにライブなのはどうしてなんだろう。
 リーディングだからこそなのかもしれない。
 無事終演。
 終演後、僕は楽屋の片付けを担当して、撤収。
 その後、打ち上げ会場へ。
 お疲れ様でした! 


2008年08月25日(月) ピースリーディング1日目

 朝から劇場入りして、昨日の鳩を舞台にセットしていく。
 午前中、東急ハンズまで買い物に行く。
 調子がいいと思っていた腰が、どんどんおかしなことになり。
 へろへろになりながら新宿の街を歩く。
 昼から場当たり。
 夜本番。
 Wキャストで今日だけの出演の毬谷友子さん、流山児祥さんがすごい迫力。
 ライブのおもしろさを同じ舞台から満喫する。
 終演後、ロビーで乾杯。
 初日乾杯というのは初めてだ。いつもは一日で終わってしまうからね。
 そんなことをスタッフ、キャストのみなさんとおしゃべりする楽しい時間。
 いい初日が開いた。


2008年08月24日(日) 鳩たち

 「9条は守りたいのに口ベタなあなたへ…」の舞台美術をつくる。
 稽古場に昼から集合して、黙々と作業。いや、にぎやかに。
 総勢十数名で、百数十羽の鳩を作成。
 鳩は平和のシンボル、そして口には9の文字をくわえている。劇中に登場するモチーフでもある。
 舞台美術のデザインは、非戦を選ぶ演劇人の会実行委員で、クロカミショウネンでも今回お世話になっている加藤ちかさん。
 明日は小屋入り、舞台稽古、そして本番というあわただしさ。
 そのため、今日のうちにできるだけのことはしておこうということで、つくった鳩たちをロープにくっつけ、あとは吊すだけまで作業をすすめる。
 段ボールを切って、新聞紙を貼って、「9」の字の色紙をくっつけて、ロープへ。
 カッターをにぎる手がだんだん痛くなる。
 前に富士見丘小学校で、舞台に登場する犬のマリオネットを作る作業を手伝ったことがある。
 翌日、手が痛くてしかたないのだけど、理由がわからない。
 しばらくして、子どもたちが段ボールを切るのを「押さえていた」からだと気がついた。
 僕はそんな軟弱ものだ。明日は、腕の筋肉痛だろうか。
 それでも、こういうすぐに結果がわかる作業は楽しい。
 台本を書いたり、稽古をしたりという、なかなか形になってこないなか手探りするものとは、全然違う。
 外は雨。蒸し暑さにみんな汗だくになりながら、なんとか今日のところの作業を終了。
 写真は、その鳩たち。明日は、スペースゼロの舞台ではばたいてくれるだろう。

 夜は、クロカミショウネンの稽古。
 今日も「祝」「弔」、二つの芝居の同時進行の通し稽古の最中に到着。
 昨日のように途中から飛び込むのではなく、僕の代役をもっちゃんが演じてくれている様子を、ラストまで見せてもらう。
 僕の動きやセリフのニュアンスをなぞってくれているのだけれど、前から見るといろいろな発見があった。
 二つの芝居をシンクロさせるためのタイムキープとは別に、僕がもっとしなきゃいけないことは何だろうかとか、どんなことができるだろうかとか、いろいろ考える。
 場面に入って演じていたときには夢中になってしまって、なかなかわからないいろいろを。
 共演のみんなには申し訳なかったのだけれど、いい時間をいただいた。
 どうもありがとう。
 明日と明後日、ピースリーディングに出演するので、稽古はお休みをさせてもらう。
 この二日間、もちろん本番のリーディングはしっかりやりながらも、「祝/弔」の僕の役をもっともっと深めていきたいと思う。

