せきねしんいちの観劇&稽古日記
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急に涼しくなった。「夏のせいかしら」が終わって、秋が来たんだ。そんなかんじ。 一日仕事でばたばたして、昨日、劇場から持ち帰った衣装もまだそのまんま。 とりあえず、バッグから出すだけはしてみたら、なんだか強烈な木の香りがした。 どこの劇場でも、舞台の床はだいたい檜でできているから、楽屋から持ち帰った荷物は、そこはかとない木の香りがするものだけれど(それが劇場の匂いってやつに限りなく近いんじゃないかと思う)、今日はびっくりするくらい強く香った。さすが、ウッディシアターというだけはある。
2007年09月17日(月) |
「夏のせいかしら」千穐楽 |
千穐楽の舞台。 CDプロに引き続いての上演で、ロビーは大にぎわい。今日も全キャストが勢揃い日。 ABプロ開演の前に、千穐楽カーテンコールの段取り確認。 藤井さんから、昨日のダメだし。自分にとっての今日の課題を確認する。 ばたばたとした気分で開演。 今日は、ずいぶん汗をかいてしまい、途中から、汗とのたたかいになってしまった(笑)。 芝居は、いいかんじに運んだんじゃないかと思う。 暖かいお客様に今日もささえていただいた。感謝。 今日の課題は、プリン(30代がけっぷちアイドル)の「私たち負けたんですよ。認めたらどうですか?」という台詞を、ちゃんと受けるということ(僕の役はジャッキー加賀という母性あふれるダンスの先生。ゲイ) いつも受けていたつもりだったのだけど、今日は「ちゃんと」受けてみる。おお、なるほどこうなるのかと、千穐楽になっても、芝居をおもしろがってしまう。こんな僕を許してくれている現場のみなさんに、感謝だ。 Bチーム上演中も衣装のまま楽屋で待機してカーテンコールに備える。 プリン役の東條織江さんとおしゃべりもしながら。 彼女には、今回、ほんとうにお世話になった。というか、よく僕の芝居につきあってくださったと思う。 決めたことをなぞるんじゃなく、毎回ちがうことをやるような気持ちでいきたい、それが新鮮な気持ちで舞台にいることになるからという、いつも思っていながら、なかなか思う存分は実践できないことを、今回、稽古から本番にいたるまで、ずっとやらせてもらった。みなさん、どうもありがとうございました。 千穐楽の一言つき挨拶つきのカーテンコールを終えて、終演。やった、終わった。お疲れ様でした! 僕は、仕事があるので、打ち上げはごめんなさいして、お先に失礼した。 中目黒の駅で、プリン役に最初にキャスティングされていたのだけれど、ご懐妊のため降板したヒメにばったり会う。おしゃべりいろいろ。いいかんじに、ひとまわりしたなあと思えた。そんな気持ち。
2007年09月16日(日) |
「夏のせいかしら」3回目 |
3回目のAプロはマチネ開演。 藤井さんからのダメだしを聞いて、いくつか確認をする。 なかなか起きない身体をだましだまし起こしながら、準備を始める。 今回、ダンスがあるせいか、胸の上の方、デコルテの部分が筋肉痛になってる。芝居しているときも、気持ち重心を上げているせいかもしれない。 無理なストレッチは、今回、かえって危険なので、ゆるゆるとのばしていくことにする。 今日も満員のお客様をお迎えして開演。 「新鮮な気持ちで演じるには、違ったことをやろうと心がけること」、以前、RSCのワークショップで聞いた言葉を思い出す。なぞらないためには、どうすればいいか。一瞬一瞬のやりとりを積み重ねながら、違ったことをやろうとしながら、それでも、結果としてほぼいつもと同じことを選んでいく。 台詞を聞きながら、他の仕事(メーク)をして、片手間に聞いている台詞に新鮮に驚いたりする。そんなことを楽しみながら、終演。 カーテンコールは、役柄がダンスの先生なので、いかにもなミュージカル風の立ち方を思う存分に(笑)。 終演後、見に来てくれたトシくん、しいたけをさん、小林くんにあいさつ。加藤敦洋くんに、青年劇場の相楽満子さんにも。ありがとうございました。
