せきねしんいちの観劇&稽古日記
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2008年03月26日(水) 「新・こころ」千穐楽

 長丁場の公演も今日でおしまい。
 今日は開演前のダメだし、小返しもなし。何人かにいくつか気をつけてほしいことを伝える。
 マチネ。平日の昼にもかかわらず、大勢のお客様に来ていただく。ロビーでのご挨拶がとても楽しい。
 ソワレ。開演して間もなく、お客様のアクシデントでいったん中止して、40分後の改めて初めから上演することに。
 ずっと見守り、お待ちいただいたお客様に感謝。
 終演後、いつもにまして大きな暖かい拍手をいただいた。
 ソワレ千穐楽は、ひさしぶりだ。
 大急ぎでばらして、かたづけて、0時過ぎに撤収。
 劇場の地下の坐和民で打ち上げ。大いにもりあがる。こんなに楽しく、みんなでお酒が飲めていることに感謝。
 遅く始まった打ち上げは、朝を待つまでもなく、すぐに朝になった。
 なんとなく別れて帰るのが名残惜しい。
 ほんとにいい仲間と一緒に作り上げた芝居だったなあとあらためて思う。
 どうもありがとう。
 そして、ご来場いただいたみなさんにも。
 どうもありがとうございました。


2008年03月25日(火) 卒業式 「新・こころ」7日目

 富士見丘小学校の卒業式。電車が遅れて、ぎりぎりに到着。体育館の入り口で入場する6年生の最後尾と一緒になる。順番を待っていたにひくんと目が合う。にっこり笑った笑顔がとてもすてきだ。
 今年もまた、卒業証書授与で名前を呼ばれるときに、一言ずつスピーチをする6年生。今年は、去年の卒業生以上にはっきり、きちんと自分の思いを伝えてくれた。
 式のあと、控え室で、校長先生、平田さんと来年度の授業についての打ち合わせを簡単に。まもなく始まる新年度。「100年つづける」と言ってくださった富士見丘小学校の演劇授業。その2年目が始まる。100年続けるにはどうしたらいいか、そんなことも考えていく。
 「新・こころ」はあと2日目。同じ時間に劇場入りして、同じようなアップをして、そして開演の準備をする。
 芝居の現場は、いつも新鮮な何があるかわからない、新しく何かを生み出していくものだけれど、そんな舞台が毎日同じ、準備の上にあるのだということがおもしろくかんじられる。だからこその新鮮さか。
 本番の舞台は、楽日近くのややていねいに演じようとする芝居になっていたかもしれない。それでも、最後にはあたたかい拍手をいただく。どうもありがとうございました。
 終演後、お客様にご挨拶。
 22時完全退出な中、大急ぎで着替えて片付けて、外に飛び出すのであわただしい気持ちのままのご挨拶になってしまい、もうしわけない。
 いつもの、そして、なつかしいみなさんに会える。芝居を続けていることのご褒美のような時間。
 帰り、見に来てくれた今井くん、まみぃ、早瀬さんたちと、早瀬さんの知り合いのおでんやさんに食事に行く。桑島さんたちも偶然一緒になり、おいしいおでんを楽しくいただく。
 明日は千穐楽。


2008年03月24日(月) 「新・こころ」6日目

 平日、ソワレのみ。
 朝から雨降り。桜も咲いたというのに、花冷えとはこういうことを言うのだろう。
 ゆっくりと劇場入り。ここ数日、毎回やっているマッサージと舞台と客席の両方を使ってのアップを今日も。
 開場前に、場面の小返しを。微妙なニュアンスを確認。
 今日も暖かい客席に支えられながらの2時間強の旅をする。
 楽屋での僕のいかたに若干の変化。早変わりで忙しい、のいのいとまみぃのお手伝いができるようになった。帯を結ぶお手伝いを、モニターに耳を傾けながらさせてもらう。すぐ近くでヤケ太さんは脱いだ着物や帯の片付けをしている。
 終演後、今日も大急ぎで着替えて、メークを落として、外に出る。今回、この着替えが一番忙しいかもしれない。
 劇場の前でお客様にご挨拶。「夏のせいかしら」でお世話になった、藤井さん、柏木さん、板垣さん、タックさん、マサキさん、アイザワさん、うれしい感想をいっぱいいただく。
 帰り、今日もタックスノットヘ寄る。芝居の宣伝をかねて。たくさんの方にみていただけたらと本当に思う、今回の「新・こころ」だ。


