せきねしんいちの観劇&稽古日記
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| 2005年01月26日(水) |
ワークショップ9日目 |
ジュリアス・シーザーをいろいろ演じてみる。 もともと椅子を四つだけおいて、とても狭いエリアを舞台上につくっているんだけど、ロジャーはいろんな状況をつくりだして、僕たちをそこにほうりこむ。 TAKESHIくんとASAKAくんは、客席の後ろにおいてある机のまわりでやってみることに。みんながぎっしりとりかこんで、ものすごい緊迫感になった。僕はプロンプターとしてロジャーのとなりにしゃがみこむ。終わってから、ロジャーに肩を叩かれて「GOOD!」と言われる。 続いて、今度は舞台で椅子のまわりに全員で立った。ロジャーは「僕たちはテントだ」という。人の壁が演技エリアをよりいっそう息苦しいものにしている。照明をできる限り暗くして、「ランプしかない」状況になる。とっても密度の濃い、いい場面ができあがった。 この状況の二組目のキャシアスにYOSHIくんが立候補。だれかブルータスをやらない?というところで、ロジャーが「シンは?」と声をかけてくれた。大喜びで舞台に出る。一昨日、やりきれなかったことを、同じ相手、特に彼とやれるのはほんとうにうれしい。 ロジャーは、「ムッソリーニみたいなブルータスはどう?」と言う。うん、なるほどね。続いて、「この場面の二人は、すでにある緊張感をはらんでいるという設定ではじめてほしい」と。一番低いところからはじめてだんだん上がるというプランを、少し先に進めて、やや高いところから始めてみる。僕はイライラして靴で床を一回蹴ってから椅子に座ってみる。場面が始まった。 YOSHIくんとの芝居は、台詞が時々あやふやになったりしながら、それでも最後のシークエンスがきっちりやりとりできたと思う。ほんとうにおもしろかった!! 相手だけを信じて、呼吸をよみながら、合わせながら、裏切りながら、芝居をつづけることはなんて楽しいんだろう。 終わってから、YOSHIくんにありがとうと挨拶。もう一回必ずやろうねと話す。 ロジャーがまた新しいテキストをみんなに配る。 何度か話に出ていた、「ヘンリー5世」冒頭の序詞役の台詞全部。「最終日には何人かおぼえて演じてくれるとうれしいな」と、挑発するようなことを言うロジャー。 最後に、昨日からの「荒涼館」。軽く読んだあと、俳優チーム×2と演出家チームの3チームに分かれ、それぞれで場面をつくることになる。やっぱりそういうことだったのね。使っていいのは椅子4脚と紙をいくらでも。 さっそく順番に舞台を使い、ホワイエに出て、うち合わせ。 今回初めての集団での作業。なかなかまとまらない。みんなのやりたいことをいろいろ試してみるうちに、時間がきてしまった。 どうなるんだろうと心配だけど、あとは明日。 帰りの電車の中で、「ヘンリー5世」の台詞を入れようと思うが、うまくいかない。「荒涼館」のことで頭はいっぱいみたいだ。
| 2005年01月25日(火) |
ワークショップ8日目 |
昨日に続いて、独白の説明の続き。今日は「十二夜」と「恋の骨折り損」。 休憩時間に、MIKIKOさんとのこないだの約束通り、ヴァイオラを演じてみる。舞台のすみっこで、こっそり、でも元気いっぱいに。楽しかった。 続いて、独白大会。 ずっとやっていたハムレットだけれど、今日は動かない&父王のことをちゃんと思ってるハムレットをやろうと思っていた。 のだけれど、途中で、ヴァイオラを演じた男性がいて、急に僕もやってみたくなり、これができるのは今日だけかもしれないと思い、やってしまう。 時間がいっぱいであと3人だけねとロジャーが言ったところで立ち上がった。 