Howdy from Australia
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2005年07月01日(金) chalk and cheese

今の職場でも人それぞれ味みたいなものが出てきておもしろくなってきた。

ベトナム出身の研究員Tは風景画などの絵を描くのが趣味。それぞれに思い入れがあるので購入希望者が現れてもなかなか手放せないのだと言っていたが、次に展示会をするときは是非声をかけてね!と言ってある。密かに楽しみにしている。

韓国出身の研究員Jは穏やかな口調なので、話をしているとほのぼのとした気分にさせられる。研究のことで尋ねても熱心に教えてくれるので有難い。そういえば、彼女からはいつもお菓子や甘いものをもらってばかりかも…。肌が透き通るようにきれいなのでいつもうっとりしてしまう。

博士課程在籍中の学生Kは20代前半ですでに不動産を所有。しっかりしていて、何かと頼りにされる存在。英語の表現でも分からないときに聞くと、丁寧に教えてくれる。この間教わったのは、チョークとチーズいう表現。お昼休みに新聞を読んでいたらこの言い回しにぶつかったのだが、全然別のもの、似ても似つかないものという意味らしい。

産婦人科医で博士課程のSは頭の回転が速く、典型的ないじめっこ肌。例えば「質問があるんだけど…」と話しかけると、こっちが切り出す前に絶対に「だめ!」と言ってくるし、待ち合わせをしていた訳でもないのに、実験室で私の顔を見るなり、時計を指差して「何時だと思っているの?」と脅かしたり。

その割に、自分が何かを頼む時は「お時間を取らせて申し訳ないのですが」とか、「そうしていただけると本当に助かります」なんて言葉がすらすらと出てくる。研修医時代から合わせると1000人以上の赤ちゃんを取り上げてきたと言うから、へぇ〜と感心していたら、「初回以外は全部一緒、ほら、分かるでしょ?」とあっさり言われ、いや、分かんないよ!経験ないしと首を横に大きく振っておいた。

双子の時もあったし、帝王切開もよく担当になって〜なんて話を聞いていると、医者なんだねぇと思うけれど、「日本は無痛分娩が一般的じゃないんだよね、麻酔無しなんだって?文化的な違いかなぁ」という話から突然「そうそう、日本にはラブホテルがあるんだよね!」と振るのはやめてほしい。


2005年06月25日(土) a pleasant surprise

ウーロンゴン留学時代の友達Kから、遅ればせながらお誕生日おめでとう!とメールが来た。キャンベラの病院で働いている彼女とは普段なかなか会えないけれど、大学の専攻も同じだったし、何より一つ屋根の下で共同生活をした貴重な仲間の一人。旅先から絵葉書を送ってくれたり、毎回毎回見習わないとなぁ〜と感心させられるほど、まめな性格の持ち主。

今は一人暮らしをしているが、ウーロンゴンに住んでいた頃はずっと学生寮に住んでいた。三回場所を変えた中で一番居心地がよかったのが、最終学年に住んでいた寮。大学の敷地内にあったので便利もよかったし、各自個室が与えられ、居間や台所、洗面所は5人一組で共有する完全自炊というスタイルもなかなかであった。このとき一緒に住んでいたのが、今回メールをくれたK、日本人Y、タイ人T、そして今はちょっと音信普通になりつつあるもう一人のオーストラリア人KS。

Kから今年はどうやって誕生日のお祝いをしたの?とあったので、これまたウーロンゴン時代からの長い付き合いになる日本人Yに夕食をご馳走になったことを自慢げに報告。

当日まで内緒にされて、わくわくしながら連れて行ってもらったお店はロックスにある魚介類で有名なレストラン。新鮮な生牡蠣を前菜に、そのお店の看板料理(ヒラマサ)をメインにいただいて、とてつもなく幸せな気分に浸り、さてとデザートでも注文しましょうかと思っていた所へ、注文していない料理が運ばれてきた。え?と思いながら見ると、大皿の縁にチョコでHappy Birthdayの文字が!アイスとフルーツがかわいらしく添えられたブラウニーにはロウソクがちょこんと乗っている。

めちゃくちゃ感動してしまった

写真に収めたい衝動に駆られたけれど他のお客様の迷惑にもなるのでぐっとこらえる。記憶に焼き付けようとじっとロウソクの炎を見つめ、願い事をしてから吹き消す。年を取るのも悪くないかも〜と思えるほど、最高のプレゼントだった。Yさん、本当にありがとう!料理も本当に美味しかったし、お店の雰囲気もこじんまりとした感じで落ち着けたし、接客態度も素晴らしかった。ここまで完璧なお店を選ばれてしまうと、彼女の誕生日の時はどこへ招待したらいいのか…。

名前の通ったレストランでも、実際に行ってみたら値段の割に料理が「???」だったということが、ここのところ立て続けにあった。期待外れ度第一位から第三位まで全て日本人シェフだったりする。三軒ともシドニー在住の日本人だったら必ず耳にしたことのあるお店だとは思うのだけれど、値段と満足度が必ずしも比例しない所が腑に落ちない。レストラン選びもなかなか難しい。


2005年06月17日(金) FAQ

たかが記事を一つ選んで研究グループ内で発表するだけだというのに、準備にかなり時間がかかってしまい、発表の前の晩は寝たのが1時近かった。毎日7時間半は睡眠時間を確保している自分としてはかなり辛かった。なるべく用意した台本を見ないように努めたけれど、やっぱり全てを頭に入れるのはちょっと無謀だった。でも、質問にも何とか答えられたし、久々に「終わった〜!」という達成感を味わった。

次に自分の番が来るのは12月なので、まだまだ先!その頃までには研究の結果もかなりまとまっているはずだし、知識もかなりついているはず。

いきなり研究の路線変更を告げられた時は辛かったけれど、あそこで腐らないで本当によかった。以前はちんぷんかんぷんで何が何やら分からなかった事柄が、今では簡単に説明できたりして、我ながらやればできるじゃ〜ん!

前の上司も私を見るとすぐに話しかけてくるのだが、以前彼の元で働いていた時のように全身全霊耳を傾け相槌を打つという感じではなく、適当にあしらうこともできるようになった。元上司は話題豊富で、いったん勢いづいたら誰も止められないいわゆる暴走型。

また、以前から教科書問題や首相の靖国神社参拝のことなど、日本がニュースで話題になる度意見を求められ、私もこの年になって「分からない」とだけは言いたくないので、つい意地になって返答しまい、何気ない会話がいっきに深刻化することも。

最近では捕鯨についてどう思うかと聞かれ、捕鯨は日本の文化の一部であるから尊重されるべきだの、環境や生態系を破壊しない範囲内で商業捕鯨の道が開かれるべきだの、オーストラリアの報道は偏っているだのと率直な意見を述べていたら、「他のオーストラリア人には言わない方がいいかも」と、冗談交じりに言われてしまった。

日本語教師や通訳など、日本人であることを武器にできる職業についているわけではないし、職場で日本人ゆえに重宝がられることもないのに、常に「日本人」ということを意識させられる毎日だったりする。

ちなみに、「日本の若者はなぜ髪の毛を染めているのか」というものよく聞かれる質問のひとつ。芸能人やスポーツ選手の影響もあるだろうし、お洒落なんだと説明しても、何故か納得してもらえない。金髪はさすがに不自然に映るみたいだけれど、こればかりは本人に直接聞いてみたら?と思ってしまう。


yumiko |mail

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