2008年03月23日(日) 「新・こころ」5日目

 14時開演のマチネのみ。
 少しだけ芝居を広げてもらえるよう、みんなにダメだし。
 大声を出すということだけじゃなく、客席の一番後ろの人をもっと意識してほしいと。
 「新・こころ」は、書かれた言葉とは、微妙に違う気持ちの積み重ねで場面ができている。字面どおりではない、その裏にある気持ちといっていいようなものは、ただ声を大きくするというだけでは、きっと失われてしまうかもしれない。
 そのあたりとていねいに説明して、それでも芝居を広げてみてほしいと話した。
 そして、今日のマチネの公演は、何が変わったというほどの変化はないものの、明らかに芝居の輪郭がくっきりした印象。
 終演後、楽屋をのんびりと片付ける。衣装もていねいにケアをしておく。
 ロビーでいただきもののビールをちょうだいする。制作陣、スタッフ、そして役者衆がぱらぱらと残っておしゃべり。結局、22時近くまで話し込んでしまい、夜公演があるのと同じような時間に撤収する。
 久しぶりのタックスノットヘもっちゃんと一緒に顔をだす。
 舞台を見てくれたぱちぱちや、エスムラルダさんとおしゃべり。あっという間の土曜の終電で失礼する。


2008年03月22日(土) 「新・こころ」4日目

 二回公演の日。今回、「きっと大変そうだから」と二回公演の日はいつもより少ない。
 予想通りの大変さは、芝居自体のテイストよりも、むしろ着替えの多さかもしれない。
 劇中、一番多く着替える柳内さんは、都合6回着替えなくてはいけない。
 マチネ終演後、下北沢の町を買い物がてら歩く。
 細かい手直しをして、二回目の舞台の開演を新鮮な気持ちで迎える。
 本番中の役者の居場所がほぼ同じになってくる。狭い舞台裏と楽屋で誰がいつどこにいるかは、着替えと転換の多い、この舞台ではとても大事なことだ。
 僕は、自分の準備をしながら、舞台袖では舞台の声に、楽屋ではモニターに耳を傾ける。微妙なニュアンスが積み重なる場面の、その微妙さをチェックする。それもまた楽しい。


2008年03月21日(金) 「新・こころ」3日目

 夜公演のみなので、少し余裕のある劇場入り。
 抜き稽古を少しして、昨日のダメだし、というかいくつかの確認。
 その後は、各自が準備をして、開演に備える。
 当たり前のように、一人一人のやることが決まって、そのことをすんすんと運んでいく、そんな時間が流れていく、開幕何日目かの雰囲気が、僕はとても好きだ。
 確認したことをきっちりクリアしながらの舞台。僕がえ!?と思うようなミスをしてしまい、みんなに平謝り。お客様には、気づかれなかったかもしれないのだけれど。
 今日のポストパフォーマンストークのゲストは、エスムラルダさん。すっぴんで「こころ」について話をする。お父上が、漱石の「こころ」をプレゼントしてくれたという話で盛り上がる。
 帰り、エスムラルダさんと食事をしながら、おしゃべりの続き。ポストパフォーマンストークでしゃべりきれなかったことを、お互いに。


2008年03月20日(木) 「新・こころ」2日目

 マチネのみの2日目。昨日からの雨が本降りに。朝方からとても寒い一日。
 キャストのみんなで舞台上でアップをする。しりとりを舞台上で、客席を使って。駅前劇場全体を自分のものにできるよう。
 マチネ開演。大勢のお客様に見てもらいながらの2日目の舞台。雨の中のご来場、ほんとうにありがたい。
 暖かな客席に助けられて、いろいろな発見をしながら、ラストまで。
 終演後は、溝口彰子さんを向かえてのポストパフォーマンストーク。漱石の「こころ」、ヤオイについて、いろいろ語り合う。
 その後、いただきものの缶ビールを空けて、ロビーで幕内の乾杯を軽く、というかさくさく飲み話す時間。音響オペの小宮さん、照明のオペの中能くん、舞台監督の鳥養さんに「gaku-GAY-kai」について熱く語る。
 劇場を出て、まちゃ、えんちゃん、のいのい、もっちゃんと肉を食べようという話になり、焼き肉屋へ。肉をがつがつ食べながら、しゃべりまくる。
 帰り道の乗り換え駅、代々木上原。えんちゃんへの出演のオファーは、この駅が最寄りの稽古場で稽古中にしたんだった。トイレでたまたま一緒になって、用を足している最中の彼に、「来年の3月の公演に出ない」と話しかけた。トイレで出演依頼なんて・・とすぐに反省した。それでも、結局、出演してもらうことになった。この駅を通るたびにふと思い出す、そんなこと。
 同じ舞台でご一緒したさこぞのさんからいただいた花束を、部屋に活ける。春分の日の今日、春がようやく部屋にもやってきた気分。


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