せきねしんいちの観劇&稽古日記
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稽古が休みになったので、以前から誘っていただいていた「デモクラシー」をル・テアトル銀座に見に行く。お昼に電話をして森川君と一緒に。 1969年から始まる、西ドイツ首相とヴィリーとその側近ギョームのお話。ギョームは実は東ドイツのスパイだったという物語。ブラントに鹿賀丈史、ギョームに市村正親という顔合わせ。この二人を中心にお話は進むのかと思いきや、そうでもなく、内閣の派閥のごたごたが「政治劇」というかんじでくりひろげられる。同じマイケル・フレイン作の「コペンハーゲン」のような、地味だけど密度の濃い舞台を期待して、楽しみにしていた舞台。 戯曲は、「コペンハーゲン」よりもストイックに、ブラントの成功と失墜を時系列に沿って描いていく。叙事的な台詞の合間に、ブラントが理想を語る演説と、屈折した思いを語るギョームの言葉が、精緻に組み立てられているのはわかるのだけれど、やっぱりむずかしい芝居だった。 鹿賀丈史は、やや台詞を歌い過ぎてるかもしれないし、市村正親は、内面の思いをやや過剰に身振りで表現していたかもしれない。初日からずいぶん経って、演出家の手の届かないところで、役者達がやりやすい芝居になってしまっていたのかもしれない。 もちろん、男ばかり十人の役者達は、とっても好演、健闘していたと思う。それでも、やっぱりもう少し心にひびくものがあったらなあと思わずにはいられない。舞台はゆるやかに傾斜する四角い本舞台とその上手に首相のデスク、舞台奥に男達が控えている会議室のような大きな机、そして、舞台を移動する半透明のついたてのみという構成。このシンプルな舞台で男達は、とってもストイックに、衣裳を替えることもなく、相手のうらをかこうとし、疑い、怒り、失望する。ほんとうにていねいに作られていて、退屈するということはないのだけれど、もう一つ、何かがほしいという気持ちのまま終幕まで来てしまった。 最後の場面で、それぞれの人物が、各自の「その後」の話をしながら正面に向かって立つ。 ベルリンの壁が崩壊した今、東と西の対立も遠い幻になってしまった、そのむなしさと、それでも命をかけて闘った男達のすがたに、この「大変な芝居」に取り組んだ十人の俳優達の姿が重なって、なんだかものすごいものが舞台から届いたようだった。芝居に感動したからとは素直に言えないような、わけのわからない涙を流し、拍手をいつまでも送った。 鹿賀丈史の「スター」としての存在感、市村正親の恋心にかぎりなく近く見えてくるブラントに対する思いはそれなりに見事だったと思う。近藤芳正、藤木孝、今井朋彦、三浦浩一もいい芝居をしてた。メインの二人とは対照的な地味な芝居だけど、台詞がまっすぐに届くことに感動した。 腹ぺこのまま銀座の街をうろうろし、森川くんとラーメンを食べて帰ってくる。
| 2005年03月29日(火) |
「浅草シルバースター」稽古 |
昨日の続きの西村家の稽古。 今日は、全キャストが勢揃いの日。 ほんとに大勢だ。 昨日の続きの読み合わせをして、通して読む。 最初の読み合わせよりも大幅に時間が短くなって終了。 課題をいっぱい見付けながら、自分の役のしなければいけないことが見えてきたかんじ。 稽古の後、みんなで飲みに行く。読売ランド前で飲んでいるというシチュエーションがすでにおもしろい。 これまであまり話せなかった、演出の高木さんと、みんながそろうまえに、たくさん話ができてうれしかった。 「あさくさハウス」組の本郷さんともずいぶんたくさん話せた。無名塾の話やら、僕のことなどなど。男気のある人だなあと感動する。 帰りの電車が今日もにぎやか。初対面の人たちとの長距離の移動は気詰まりなものかしらと心配しないでもなかったのだけれど、そんなことは全然なく、楽しくおしゃべりできている。 明日は、西村家の稽古はなし。明後日からはあら立ちが始まる。
| 2005年03月28日(月) |
「浅草シルバースター」稽古 |
今日は読売ランドの稽古場に間違いなく。待ち合わせ。 西村家の稽古。 昨日の続きの読み合わせ。 高木さんに、芝居が小さいと言われてショックを受ける。たしかに、自分とは遠い人物をつくるのに、小心になってたかもしれない。台詞の語尾もきっちり相手にかけてなかったかもしれない。 途中から意識して、出していくことを心がける。自分なりにだんだんおもしろくなってきたところで、今日はおしまい。 雨模様の道を駅までおしゃべりしながら歩いて帰る。 白木蓮がきれいに咲いている。自然がいっぱいの道。 一人だと遠く思える電車もみんなでおしゃべりしているとあっというまに代々木上原。
| 2005年03月27日(日) |
「浅草シルバースター」稽古 |