かなりバタバタと演じた。反省することがいっぱい。やってみせようとか、おもしろがらせようとかいう気持が先に出てしまって、いい芝居じゃなかった。ウケてはいたけどね。 最後は「荒涼館」。みんなで何度か読んでおしまい。 今日は、朝倉摂さん、市川森一さん、それに三田和代さんが見学にみえていた。 帰りに三田さんと少しお話しする。三田さんはこのワークショップに参加したいと思っていたそうだ。もしそうだったら、どんなだったろうと思う。そして、そう思っている三田さんの俳優としての熱意と謙虚さに感動する。 今日は帰りの電車で寝てしまう。へとへとだ。 帰ってから、原稿にとりかかり、富士見丘小学校の台本の続きを入力する。さっさと終わると思ったのに、ワードはやっぱりめんどくさい。トラブル続出。おまけに、プリンターの調子が悪くて、結局朝まで。朝方ようやくデータをメールして、少しだけ眠った。
| 2005年01月24日(月) |
富士見丘小学校演劇授業 ワークショップ7日目 |
送る会の台本の書式設定と印刷がうまくいかず、大遅刻して出掛ける。 2時間目のおわりにようやく間に合う。 青井さんから、全体の流れと役々についての説明。 図工の先生が舞台に飾るオブジェの案をもってきてくださった。 白い画用紙でつくった羽を広げた鳥。とってもいい。 どうやって飾るかを検討する。 大急ぎワークショップへ。 はじめに今回の独白についてのこまかい解説。 原文と対照しながら、じっくりと。 ハムレットの2つの独白について。 父王とハムレットはちゃんとした交流がなかったかもしれないというロジャーの考えを聞く。彼がハムレットを演じたとき、お父さんとの関係を思い浮かべたという話も。 続いて、ジュリアス・シーザー。 先週やってない人がひととおりやったあと、場面とキャラクターの説明をあらためてじっくり。 「シンがブルータスを選んだのは、自分と正反対だからだよね?」 「イエス」 というやりとりをした後、「じゃあ、ブルータスをやって」と言われる。 すっかりキャシアスをやるつもりでいたので、あたふたする。 一応、両方の準備はしてたけど、「何すればいいんだっけ?」とあわててしまう。 キャシアスはYOSHIくん。先週とっても鮮やかなキャシアスを演じていた。とってもチャーミングな俳優さん。 どうなるんだろうと思いつつ、彼とならできると、わくわくもする。 で、やってみた。 覚えたはずの台詞は所々出てこず、みんなに助けてもらって、最後までたどり着く。 「この剣で自分を刺せ!」と迫るキャシアスにブルータスは一歩もひいてはいけないはず。 ほんとに10センチくらいしか離れない距離で、長い山場のやりとりを演じる。 僕が一歩もひくもんかと思ったのと同じように、一歩もひかなかったyoshiくんに、感動する。 ほんとうに真剣勝負だった。なんて、おもしろかったんだろう。 最後に二人が和解するところも、読んで台詞を覚えてるときにはわからなかったことが、実感としてつかめた気がする。 ロジャーに、「シンは、自分がそうじゃないのに、貴族的にふるまおうとするブルータスで、よかった」と言われる。なるほどね。たしかに思い切りつっぱってたことはたしか。 ジュリアス・シーザーのあと、新しい課題を渡される。ディケンズの「荒涼館」の冒頭。みんなで順に読む。覚えなくていいという言葉をどこまで信じていいのか。霧に沈むロンドンの街の描写が延々続く。 今日はここまで。 夜、ロジャーが以前出演した「マクベス」のビデオ上映会。 マクベスは、イアン・マッケラン、夫人はジュディ・デンチ。ロジャーは、マルコムだ。 緻密な演技でとってもおもしろかった。 特に、会食のシーンでのマクベスと夫人の関係の変化。