夜は、非戦を選ぶ演劇人の会の運営会議。藤井さんも一緒に。 来年の企画について話し合う。 帰りに、西川さん、藤井さん、水木さん、明樹さん、相馬くんと打ち合わせをかねて軽く飲みに。 「夏のせいかしら」の公演中なのに、別の飲み会に演出の藤井さんといるのはとても不思議なかんじ。 というか、それは不思議でもなんでもなく、とってもホームグラウンドなかんじでのびのびと演劇&恋愛(?)トークで盛り上がってしまう。その不思議感は、藤井さんにきっちりカミングアウト。 店を出たところで、「劇読み!」でご一緒した青年劇場の伊藤さんにばったり会ってびっくりする。
6月のリーディング「九条は守りたいのに口ベタなあなたへ…」の上演台本が、非戦を選ぶ演劇人の会のWEBサイト http://hisen-engeki.com/ で公開されています。 憲法の問題を、ご町内の話として描いた永井愛さんの書き下ろし。 僕は、改憲バーのママを演じさせてもらった。 ワードのファイルがダウンロードできます。どうぞご覧下さい。
今日は、札幌の第11回レインボーマーチ。「夏のせいかしら」がなければ、僕は今日札幌にいたはずだ。 ゆうべ、去年の「二人でお茶を」の公演でとってもお世話になったトモコちゃんにメールを送った。 レインボーマーチの成功をお祈りしますと。 朝届いたメールは、札幌が晴れたという知らせ。 遠くの誰かを思うことを今日は1日ずっと考えていた。
非戦を選ぶ演劇人の会WEBサイト
2007年09月15日(土) |
「夏のせいかしら」2回目 |
今日のソワレがAプロの2回目。 1日おいて、また来た劇場は、ぐんと身近になった印象。 藤井さんをかこんで初日のダメだし。その後、ゆるゆると舞台のセッティングと小返しを少しして、さくっと準備に入る。 今日の客席は、開場したときからずっとにぎやか。開演してからもそれは同じで、初めから暖かい拍手をいただいた。 芝居はやっぱり観客と一緒につくっていくんだなあということを思う。稽古場でも場当たりでも、「どうなんだろう?」と思っていたリアクションの芝居が、今日はすんなりと腑に落ちた。 始まるともう止まらないノンストップのこの芝居。僕が一息つけるのは、後半に一度舞台奥に引っ込んだときだけだ。それ以外はずっと何かしらしている。しゃべっていない隙間を埋めるために苦労するというわけでもなく、4人の登場人物の一人として、場面転換のないこの場所で、ずっと息をしていなければいけない。 今日は、その息がとても自然にできた気がした。なんだろう、この気持ちは。 一昨日の初日の一番の反省は「息が浅かった」ということで、今日の目標は、ちゃんと息をするということだった。 目標にしたその息は、実はお客さんと一緒に息をするということだったのかもしれない。少なくも今日のところは。 なんだろうこれは?というくらい、軽やかなノリで終演。暖かな拍手をいただく。 続く、Bプロも大いに盛り上がっている様子が、ロビーにいても聞こえてきた。 見に来てくれたナルチエ、それに夫婦そろってのマリコちゃん(あでやかな着物姿)にご挨拶。ありがとうございました。 帰りは、AB合同での乾杯に流れる。スタッフのみなさん、CDプロのみなさんも加わって、まるで打ち上げのような大人数。 乾杯をして、少しおしゃべりした後、お先に失礼する。 この週末には、やらなくてはいけないことが、てんこ盛り。乗りっぱなしの地下鉄で、原稿に向かう。
2007年09月13日(木) |
「夏のせいかしら」初日 |
