せきねしんいちの観劇&稽古日記
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熱が下がらず、のども痛いので、一日家にいる。 芝居が終わって、風邪を引くのはいつもだなあと思ったり、季節の変わり目に具合が悪くなるのは、やっぱり油断してしまうんだろうかと思ったり。 夜、予定していた打ち合わせを一つ、ごめんなさいする。 猫はまだ寒くならないせいから、なかなか一緒には寝ていてくれない。 みかんの缶詰とヨーグルトという、いかにも病人なものを食べる。 他には、昨日煮ておいたひよこ豆でつくったお汁粉など。 お汁粉はのどにやさしい。声に少し力が戻ってきたような気がする。
朝から、高円寺でマミィこと石関くんと待ち合わせ。倉庫の鍵のうけわたし。 その後、劇団の倉庫に寄って、演劇部の公演で使えるかもしれない衣装をピックアップ。 小松川にすっかり遅くなって到着。 三日連続の演劇部訪問。 さっそく、着てみてもらうと、なかなかいいかんじ。 とっても「らしく」なったと思う。 朝から歩き回ったせいか、やや疲れてしまい、微妙に集中がもたないのがはがゆい。 ちゃんと届く声を出せているかもこころもとない。 家にかえり、少し横になる。 まるで二日酔いのように頭が痛いので(飲んでないのに)、熱を測ってみたら、あららというかんじの数値。
昨日に続いて小松川高校の演劇部の練習におじゃまする。 朝から微妙なすれ違いで、ばたばたしてしまい、朝いちからの予定が、昼からに。 お休みの人がいたので、できる場面をやろうということになり、抜き稽古。 ふっと生き生きとしたやりとりが生まれる瞬間がおもしろい。 高校生たちと一緒の芝居は、いつもとは違うエネルギーを使うような気がするなあと思ったのだけれど、すぐに、これは演出としての頭の使い方を久しぶりにしているからだと気がついた。 昨日思いついた、ラストの演出のアイデアを話してみる。試しにやってみてもらったりもして。実際にやってみるかどうかは、彼らにおまかせ。 夕方、昼間の予定を変更してもらった打ち合わせ。午前中に電話でやりとりしたあとなので、さっくりと。
昼間、母校小松川高校の演劇部の稽古におじゃまする。 ほんとうは先週末からの文化祭の公演を見に行く予定だったのだけれど、「夏のせいかしら」の本番とぶつかったために断念。 来週の日曜の地区大会の前に、一度見せてもらいたいなあと思って、現部長のPIYOちゃんに連絡をした。 今日はOB仲間の小林くんと後藤くんも一緒に。 通し稽古を見せてもらって、その後、あれこれ感想を言わせてもらう。というか、シアターゲームから始めて、一緒に場面を作っていく作業をさせてもらった。 こうすると芝居はもっとおもしろいよということを伝えたい、それが、僕のしたいことだ。 ほんのささいなことで、芝居は大きく変わっていく。そのささいなことを、ちょこちょこ教えてあげられたらなあと思う。 何度か同じ場面を演じてもらっているうちに、演じているみんなの表情が前より生き生きしてきたような気がしたのが、うれしい。 芝居は一人の中にあるんじゃなくて、人と人の間にあるんだよ。あなたが見たものを観客は見るんだよ。などと、富士見丘小学校で言っているのと、ほぼ同じことを話した。シンプルであたりまえな、でも、とても大事なことだ。 帰りは、小林くん、後藤くんとおしゃべりしながら、駅まで歩く。 彼らは、実は僕のぐーんと下の後輩だ(それでも30代)。「こんなトシのOBが来る部活ってないですよねえ」と言われる。うん、たしかにそうだ。19年前、小林くんが現役だった期の稽古に顔を出したのが、OBとして、最初の演劇部訪問だった。その舞台が、都大会に出場したりしたのが、今までの長いつきあいのはじまりだったなあと思い出す。