一度、家に帰ろうかと思ったのだけれど、眠気には勝てず、稽古場に直行することにする。 朝、森川くんの入れてくれたエスプレッソを飲みながら、芝居の話をする。いい天気。のどかな日曜日。先週の、先々週の日曜日が夢のようだ。 上履きを持っていなかったので、中野で買って、今日の稽古場、読売ランド前まで行く。待ち合わせの時間になっても誰もこないので、まさかと思い、一倉さんに電話する。完全な勘違い。今日は代々木八幡の稽古場だった。あわてて小田急線で戻る。30分遅刻して到着。ほんとうに申し訳ない。みなさんを待たせてしまった。 今日の稽古は、幼稚園を営んでいる西村家の場面。前回の半分ほどの人数。頭から、読み合わせをしていく。高木さんから、質問されたり、いろいろやってみたり、みっちりと。 今井さん、外波山さん、益富さんたち、年配なみなさんの芝居がとってもおもしろい。もう自由自在というかんじだ。 僕の役のいかたがだんだんわかってくる。とっても人間くさい人なんだあと気がつく。この間の話し合いで、自分中心に考えていた、自分を正当化するプランでなく、「だめだめ」な突き放した人物がつくっていけたらいいなと思う。 明日は、読売ランドの稽古場。今度は大丈夫。
| 2005年03月26日(土) |
「二人でお茶を TEA FOR TWO」報告会 |
久し振りに昼間家にいる日。廃品回収に新聞紙の山をもっていき、掃除と洗濯。いい天気。 森川くんの家に集まって、「二人でお茶を TEA FOR TWO」の制作のしめ。なべちゃんと三人。決算の報告を確認して、精算をして、感想を言い合って、おしまい。お疲れさまでした。 岩井さんを加えて四人で、飲みに出かける。途中からノグも加わって、にぎやかに。 そのまま帰る気がしなくて、今晩も森川くんの家にやっかいになる。森川くんが寝てしまったあと、岩井さんとおしゃべり。布団をしいて寝ていたら、デリ子さんが足元に入ったまんま眠っていた。朝方、毛布の中を覗いたら、出ていこうとしてくるくる回っているデリ子さんのまわりに静電気の火花がバチバチ散っていた。きれいな緑色。デリ子さんは平気なんだろうか? わりと何でもないふうだったけど。
富士見丘小学校の卒業式。 体育館に行く前に、控え室にいるみんなに会って「関根さんだ」と言われてうれしい。 みんなブレザーをきちんと着て、なんだかいつもより小さくなったような気がする。 5年生の合奏にあわせて、一人一人入場する姿を見て、もうほろっとしてしまう。 来賓ということで恐縮していたのだけれど、子供たちのそばに座らせていただくための配慮だったのだなあと気がつく。ありがとうございました。 卒業証書の授与で、ひとりひとり名前を呼ばれるたびにいろんな場面が思い出された。 紹介されて、「これからも元気でね!」と言ったら、みんなで元気に「はい!」と返事してくれてびっくりする。 子どもたちは、初めのうち、いつものようにケロケロしていたかと思うと、式が終わりに近づくにつれ、みんな涙々になっていく。 元気いっぱいのアキトくんが、しゃくりあげながらそれでも大声で歌っていた。つっぱっていたショウゴくんが目を赤くして、涙をぬぐっていた。はきはきしゃべっていたチナツちゃんも退場しながら、泣き顔になっていた。 こないだ会ってからまだ一月も経たないのに、声変わりが進んでる男子にも驚く。 式が終わってから、控え室でみんなにつかまる。近くに座っていたユリちゃんが篠原さんに「関根さんすごく泣いてた」と言いつけてるのを聞いて、「はい、泣いてましたとも」と言い返す。 校庭を突っ切って歩いて、みんな帰っていく。5年生がつくるアーチをくぐってみんなやってきた。森山直太郎の「さくら」が流れてる。お母さん方とご挨拶。子ども達と記念撮影。いつもどおりの元気なみんなの姿。いい卒業式だった。みんなのこと忘れないよと、改めて思った。 富士見ヶ丘中学校に進む子供たちは、中学でも演劇授業を受ける。僕らは直接、関わらないけど、どうぞ元気でやっていってほしいと思う。
のぐが舞台監督をしている、五線紙公演「桜*三重奏」@荻窪アールコリンの仕込みのお手伝いに行く。 取り壊されたアパートのドアをそのまま使うということで、一番心配だったのは、果たしてちゃんとドアが立つのかどうか。 夕方にはなんとかめどもたって、ほっとする。 舞台芸術学院のミュージカル科卒業の五線紙のみなさんと桜の花びらを切りながら、ミュージカルの話をいっぱいする。歌ったりもする。 外は夕方から急に雨模様。思い切り洗濯して干したのに、がっかりだ。 場当たりの直前で一足先に失礼する。 高円寺に寄って、「二人でお茶を TEA FOR TWO」の荷物をピックアップ。 高市氏、まみーと見てきたばかりの勘三郎襲名の話や7月の公演の話をする。 重い荷物を抱えて、駅からはタクシーかと思っていたのだけれど、雨上がりに月が輝く不思議な夜。自転車でそろそろと帰ることにする。
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