はじめはマクベスが取り乱しているのに、そのうちに夫人も心乱れてきて、最後には二人とも恐怖で真っ白になってしまうかんじ。 イアン・マッケランのマクベスは、「ベント」のマックスを初演したんだということがよくわかる。とても不安定で、でもセクシーで。魔女に未来を見せられるところで、上半身裸になって目隠しされるところは「愛の嵐」のようだった。 ジュディ・デンチは、どこもすばらしいのだけれど、夢遊病の場面での長い長い悲鳴がすごかった。顔がまん丸なのにもびっくりしたけど、そんなの全然関係ない、あたりまえだけど。 ロジャーのマルコムは、とっても繊細な若者だった。背が高くて、白いセーターが似合う。マクダフとの二人の場面が見応えがあった。この場面はとっても、ブルータスとキャシアスのシーンに似ていると気がつく。 2時間半をじっくりみて、ややくたくた。 帰りはまっすぐに。まずは思い切り眠ってしまい、夜中に起き出して、原稿に向かう。
| 2005年01月23日(日) |
小松川高校冬公演 新年顔合わせ |
午後から小松川高校の冬公演、森本ゆかり作「童話裁判」を見に行く。 去年の地区大会の稽古以来久し振り。視聴覚室に集まったのは、現役生とOBが中心。3年のヒロキくんとマサくんがお手伝いをしている。センター試験終わったばかりなのに、お疲れさま! 「童話裁判」という芝居は、僕が高校三年のときの都立上野高校が地区大会で上演した芝居。 作者の森本ゆかりさんともども、とってもなつかしい。 来週の冬季大会用に30分にまとめたダイジェスト。それでも、みんないい味でがんばっていた。 夜は、フライングステージの新年顔合わせ。高円寺に集合。 まずは今年の予定の確認。7月の本公演、gaku-GAY-kaiのことなど。 高市氏、マミー、ノグ、トシくん、小林くんが出席。早瀬くんは、ヒレンカンの稽古のためお休み。荒くんはお仕事。 その後、新年会に流れる。 いっこうちゃん、あきやん、永山くん、タカシくん、りょうちゃん、稽古から直行の早瀬くんが加わってにぎやかに。 今日も終電でばたばたと帰る。 確信犯で北越谷から歩くことにする。今夜はジュリアス・シーザーをさらいながら。
| 2005年01月22日(土) |
ワークショップ6日目 |
まず新作モノローグの発表。みんなすっごいおもしろいものを書いて演じていた。 「ローゼンクランツとギルデンスターンに二股をかけていた女」「ハムレットの血を吸って死んだ雌の蚊」「ハムレットを襲った海賊船の船長」「ハムレットが飼っている猫」「オリヴィアの飼っている犬」「ジュリエットの家の女中」「ローゼンクランツかギルデンスターンの首を刎ねた首切り役人」「マクベスの三人の魔女の母親」「シンベリンのヤキーモの妻」「クローディアスがガートルードの中に放出した精子」「死んでしまったオフィーリアの霊」「ポローニアスの妻」「バーナードの妹」などなど。もうものすごかった。 それぞれが、もうちゃんとした一人の人間としてそこにいて、一人芝居の20連発のような深さと面白さがあった。なんてすごいんだろう!ととなりに座った篠原さん、山本くんと盛り上がる。 僕は、マクベスの死んだ息子のモノローグを演じた。ちょっと長いけど、全部のせちゃいますね。
マクベス夫妻の死んだ息子のモノローグ
