せきねしんいちの観劇&稽古日記
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通し稽古を2回。 一回目はどうなるんだろうかと思いながら、二回目はその上でどうなるんだろうと言うことを楽しみながらやらせてもらった。 無我夢中でやった1回目より、落ち着いていたはずの二回目で、セリフを噛みまくる。 「やってやろう」としたのがいけなかったんだろう。 やってやろうと思ったことがちゃんとできる、気持ちと体になって、ようやく芝居ができあがってくるんだと思う。 今の僕がどのあたりにいるのかが、よくわかった。 夜、今日も軽くいきましょうか・・ということで宝石組(男子)プラス石原さん、上原くん、服部くんという顔ぶれで。 今日もまた、芝居の話をたくさん。終電で帰る。
2008年05月30日(金) |
久しぶりに初めまして |
朝、母親に呼ばれたので、何かと出て行ったら、家の猫がすずめをつかまえていた。 またか。 携帯で写真を撮るように母に言われ(母は携帯の操作ができない)、「そんな気の毒な・・・」といいながら、何枚か撮る。 家の中に雀をくわえて上がり込み、台所で高く放り投げて遊んでいる猫。 まだ息があるすずめは小さく震えていた。 猫から引き離して、庭に出してやった。その後のことはわからない。 この間は、近所の乱暴者の猫、クロちゃんと喧嘩して、傷だらけになって帰ってきて、へこんでいたのに。もう年か? かわいそうに・・・と思ったことを後悔する。 しばらく伸ばしていた髭を剃った。 女装月間が終わったので、気持ちを切り替えるために、髭を生やしていた。 せっかく男の役づくりをしているのに、おばさんっぽくなってしまうのはつらいので。 というか、デフォルトがおばさんなので、せめてもの抵抗。 なのに、早速、昼間、駅のトイレで出て行こうとした僕と鉢合わせになったおじさんが、「え?」という顔をして、僕の顔とトイレの表示を見比べていた。 こういう無意識の反応の方がダメージが大きい。やっぱりね。まあ、しょうがないか。
稽古は、衣装をつけての粗通し。 役者さんたちはみなさん、衣装や髪型を本番に向けて調整している。 バーテンの曽根役の井上倫宏さんが、髪を切って、とても若々しい印象になった。 20数年前の井上さんがそのまんまよみがえったよう。 今回の「襤褸と宝石」には、久しぶりで初めましてな俳優さんが何人もいる。 三谷昇さん、世古陽丸さん、青山伊津美さん、井上倫宏さんは、演劇集団円の養成所に所属していた僕にとっては、とてもまぶしい先輩方だった(演出の健翔さんも)。 共演したことは一度もなく、話したことさえなかった人たちと、今、二十数年経って、同じ舞台に立てていることが、とてもうれしい。こんな機会をいただけたこと、ほんとうに感謝している。
朝、青い傘を持って出かけて、電車の中に忘れてしまった。 まだ雨は止みそうにないので、ベージュ色の傘をあわてて購入。 昼、食事に入った店で誰かに傘を持って行かれる。 傘立てに、同じ色の傘はない。確信犯か。 二本目の傘を買う。 今度は、なかなか持って行きずらそうな赤い傘を無印良品で。 バッグの中にあった携帯ストラップ、何かのおまけについていたプラスチックの青い熊を柄にぶらさげた。 稽古前に、倉庫に寄って、稽古用の衣装をピックアップ。 台本を脇に挟んで歩いていたら、みずたまりに落っことす。 汗だくになって、劇場入り。 稽古は、まず4場を大勢で。 一番、どうなるのかわからなかった場面。 どんなふうにいるのかがわかって、ちょっとほっとする。 その後、4場の後半、アントラクト、1場、3場。 出番を順にあたらせてもらった。 一昨日のダメだしは、僕のなかでクリアになっていないのだけれど、今日は、これまでより、自然に舞台にいられるようになった気がする。 自分をどうやって作ろうか一生懸命考えていたのが、今日ようやく、人と芝居が出来るようになった。そんなかんじ。 昨日一日、ぐじぐじと考えたいろいろよりも、今、思いついたこと、健翔さんに言われてやれていることのほうが、ずっとたしかなものに思える。これでいってみよう。 ロビーに置いてあったフリーペーパー「因幡屋通信」に2月の劇団劇作家の番外公演のことが書かれているのを発見。僕が読んだ「陽気な幽霊」のこと、その後のシンポジウムのこと。