せきねしんいちの観劇&稽古日記
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2008年04月03日(木) アネット・ベニング

 芝居がひと段落したら見ようと思っていた「華麗なる恋の舞台で」をようやく。
 40代の妻子のある女優が、若い男と恋に落ちて・・・という、ある意味とってもベタなメロドラマなのだけれど、「女優」をこんなに面白く描いた作品もないんじゃないだろうか?
 ヒロインの大女優、ジュリアを演じるアネット・ベニングは、若くないことがあらわになる瞬間がすばらしい。目尻のしわやあごのたるみ。こんなにさらけ出しておいて、舞台の上では圧倒的な輝きを見せる。ゴールデン・グローブ賞の主演女優賞受賞も納得。
 原作はサマセット・モームの「劇場」。この作品は、「ガラスの仮面」で亜弓さんが乙部のりえに復讐する場面のエピソードが、そのまま描かれてる(美内すずえは、絶対これ読んでると思う)。
 映画の中での、新人女優への「復讐」のエピソードは、原作に較べてややあからさますぎるんじゃないの?という気がしないでもないけど、わかりやすく、おもしろくなってることはたしか。
 第二次大戦前のロンドンの劇場がどんなだったかというのもわかって(稽古風景とか)とてもおもしろい。
 イギリスならではの個性的な俳優たちが脇をしっかり固めていて、名前は知らないけど、いいなあ、この人と思える人がいっぱいだ。
「女優」や「劇場」が好きな人にはぜひおすすめしたい一本。


2008年04月02日(水) 「カンパニー」

 芝居がらみで、何冊か本を読む。芝居が終わったら読もうと思っていたものと、急に必要になったものなどなど。母親がすすめる推理小説もまとめて何冊か借りてみる。
 仕事の帰りに寄った本屋で何冊か衝動買いする。
 今発売中のシアターガイドに富士見丘小学校の卒業公演ことを書いていただいた。
 小学校の演劇授業のことを、シアターガイドの読者である演劇好きの人たちに知らせてくださったことがまずうれしい。そして、芝居についての感想だけでなく、子どもたちの聞く、話す力について触れてくださったことがとてもうれしい。今年度の授業にも、僕はまた関われることになった。新しい六年生と、また新しい芝居をつくる。まだ、どんなものになるか全くわからないけれど、きっとまたおもしろいものになるだろう。

 MacBookに入れっぱなしのDVDを移動の途中見ている。今日は、のいのいにもらった、ミュージカル「カンパニー」(NHKの地上はで放送したもの)を見終える。
 ああ、おもしろかった! もういっぺん、通して見てみようと思う。
 出演者が楽器の演奏もするというジョン・ドイルの演出が、この難しいミュージカルを、見事に立体的に立ち上げている。前に、曲だけを聴いていたときには、ソンドハイムの曲は好きだけど、ストーリーは・・・と正直思っていたのが、こんなにおもしろくなるなんて。
 劇中の人物の年令に追いついた(追い越した!)というのもあるかもしれない。人ごとじゃないミュージカルにいつの間にかなっていたのが、一番のおどろきかも。
 それにしても、歌って芝居して楽器も演奏って、そんなことのできる俳優がこれだけの人数いるっていうのはものすごいことだと思う。みんな当たり前なんだもの。歌も芝居も演奏も。日本には何人いるんだろう?と考えてしまう。
 ごくごく普通の日常を切り取った場面を演じる俳優たちが、日常をしっかり演じていることにも感動する。歌やセリフの裏側、むこうがわの思いが、ずっとありつづけていることのすばらしさ! 