僕にはどうしても知りたいことがあるんだ。 だから、ここ天国の外れ 誰もやってこないこんなところで ずっと待ってる、パパとママがやってくるのを。 みんな僕に言う、お前の父親マクベスはひどいやつだ。 お前の母親はもっとだ。そうなのかな? ダンカン王を殺して、スコットランドの王様になったパパ。 ダンカン王を殺して、そばにいたおつきの二人を殺して、 バンクォーのおじさんを殺して、 マクダフさんとこのおばさんと子どもを殺して、 それから、もっともっとたくさんの人を戦争で殺したパパ。 みんなは言う、とっても悪いヤツだって。 自分たちはお前の父親に殺された。 いやいや、おとなしいマクベスをそそのかした 雌のライオンのようなお前の母親に殺されたんだって。 ひどいやつ、残酷非情な冷血漢。 権力志向の人でなし、人の痛みを知らないやつら でも、おかしくないかな? 戦争で死んだ兵士や残された妻や子供たちは なんでパパのことをうらむんだろう だって、コーダーの殿様を殺したのはダンカンだよ。 たしかにパパはものすごくたくさんの人を殺した。 でも、殺させたのはダンカンなんだ。 ダンカンに殺された人たちは、パパよりダンカンを恨めばいい。 みんなの恨みをはらしてあげたパパに感謝するべきだ。 ダンカンはいい王様、マクベスは悪い王様。 大勢の人を大義名分のために戦争で殺すのと 何人かの人を自分の欲望のために殺すのと どこがどう違うんだろう? 戦争で死ぬのはしかたのないこと 戦争で殺すのはとても偉いことなの? パパだってもっとほめられていいはず。 みんなしかたがないってあきらめるべきだよ。 ああ、きれいな夕日だな。 どうして来てくれないんだろう、パパとママ。 ママは自分がやったことを後悔して 気が狂って死んでしまったんだって。 パパも戦争で苦戦してるって。 本当は僕、応援しなくきゃいけないんだけど 早く負けてここに来ればいいって思ってる。 でも、こんなにやって来ないところをみると もうパパは殺されてしまって、でも、ここ天国には来れずに ママと一緒に地獄に連れて行かれてしまったのかもしれない。 みんなそう言うんだ。 二人とも地獄落ちだ、待つだけ無駄だって。 でも、人殺しが地獄落ちなら、みんな地獄落ちだよ。 そんなのおかしい。 あ、でも、もしかしたら、ここが地獄なのかもしれない。 だったら、パパもママもすぐに来るはずだよね。 僕は忘れないよ、優しかったパパのこと。 僕を抱き上げて、ヒゲをなでながら目を細めて こいつは俺にそっくりだ、いい武人になるぞって言った。 ママのやわらかいおっぱいも。白くて温かくて、他に何もいらない。 あのやわらかさはここ天国にだってないんだけどな。 僕がどうしても聞かなきゃいけないと思ってるのは パパとママが冷酷な人でなしになったのは 僕が死んじゃったからなのかってこと 僕が死んだあと、ママはしばらく立ち上がることもできなかったって。 ようやく立ち上がったと思うと、それまでとはうってかわって パパに出世しろ出世しろって言うようになった。 僕のかわりに王国やお金がほしかったのかな? もう一人新しい息子を生めばよかったのに。 でも、ママはもう子供はいらないって こんなに悲しい思いはしたくないって、パパもそう言った。 でも、どんなに偉くなって国やお金を手に入れたって 子どもがいなくちゃまた誰かに取られちゃうんだよ。 それでもいいの? だったら、なんでそんなことするの? そんなこともわからなくなるくらい、かなしかったの 僕が死んでしまったことが? 僕が死んだのは誰のせいでもない、ただの流行り病 パパとママのせいなんかじゃない。 でも、教えて、僕が死ななかったら パパもママもあの優しい二人 世界一幸せな、誰もがうらやむ夫婦のまま 歴史に名前を残したの? ねえ、教えてよ。僕のせいなのかな? 今日もまた日が暮れる。パパもママも来なかった。 そろそろ帰ろう。神様に報告しなきゃ、今日も二人は来なかったって。 神様は、いつも何も言わずににっこり笑って 僕の頭をなでてくれる。じゃあね。