85年上演のこの作品は、別役実さんの「メリーさんの羊」を読む企画、「模型機関車のある夕べ」のこと。 今回共演している三谷昇さんも出演されていた。同じ劇評に登場させていただけていること(芝居は違うけど)、うれしい縁だなあとありがたい。 帰り、青山さん、井上さん、剣持さんと軽く飲みましょうということに。 芝居の話をいっぱい。話して聞いて、楽しい時間を過ごす。 さあ、帰ろうと言うことになり、靴を履いていたら、剣持さんに、「はい」と赤い傘を手渡される。 また忘れるところだった。何をつけてもこれじゃ台無しじゃないか。 芝居の中だけじゃなく、こんなことでまでお世話になっている。ありがとうございました。
髪を切った。真っ黒な髪は重たかったので、久しぶりの短さに。 様子を見ながら、本番までにもう少し切るかもしれない。 夜になって、急に風が冷たくなってきた。 「襤褸と宝石」の台本を読んだり、新作のための資料を読んだり。 逃避のように、7月に演出する劇団劇作家の「劇読み」の台本を読んでみたり。 考えこむよりは、いろいろやってみることにしよう。 まずは、どうなるかわからないけれども。
「襤褸と宝石」稽古。 ここはどうなるんだろうかと思っていたアントラクトの場面。 よくわからないまま、とにかくやってみる。 よくわからないが、楽しい。 冒頭から順を追って途中までの通し。 小返しのあと、「○○○○みたいに」と健翔さんからダメをもらう。 「ええ!?」と思いながら、とにかくやってみたのだけれど、途中でわからなくなってしまう。 人物を場面毎に外側から作っていたのを、根っこの部分を全取っ替えしたら、その上に乗っかるものがわからなくなった。なんとかひとつにつながっていたものが、きれいにバラバラになってしまう。 舞台の上にいながら、誰でもなくなっている自分に気がつく。自分ですらない。最低だ。 もう一度、落ち着いて考えてみないと。 稽古のあと、今日は初めてキャストが全員そろったということで、みんなで飲みにいく。 30名を越す大所帯。楽にぎやかにおしゃべり。元気をもらう。 明日は休み。やれることをやって、次の稽古に備える。
「襤褸と宝石」稽古。 今日から、本番の舞台、シアターΧで稽古。なんて贅沢。 久しぶりのシアターΧはやっぱり気持ちのいい小屋だ。 これから二週間、お世話になります。 稽古は、実寸での場当たりと小返し。 どうしたものかわからなかった場面が、「なんとなく見えてきた」とのことで、ちょっとほっとする。いろいろな発見がうれしい。
夜、20年来の友人と電話で話す。 誰かと電話で話すこと自体が、とっても久しぶり。 メールより、やっぱり電話だよねと思って、かけた電話。 考えてみたら、このところ、芝居以外であまり人としゃべってなかった気がする。 思いがけず長くなった電話は、電話の向こうに元気?と尋ねるものだったのけれど、結局、僕は自分の元気を見つけることができた気がする。ありがとう。
劇作家協会の総会に出席する。 新年度から、僕は理事ではなくなった。 富士見丘小学校の授業は、劇作家協会主導の昨年までとは違い、富士見丘小学校によるコーディネートだ。 劇団劇作家のみなさんに改めて始めまして。「ハルメリ」の黒川さん、「ホーム・カミング・ホーム」の村尾さん。よろしくお願いいたします。 「ハルメリ」の演出プランby健翔さんを相馬くんから聞く。今回もまた、おもしろいことになりそうだ。楽しみ。そして、僕もがんばらないと。 すっかりごぶさたの水木さんと長谷さんと、秋のラ・カンパニー・アンの公演のことをおしゃべり。 帰りは雨。篠原さんの傘に入れてもらって駅まで歩いた。 俳優と演出の仕事が続くこの頃だけれど、新作の準備もようやく始めた。 まずは資料を読むところから。 劇作家としての自分って何だろうということを考える。 先週切った髪を、今日は黒く染めた。 前回、微妙な黒髪戻しを使ったら、だんだんあせて緑っぽくなってしまったので、今回はしっかり黒くなるよう、慎重に選んだ。 結果、真っ黒になった。ずいぶん目立っていた白髪も染まって、とりあえず真っ黒。 「襤褸と宝石」の支配人の髪型が決まったら、もう少し切ろうと思うが、今は、とりあえずどうにでもなるように。
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