 腰は、ずいぶんラクになったようで一安心。
 今日は、湿布をしないで出かけたのだけれど、夜になって、少し痛みがぶりかえしたよう。
 あわてて、湿布を貼っておく。

 *エンピツで読んでいただいている方はブログをご覧ください。
  http://shinichifs.exblog.jp/


2008年08月23日(土) 稽古&稽古・・・

 クロカミショウネンで着る衣装を探しに朝から銀座へ。今日しか行けないバーゲンがめあて。
 ベテランのマネキンさんに湿布とサポーターを巻いた腰の寸法をとられたりしながら、あれこれ目移りしながら、それでも、ああ、これならお買い得というものをなんとか購入。
 午後からは、ピースリーディングの稽古2日目。
 昨日は、頭からをざっと通したので、今日は細かく芝居を作っていくかんじ。
 僕は、去年も演じた「改憲バーのママ」役、はじめは勢いとエキセントリックなかんじだけでやっていたのだけれど、今日は、誰に話しているんだろうかという当たり前のことをシンプルに考えてみる。
 僕がママをしているバー「改憲」のホストは、去年に引き続いての板倉光隆さんと明樹由佳さん、そして、今年初めてご一緒する山口馬木也さん。
 去年のことはほぼ忘れている状態で(記録の映像は見たのだけれど)、初めからつくってみるかんじ。そのせいか、やりとりが新鮮で、とてもおもしろい。
 ただ読んでいるだけとはとても言えない、きっちりした芝居をキャスト全員がつくりあげている。自分が出ていないシーンを見ているだけで、なんだかもう、とってもしあわせな気持ちになってくる。
 それは、俳優という職業のすごさといったらいいだろうか。今日もまた、芝居の力に癒された気持ち。
 永井愛さんが演出している姿を見て、気がついた。永井さんは、富士見丘小学校の六年生と芝居をつくるときと、今、ここでベテランの俳優さんたちを相手にしているときと、まったく変わりがない。これはすごいことだと思う。
 僕は誰に対しても同じ態度でいられる人を尊敬している。自分もそうありたいと思うけれど、なかなかそうはなれない。でも、芝居の現場では、せめてそうありたいと思う。今日はその思いをまた強くした。
 稽古のあと、にしすがものクロカミショウネンの稽古場へ。
 通し稽古の途中から合流させてもらう。
 僕が、ピースリーディングの稽古と本番でお休みをもらっている間は、うちの劇団のもっちゃんこと岸本くんが代役をつとめてくれている。
 挨拶も何もないまま、するっと場面に入らせてもらう。
 一昨日とは違う気持ちで場面にいられるような気がしたのは、昼間の稽古場から、僕がいろいろもらってきたもののせいかもしれない。何がこれまでとは違うんだろうと考える。
 通し稽古のあと、台本の修正点や演出の変更をもっちゃんから聞く。
 その後、久米さん、古賀さん、もっちゃんと、お好み焼きやさんへ。
 軽く飲むつもりが、ほんとに飲むのは軽くだけで、さんざんぱらみんなでしゃべり倒してしまう。芝居のことばっかり(笑)。
 なんだかわからないけど思っていることを口にしてみると、ちゃんと実感のあるモノになって自分に返ってくる。
 イメージを思い出すのは難しいけれど、言葉を思い出すのは、たやすいからだろうか。
 話すことはやっぱりとても大事だ。
 帰り、早く稽古がしたいとみんなが思っていることが判明。
 いい現場にいるんだなあと思った。
 昼も夜も。
 感謝。



  非戦を選ぶ演劇人の会 ピースリーディングvol.11
 「9条は守りたいのに口ベタなあなたへ…」

 作・構成:永井愛
 演出:永井愛、西川信廣
 出演予定者:明樹由佳、麻丘めぐみ、石川武、板倉光隆、大沢健、
       大塚道子、小杉美香、坂口良子、沢田亜矢子、鈴木弘秋、
       関根信一、富沢亜古、 長山藍子、 根岸季衣、平幹二朗、
       毬谷友子(25日のみ)、丸尾聡、みやなおこ、深山洋貴、
       山川恵里佳、山口馬木也、蓉祟、ラサール石井(26日のみ)、
       流山児 祥(25日のみ)、渡辺えり(26日のみ)

 日時:2008年8月25日(月)〜26日(火) 開場18:30 開演19:00
 会場:全労済ホール/スペース・ゼロ(JR新宿駅南口より徒歩5分)
 入場料金:(全席指定)一般 1500円 中高生 1000円 小学生以下 500円

 チケット予約フォーム
     (当日精算システムです。ご予約後、予約番号が届きますので、
     その番号を持って開演の10分前までにご来場ください)

     PCからはこちら 携帯からはこちら

 *当日券は18:00から劇場受付で販売します。

 *26日はほぼ満席の状態です。25日はまだ余裕があります。
  ご来場をお待ちしています!


2008年08月22日(金) ピースリーディング稽古

 腰の痛みは昨日よりはややラクになったようで、明るい気持ちで目を覚ます。
 それでも、立ち上がって、出かける支度をしているうちに、ずんずん痛みがよみがえってくる。
 今日は朝から仕事。
 引っ越したばかりで、行きつけの医者もないので、なんとかなるさと出かけてしまう。
 体が不自由になって初めてわかるいろいろ。階段の手すりのありがたさが身にしみる。ありがとうエレベーター、ありがとうエスカレーター。
 午後からは、非戦を選ぶ演劇人の会のリーディングの稽古。
 大勢の俳優、スタッフのみなさんと、一緒に読み合わせ。そして、立ち稽古。
 今回の舞台は昨年上演した永井愛さん作、「9条は守りたいのに口ベタなあなたへ・・」の再演。去年と同じメンバーは、さらにパワーアップ、今年初めての方も、きっちり準備をしてきてくださって、まさにプロばかりが集まった現場。
 演劇というものの力に少し癒されたような気持ちで帰ってくる。
 痛みも今朝よりはずいぶんラクになったように思える。


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