発表は、とにかく全員が作り上げた人物が間違いなくそこにいて、昨日に続いて、客席に座って見ていた僕たちは、おもしろい芝居を見続けたような高揚感と幸福感に包まれっぱなしだった。 休憩後、今度は、今のオリジナルモノローグを踏まえて、それぞれの課題のモノローグを演じた。ノンストップで全員が。オリジナルモノローグを発表したのと同じ順番で、間をあけないで次々にという指示。 僕は、自分のハムレットのモノローグのあと、KAYOさんの「恋の骨折り損」のビローンの演説を聴く貴族としてお手伝い。あらかじめ頼まれていたので。ばたばたと椅子を運んで座ろうとしたら、となりにロジャーが。彼も一緒に貴族をやることに。わお、ロジャー・リーズと一緒に芝居してるよと思いながら、邪魔にならないように、受けの芝居をする。となりにいるロジャーを見ながら、どのくらいまでやっていいんだろうと探ったり。これもとってもおもしろかった。 全員の発表が終わってから、ロジャーが一人一人に感想と課題を。1週間終わって、来週に向けて、何をやればいいか。僕は、次の気持と動作に行く前に、あらかじめ準備しておくようにと。全体の構成をどう運んでいくか、ポイントとポイントをつなぐ橋をちゃんとかけるようにと言われる。うーん、難しいけど、やりでがある。 ロジャーは、感情をそのまま出すことはもうやらないようにという。今まではそれでよかったけど、来週からはそうじゃない。大声を出さなくても、ちゃんと感情がそこにあるように。これも難しそうだ。 最後に、ソネットを「ほんとに話しかけているように」演じて、今日はおしまい。 終了後に、懇親会を居酒屋で。座敷に30人ほどが座って、わいわい飲みながら話した。 これまで、ニックネームでしか知らない人たちの素性がわかったりして、びっくりする。 「ああ、その舞台なら見てた!」みたいなね。 2時間でさくっとお開き。記念撮影をして解散。 僕はうち合わせのために高円寺へ向かう。 千代田線に乗るみんなと一緒にホームで待っていたら、ロジャーが合流。 ちょこちょこおしゃべりしながら、新御茶ノ水で降りて、高円寺へ。
うち合わせは7月の演目や今年のこと、去年のことなどを、高市氏と。 終電までしゃべり、あわてて飛び出す。 おしいところで終電を逃し、北越谷止まりに。 タクシーよりはと、台詞を暗唱しながら、線路沿いの静かな道を歩く。 「十二夜」のヴァイオラの台詞がほぼ入ったので、ぶつぶつしゃべりながら。 そのうちにやっぱりというかんじでもりあがってしまい、「そうなのよ、女は!」と叫んだところで、すぐ後に人がいたことに気がつく。 それでも、家に着く頃には確認も終了。ジュリアスシーザーもところどころしゃべりながら帰宅。
| 2005年01月21日(金) |
ワークショップ5日目 ピンズ・ログ「サラミの会」 |
昨日やった「スーツケースにつめたもの」を、はじめにもう一度やってみる。僕は途中でどうしても出てこないところがあって、あわてる。ようやくクリア。 今日は、輪になって座らずに、客席にみんな座って、モノローグの発表。これまでずっと見てきていた演出コースの人も感想を言っていく。 ロジャーは、時々、僕を引き合いに出して、「シンはキャシアスにぴったりのキャラクターで存在がユニーク」と言う。だから、僕がやったのはブルータスなんですけど。 みんなの発表を見て、今日は僕はやらないでおしまい。篠原さんに「やっぱりキャシアスやってみることにするわ。ロジャーもああ言ってるし」と話す。 宿題が出た。明日までにシェイクスピアに登場しない人物のモノローグを書いてくること。 ロミオの元恋人とか、ハムレットの第4の墓堀りとか、リア王の4番目の娘とか。長さは3分間。どうしよう……。 シアター1010の1Fの花まるうどんで篠原さんと演出コースの方と軽い食事。演出コースは今日の夜、レクチャーがあるんだそうだ。