CDチームのみなさんの場当たりをちょこちょこ拝見する。 今回は2本×2のプログラム、今日はじめて全キャストが集合したことになる。 CDチームのみなさんが客席で見てくれている中、ゲネプロを終える。 その後は、Bチーム「セクシー・バスストップ」のゲネプロを客席から拝見する。 森若香織さん、土井よしおさん、中野将樹さん、DJきーぽんさんのキャラの濃いこと! 楽しく拝見して、拍手喝采。 そして、Aチームは藤井さんからのだめ出しのあと、初日の準備。 今回の「夏のせいかしら」では、ノーメークで登場して、芝居の中でメークをどんどんしていく。 なので、何も準備することがない。 客席が開場した後は楽屋で、土井さんや中野さんとおしゃべり。少し早めに舞台裏でスタンバイ。 東條さん、鶴丸くん、伊藤くんと軽く挨拶して開演。 初日の舞台はあちこちで、初日らしいアクシデントがありながら(個人的に)、ラストまできれいに流れたんじゃないかと思う。相手に反応できる身体が稽古の間にできてたんだなあと、振り返る。 満員御礼の客席なので、Bチームの上演中は、外に出てみる。劇場界隈をちょっと散歩。劇中で使う、コントレックスが安く売ってるスーパー、それにこじゃれた飲み屋さんを多数発見。 Bチームが終演して、客出しのご挨拶。あきやんとまみぃが来てくれた。あきやんは藤井さんと文学座で同期だったとのこと。またまた不思議な縁がつながった気持ち。 まみぃからは、古本屋で見つけたという、蜷川幸雄演出「にごり江」(初演)のプログラムをもらう。大好きな芝居。大感謝。 初日乾杯も全体ではなしとのことだったので、藤井さん、こずえちゃん、見に来てくださった板垣恭一さん、それに柏木さん、鶴丸くん、伊藤くん、それに伊藤くんのお友達と一緒に近くのお店へ。 芝居の話をたくさん。飲むのは黒ビール一杯だけにして、お先に失礼する。 あと3回の公演、満席のSOLD OUTになってしまって、たくさんの人に見に来て貰えないのが本当に残念だ。ごめんなさいのメールを今夜も何通も送る。
2007年09月12日(水) |
「夏のせいかしら」劇場入り |
劇場入り。 仕込みが一段落するのを待って、場当たり。 稽古場で実寸の装置での稽古を重ねてきたので、初めての寸法に身体を慣らすこともなく、するっと空間にいることができているような気持ち。 客席に対して舞台が高いのにもすぐに慣れる。ここ数日で新しく加わった着替えの段取りに、今日もやや手間取ってしまう。 振り付けのミヤコちゃんが来てくれて、確認チェックをもろもろ。感謝。場当たりということで、ダンスを何度も繰り返す。一度やると「使い切る」体力で構成しているので、繰り返すのは正直きつい。「本息じゃなくていいよ」と言ってもらうが、それだと踊りながらの台詞の息が変わってしまうので、がんばってしまう。 Aチーム終了後、Bチームにバトンタッチ。4本の盛りだくさんな芝居をつくりあげるスタッフのみなさんは、大変な仕事量だ。ほんとうに感謝。 ロビーで、藤井さん、ミヤコちゃんから、ダメだし、確認、もろもろ。今日はここまで。 夜中、全公演のチケットが完売になったとのこと。ご案内をお送りして、どうしようかと検討していただいていたみなさん、申し訳ないです。お詫びのメールをばたばたと送る。 ニュースで持ちきりかと思いきや、そうでもない、安倍首相の辞任。ようやくかと思う気持ちと、何で今?という気持ちでいっぱい。何もしてない、ダメダメな首相のような気がするけど、この人が強行採決した法律を思い起こすと真っ暗な気持ちになる。 この間の参議院で、国民は現政権に「ノー」をつきつけたわけだけれど、成立してしまった法案は、そう簡単にはちゃらにはならない。でも、変わらないものはないはず。やっぱりおかしいよと言い続けることが大事なんだ。
2007年09月11日(火) |
「夏のせいかしら」稽古 |
亀戸の稽古場。 昨日に続いてのスタッフを前にしての最後の通し稽古。 着替えに失敗する。シャツのボタンを1つかけちがえた。 どうしたら間違えないか、工夫しないと。 さんざん探した衣装、ついに決定する。 稽古着として着ていたもので行こうと思う。 台風が行ったばかりだというのに、大雨。雷もすごい。 稽古でさんざん着倒したTシャツが山になっている。 とりあえず洗濯して部屋干ししておく。
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