夜は、西田夏奈子さん、岸浪綾香さんからご案内をいただいたヒンドゥー五千回「渋柿の行方」を見にサンモールスタジオへ。 畳をしいた茶の間をダイナミックに斜めに配置した劇場の使い方がかっこいい。 どこにでもいるような、でも、ちょっと不思議な人たちのささやかな思いがていねいにつづられていく。テキストよりは、むしろ俳優さんたちの緻密な演技がごちそうだった。 にしやんは、アバンギャルドなおばあちゃん。物静かな語り口とたたずまいなのに、どこか「ただものでない」すごみをかんじさせる。自由自在な声の調子もみごとだ。 綾香ちゃんは、不思議な人たちのなか、一番しっかりした、強い女の子。去年の「罠の狼」でご一緒して以来。今日も、地に足のついた女っぷりがかっこいい。たぶん、登場人物の中で、一番「男気」がある役だったかも。かっこいい。 終演後、にしやんに挨拶&おしゃべり。主宰の扇田さんにもごあいさつを。 帰りは、おもしろい芝居を見た後のいつもで、少し余分に歩いて、地下鉄に乗る。 昼間の小松川演劇部と夜のヒンドゥーと二本分のいい気持ち。 今日も芝居が元気をくれた。 このところずっとひいていた風邪も、どこかに行ったような気分。
7月にうちの前で泣いていて、今にも死にそうだった子猫。裏のおうちにもらわれていった、その後が気になっていたのだけれど、母親が庭先に来ているのを見かけたという。 「目がまん丸でかわいくて、うちのとは大違い」だそうだ。元気にしてるんだととてもうれしい。 挨拶に来たんだとは思わないが、近所を遊び歩く、半外猫になったんだったら、僕もどっかで会えるかもしれない。 「うちのとけんかしてないといいんだけど」と母親は言う。 新参者とご近所のボス猫とはどんなつきあい方をしてるんだろう。二匹揃っているところを見てみたい気もする。
2007年09月20日(木) |
Pal'sSharer稽古 |
11月に書き下ろし、演出をするPal'sSharer公演「にねんいちくみ保護者会」の稽古初日。 仕事が遅くなって、ばたばたと稽古場へ。 さっそく台本を配って、読み合わせ。 全員が登場するまでを、何度か繰り返す。 俳優さんの声とキャラクターをイメージしてキャスティングをして、役をふくらませた。 よし、そう来たかという部分ににまにましながら、また、おお、そう来るかという部分に、知恵をしぼる。 これから、初日まで約二ヶ月。「夏のせいかしら」の俳優モードは、少しお休み。作家、演出家モードの秋の始まりだ。
2007年09月19日(水) |
富士見丘小学校演劇授業 |
後期二度目の富士見丘小学校の授業。 今日から卒業公演に向けての練習が始まる。 夏休みの宿題で子供達が書いてきてくれた作文を元に、篠原さんと僕が考えたお話。 今日は、そのなかから、12人が登場する場面を演じてもらった。 演出、指導は健翔さんにお願いする。 前回同様、特活室の舞台になる半分に椅子を並べて、そこを「教室」ということにする。 転入生がやってくる場面。クラスのみんなのおしゃべり、先生がやってきて、転入生を紹介する場面。 まだ物語がしっかり組み立っていないので、今日は、まずやってみようというかんじ。 やっぱり、子供は子供を演じるのがうまい。 生き生きとした朝の教室の場面が生まれてくる。 一人一人の工夫がとてもまぶしく、そしてうれしい。 最後にまたみんなに宿題をお願いする。 この宿題をもとに、台本はまた先に進むことができる。 今度もまた東京ロンドンをやりとりしながらの台本づくりだ。 健翔さんと、いろいろ打ち合わせをしながら進めた今日の授業。 篠原さんがいない間の進め方は、きっとこんななんだろうなというのが見えてきた。 校長室で振り返りをして、帰りの電車の中でも健翔さんとおしゃべり。芝居の話ばっかりを。
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