僕は、ウエストエンドスタジオに森川くんが出ている舞台を見に行く。けっこうばたばたする。西武新宿線はこんなに不便なんだっけ? 各駅が全然進まない。 ピンズ・ログ「サラミの会」。予備知識はほとんどないまま、今日も見てしまう。 まもなく取り壊される大学の校舎にある、映画研究会の部室。日曜日にOBどうしの結婚式があるという週末のスケッチ。森川くんは今はすっかり堅気になったOBの役。 最初はどうなるかと思うくらい、お話が進まなくて、いらいらしたんだけど、途中から俄然おもしろくなった。 みんな実に達者で、いい芝居をする。何もおこらないようなお話が動き出してくると、キャラクターがひとりひとりとっても魅力的に立ち上がってくる。 ちょっといじわるな突き放した人物の描き方をしながら、最後にきれいに幕を降ろした。 僕は今日もぽろぽろ泣いてしまう。いい芝居だった。 終演後、森川くんに挨拶。よかったよ!と伝えて帰ってくる。
帰りの電車の中で、「ジュリアス・シーザー」のキャシアスの台詞を覚えようと思ったのだけれど、ブルータスもあやしいので、開き直って両方入れてみようと思い、はじめてみた。 不思議と昨日よりもすっきりと頭に入ってくるような気がする。 いい芝居を見たせいか。 電車を降りるまでに、終わりまでなんとか到達する。 新作モノローグのキャラクターもこれでいこうというのを思いついた。
帰ってきたら、猫が母親の部屋の天袋に入ってしまった。 お正月に来た子ども達が少し開けたままにしておいたらしい。 つかまえようとしたら、天井の羽目板がずれていたところから、屋根裏へ。 ふたりであわてる。 うちに屋根裏があったということがもう驚き。 しばらく帰ってこないので、煮干しを持ってきて、誘い出す。 今度は簡単に投降してきた。すぐ羽目板をなおし、きっちり戸を閉めておく。
| 2005年01月20日(木) |
ワークショップ4日目 青年座スタジオ「なめとこ山の熊の肝」 |
昨日に続いて、ファッションチャンネルニュースのMA、「2005春/夏 東京コレクション」のパート。今日は1本なので、さくっと終了。北千住に向かう。
始まる前にロジャーに挨拶をしたら、こっちにおいでと呼ばれた。 「ピーター・グリーナウェイの映画は見たことある?」と聞かれて、「『プロスペローの本』ぐらいなら」と答える。ロジャーは「きみはグリーナウェイの映画に出てきそうなキャラクターだね」と言う。へえそうなんだ。 今日は、はじめに、自由に歩いてごらんと言われて、ロジャーが出した注文どおりのものになってみる。医者、霧、チビ、透明人間、などなど。最後はロジャー・リーズになってみんな歩いた。 続いて、ロジャーが階下の食品売り場の紙袋からみかんを取り出して、みんなに一個ずつ配る。「このみかんで遊びながら、ソネットを演じてください」 食べてしまう人、放り投げる人、アクロバットのような動きをする人、トレーナーの袖やパンツの裾から入れて違ったところから出してみるひと、ひたすらミカンで体中をなでるひと、一個ずつの房を床にならべて、足りないので見てるみんなからももらってハートのマークをつくったひと、みんなとってもユニーク。僕は、皮をむいて床にひろげておき、離れたところから、房をひとつずつその皮に投げ入れるというゲームをやってみた。ロジャーには一昨日昨日に続いてまた「ファニー」と言われる。 続いて、昨日ロジャーに「台詞はどうやって覚えたらいいんですか」という人がいたということで、ゲームをする。「私はスーツケースにちゃんとつめました。○○を」と言って、となりに人に回していく。回された人は、自分で新しい品物の名前を追加していく。どんどん増える品物。まだ名前もちゃんと覚えてないみんなの顔を見ながら、品物の名前を思い出していくことになった。