Howdy from Australia
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2005年08月04日(木) Oh, you poor thing!

火曜日に研究生Vに頼まれ血液採取に協力したのだが、ちょうど運悪く手の空いている人が前回私の腕に注射針を二回も刺した産婦人科医Sしかいなかった。

「今回は失敗しないようにね!」と頼むと、涼しい顔で「あれ、そうだったっけ?失敗とかいやな経験は記憶から消すようにしてるから、覚えてないけど」と言われる。おいおい、失敗から学んでくれよ…と不安に思いつつ片腕を差し出すと、「ウェイトトレーニングしてるね!」と指摘される。えぇ、家に早く帰っても誰かが待っているわけでもないし、フィットネスクラブにも週四回は行ってるし、ご指摘の通り二頭筋も鍛えてるって。自分で言っていても悲しくなってくるけれど、とにかく一回で終了し、ご褒美にチョコレートをもらった。

そうしたら、二日後の今日。今度は先輩科学者Sから血液が欲しいんだけど…と頼まれる。いつもお世話になっているだけに、断りにくい。内心まじっすかと思いつつ、全然構わないですよと笑顔で答えてしまう。研究生Vも、博士課程研究生Kも、「Oh, you poor thing!」(かわいそうに!)と口を揃えて同情してくれた。そして、またしても手の空いている人が産婦人科医Sしかおらず、彼が血液を採取することになった。

「はい、今からちくっとしますよ〜。あ、いたた。ごめんね〜」

と、こういう時だけ患者さん向けのよそゆきの顔を見せるS。注射針を怖がる小さな子供になった気分。いや、実は一種の先端恐怖症じゃないかと思うほどペン先や注射針が苦手で、血液を採取されている間もどこかよそを向いていないと、気分が悪くなりそうになる。ま、火曜日に引き続き、今日も一回で済んだのでよかったけれど。断る勇気も必要なのであるが、ちょっとの我慢で人様のお役に立てるのであれば、別にいいかなとも思う。

今日は会社を定時で切り上げ、友達YとC駅で待ち合わせをし、木曜恒例の屋台のたこ焼きを初めていただいた。熱くて口の中をやけどしてしまったが、紅生姜が入っていてとても美味しかった。19時からスペイン語のクラスがあるという友達と別れた後は、分厚いステーキと赤ワイン(セールで595円)を買って家で夕食を取った。ヘム鉄補給しないとね!


2005年08月03日(水) keep fingers crossed

ここ二ヶ月ほど打ち込んでいた失敗続きの実験がやっと成功した。先週初めて結果が出て喜んでいたのだが、本日、先輩科学者Sからこれなら次の段階に進んでもいいんじゃないの?と言われ、ほっと胸を撫で下ろす。

これも実験方法などを丁寧に教えてくれた医師兼博士課程研究生Jのお陰。どんな質問にも明確に答える彼にはいつも感心させられる。というか、ごく稀に「それについてはよく知らないんだけれども」と彼が言うのを聞いて、彼にも分からないことがあるのだと分かって、逆に安心するぐらい。

博士課程在籍何年目なのかは正確なところは誰も知らないが、多分かなり長いらしい…。最初、無口で硬い表情という印象があったので、彼が実験の最中にラジオに合わせて歌を歌っていたり、息子さんが一人でトイレに行くことができるようになったと喜んでいる姿を見て、少々驚いた。やっと実験が上手く行ったと彼に伝えると、よかったね!と満面の笑顔で言われて、何だか照れくさかった。

あと、ずっと愚痴を聞いてくれたのが同室の研究員T。彼は実験で失敗して落ち込んでいる人を見ると必ず「それが科学というものだよ!」と慰め、自分がいかにひどい失敗をしてきたか語り始めるという癖がある。この彼の癖に助けられている人間は私以外にもかなりいるようで、落ち込みがひどい場合には、これでも食べて元気だしなよ、と引き出しの中からチョコレートが出てくることもある。

前進したり、後退したり。毎日周囲の人に助けられて仕事をしている。


2005年08月01日(月) doesn't time fly?

郵便受けに届いていた絵葉書。今はキャンベラに住む元同僚Aからだった。前の会社で一緒だった彼はインド系のオーストラリア人で、通勤のバスが一緒でよく色々な話をしたっけ。オーストラリアで育ったせいなのか、彼が変わっているのかは分からないけれど、大学院の研究室で一緒だったインド人の友達Bとは驚くほど考え方や価値観が違っていた。例えば、ご両親に紹介されて一度だけ会った男性と結婚したBとは対照的に、お見合い結婚は論外と言い切るA。インドの古いしきたりや伝統をオーストラリアでも出来る範囲内で守っていこうとしていたBに対し、Aはそういうものには一切拒否反応を示していた。

そういえば、しばらく連絡を取りあっていなかったせいで、彼に今の職に就いたことも知らせていなかった。絵葉書に、就職はどうなった?成功を祈っているよ!と書かれてあって、ちょっと胸が痛んだ。ニュータウンのバーで生演奏を楽しんだり、パブ巡りをしていた彼にとって、キャンベラでの生活はかなり退屈なようだ…。

それにしてもメールアドレスも知っているはずなのに、わざわざ絵葉書を送ってきてくれたとは感激。嬉しかったので私もすぐにシドニー湾の絵葉書を使って返事を書いた。

そういえば、前の職場からも「再雇用の案内」が届いたけれど、丁寧に断りの返事を入れた。経験者は優遇されるので公募になる前に連絡が来ることになっている。私の知っている人で何人ぐらいが復帰するのだろう。大学入学願書を朝から晩まで審査していた日々が懐かしい。


yumiko |mail

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