2008年04月01日(火) ワークショップオーディション1日目

 9月に客演するクロカミショウネン18のワークショップオーディションにおじゃまする。
 演出の野坂さんにいろいろ言われながら、よく知っている人&初めましてのみなさんといろんなことをする。
 もう身体が喜んでしまってどうしようもないかんじ。広い野原で首輪を外されて、「ほら好きにしていいよ」と言われたときの犬のような気持ち。
 「新・こころ」とは、全然違う、身体の喜び方が新鮮。ここ数日、芝居が遠かった分、がつがつととびついてしまう(笑)。
 ほんとに楽しかった! 人の演技を見ているだけでもうれしくてしかたない。ちょっとげらげら笑いすぎて迷惑だったかもと反省。
 あと2回のワークショップ。遠足前の子どものように楽しみでしかたない。


2008年03月31日(月) 「ミステリア・ブッフ」

 のいのいと待ち合わせて、tpt「ミステリア・ブッフ」@ベニサンピット。篠原さんにもばったり。
 90年前に書かれたマヤコフスキーという人の作品を、作者の指示どおり、現代にアレンジしての上演。
 洗練された演出、俳優もみんな健闘しているのはとてもよくわかるのだけれど、なかなか芝居が入ってこない。退屈はしないのだけれど、見ながら、なんで?なんで?とずっと考えてしまう。
 原作の戯曲がおそらくそう書かれているのだろうけど、人間が描かれていない芝居は苦手なんだと気がつく。
 おもしろいなあと思う瞬間は、人と人がぶつかりあったり、ただそこにいるだけの人のいかたに惹かれたりするときなんだと思った。魅力的な人がいっぱいいたけど、それが大きなうねりにつながっていかないのがもったいなかった。
 終演後、出演していたコバヤシくんとユカさんにご挨拶。お疲れ様でした。
 帰り、のいのいとお茶をして、「新・こころ」の話をあれこれ。とりあえずの記録映像も渡してみる。どんなだか見てみてちょうだいと。
 芝居が終わってから、ひさしぶりに「しゃべったなあ」という感覚。身体があったまったような気持ちで帰ってくる。


2008年03月30日(日) Mac・・・

 「新・こころ」の記録映像を編集。というか、家庭用のデジタルカメラで撮ったものをなんとかDVDに焼ける形までもっていく。
 Macに入っているiMovieを、初めて使ってみる。便利なような不便なような・・・。ハードディスクがみるみるいっぱいになる。
 テープからパソコンに落とすことはできたのだけれど、その後のDVDに焼くことは断念。iDVDはわけがわからない。余計なお世話の機能がいっぱい。ただ、焼ければいいんだけど・・・。
 とりあえず小さなサイズで保存しようとクイックタイムに圧縮することにしたら、いつまで経っても終わらない。なんじゃこりゃ? もっといいやり方あるんだろうか? 僕のMacの力不足なんだろうか?


2008年03月29日(土) 浅草

 仕事を抜け出し、「百雀会」@浅草公会堂へ。
 春謡妙左京さんこと、マミィの出番には間に合わず、春謡妙左さんと春謡流家元による「婦系図」を見る。有名な湯島の境内の場面をほぼそのままに、歌謡曲に乗せた踊りも交えて。けなげに耐えるお蔦を演じる妙左さんが新鮮。先代水谷八重子の芸を研究したあとがありあり。
 誰にも会えぬまま、ばたばたと仕事に戻る。浅草の桜もしばらくはおあずけ。
 仕事場の近くの桜並木をのんきに見るだけで、いい気持ちになった土曜日。


2008年03月27日(木) 片付ける日

 始発直後の電車でいったん帰宅。仕事をひとつ片付けて、すぐに出かける。
 両国の倉庫で、樺澤氏運転の返しの車を待って、荷物を倉庫に入れる。
 いつのまにか、満杯になりつつある倉庫。そろそろ整理しないといけないなあ。
 その後、仕事に向かい、たまった仕事を片付ける。
 昨日の今頃は劇場にいたなあと思ったりする。久しぶりの感覚。
 芝居が終わったことをしみじみ感じる。
 徹夜明けのせいだけではない、腰の痛みがちょっと心配。


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