20人の輪をまるまる2回りするまでゲームは続いた。とっても盛り上がる。 その後、4つのチーム、それぞれ5人ずつに別れて、それぞれのチームで一人の代表のモノローグをみんなで演出するというのをやる。 僕らのチームは、「十二夜」のヴァイオラをRUMIさんがやることに。「どこで練習してもいいよ」ということだったので、部屋のちょっと外の靴をぬいだりするスペースに集まって、あれこれ言いながらつくりはじめる。 指輪をどう扱うか、オリヴィアの家はどっちで、公爵の家はどっちかなど、みんなで考え、意見を出し合い、30分の時間ぎりぎりいっぱいでようやく終わりまで通った。 集まって発表。RUMIさんは最初に発表。とってもイカしてた。 その後、「ジュリアス・シーザー」、舞台に椅子を置いて、場所と空間の説明。で、やりたい人からやってみようということに。最初にカヨさんがたちあがって、どちらもやりたいけど、キャシアスにすると宣言。ブルータスをほんとにやりたい人はいない?と聞かれて、手を挙げてしまう。 で、やりました。 思ったこと。ブルータスは、あんなに早くしゃべっちゃいけないんだ。自分が芝居するよりもキャシアスに芝居させなきゃいけないだ。などなど、反省いっぱい。ロジャーには、「シンはとってもキャシアス向きのキャラだよね」と言われる。僕がやったのはブルータスなんですけど。 僕らの後にやったYOSHIくんがとてもりっぱにキャシアスを演じた。台本をはなして。すばらしい! 3組がやったところで今日はおしまい。
大急ぎで青年座のスタジオに芝居を見に行く。千代田線で一本。「なめとこ山の熊の肝」。 「なめとこやまの熊」と「グスコーブドリの伝記」をモチーフにした芝居。 原口優子さんが出演している。 予備知識がほぼ何もないまま見始めたのだけれど、熊をなんの熊らしい芝居もしない、普通の服装、冬物のコートを着たままで演じていることに、ものすごく心を動かされる。彼らが出てくるたびに、ぽろぽろ泣けて泣けてしかたなかった。 熊たちが集まってしゃべっているシーンで、母熊と小熊が並んですわっている。 母熊はおしゃれなコートに品のいい羽のついた帽子。小熊は子役がやっていて、普通の冬のちょっとおしゃれな普段着。それでもって、熊の親子としてやりとりをする。もう、この場面は一生忘れないかもしれない。そのくらい印象的だった。 熊を撃って暮らしている小重郎と熊の会話も、見たまんまだと、人と人とがふつうにやりとりをしてる。なんて素敵な演出なんだろう。 村の顔役を演じた津田真澄さんが、いくじなしの息子を叩くところがある。それが、ちっとも芝居芝居した叩きかたじゃなくて、もちろん、叩くふりして蔭で叩く音をさせたりするんじゃなくて、そのことにも感動してしまう。 ここ何日か芝居ばっかりな時間を過ごしていて、僕はちょっと感じやすくなってたのかもしれない。 それでも、まっすぐに心に届く、そして、演劇ならではの表現とおもしろさを信じてる、とてもいい芝居だった。 終演後、原口さんに挨拶して帰ってくる。 電車の中で、ブルータスの台詞を入れようと思うが、なかなか入ってこない。どうしたんだ?
電車の接続がとっても悪いので、北越谷で一度降りて、閉店間際の駅前のスーパーで買い物をする。 家まで自転車で走りながら、台詞をぶつぶつ言っていたら、前のかごにいれていたスーパーのビニールから、さっき買った「桜餅二個入り(50円引き)」が、落っこちてしまい、後輪で引いてしまう。ぐしゃっという音に驚いてあわてて自転車を止める。あたりに広がるさわやかな桜餅の香り。さいわい軽傷だったので、母親と二人で一個ずつ食べる。
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