Howdy from Australia
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留学当初から使っている銀行のクレジットカードに申請してから4週間が経った。毎月の簡単な収支報告やら持っている資産やら、あんまり答えたくない質問満載の申請書にも記入し、パスポートやビザのコピー、現在の仕事の契約書の写しなど関連書類も提出したのに、本日届いた結果は×だった。
却下された理由は書いていないけれど、オーストラリアに親族もいないし、仕事は始めたばかりだし、資産もないし…ってことで、だめだったのだろう。自分のお給料でやりくりする喜びを味わい、社会人の自分に酔っていたのに、社会的信用一切無しという烙印を押され、身の程を知るのであった。
昨晩はお友達のご家族、ご親戚の方が遠路はるばる日本からいらっしゃっているということで、夕食に招待された。友達とは留学当初からの付き合いで、かれこれ知り合って8年になる。彼女と昔話を始めると夜が明けるほどで、寮で共同生活をしていた頃の懐かしい思い出やあの頃抱えていた不安とか悩みといったものが鮮明に蘇ってくるから不思議。
ロックスのレストランで和食のコースをゆっくりと歓談しながら楽しんだ後は、オペラハウスと夜景が見渡せるガラス張りの落ち着いてお洒落なバーに連れて行ってもらい、気が付けば帰宅は深夜過ぎ。おみやげに大吟醸までいただいて、日頃の貧乏生活では考えられないような夢心地の夜。友達に感謝。
お友達の親戚の方には以前日本でもお会いしたことがある。この方の人間性や人生観といったものに触れるだけでこちらも襟を正さなければという緊張感が生まれてくるような、知的で多才で話し上手で何もかも自然で、尊敬すべきお人柄。しかも前回お会いした時と同様、シドニーでも和装を貫かれるお姿にただもうあっぱれというか何というか。さて、友達には分割払いでいいとして、これまでの恩義をいかにしてお返しすべきだろうか。
コアラ、カンガルーのぬいぐるみとか?
自分でもいらないものを人様に送りつけるのはどうかと。
豪州産ワイン!
といってもこれまた趣味が分かれる所で…。しかも、手軽な値段で日本でも簡単に手に入る今日この頃。郵送料の方がワインの値段より高かったら洒落にもならない。
豪州版2005年カレンダー!
風景写真はうっとりするほどきれいだけど、日本とオーストラリアでは祝日が違うから、あまり使えない。やはり、形として残るものは、捨てるに捨てられなかったりするから、後に残らないものの方が送る方としても気が楽かな。
それなら、日本の名産品!
オーストラリアにも配送してくれればいいのに〜と切実に願う、見ているだけでも楽しい日本全国津々浦々の新鮮な味覚!これなら、確実で安心。ネットで探してみようっと。あ、その前に、クレジットカードがないという問題が…。定職を得、申請してから現在4週間が経過。だめなのか?
今日は研究室仲間の友達に夕食にお呼ばれされていた。台湾出身の彼女は昨年ずっと付き合っていた眼科医の彼と結婚。ご両親は台湾にお住まいなのだが、隣の建物には弟さんと妹さんも豪州留学中。妻でもあり、姉でもあり、研究生でもあり、超多忙な毎日を送っている。
そういえば、私の引越し先が彼女の家の近くに決まった時も、卒業後日本に帰らないと決めた時も、ものすごく喜んでくれた彼女。喜怒哀楽がはっきりしていて、思った事を包み隠さず、ずばっと言うので最初は正直戸惑ったけれど、時間をかけて仲良くなると、性格に裏表がないことがよく分かった。最近では、毎月恒例のように夕食会をするようになり、親密度がいっきに増したように思う。
そして今日仕事帰りに友達の家を訪ねると、テーブルの上に所狭しとご馳走が並んでいてびっくり。6つ並んだお茶碗にはすでにご飯がよそってあって、お箸がそろえて置いてある。疲れて帰ってきて、夕食が用意されてあるって、何てありがたいんだろう。絵に描いたような家庭の食卓に幸せを感じる。
白菜の炒めもの、具沢山のスープ、鶏の煮物、ピーマンと鶏のタイ風炒め、いんげんとにんにくの炒め物、トマトと卵料理、スペアリブ、ひき肉をはさんだ豆腐料理。
三人の女性(友達、妹さん、シェアメイトの女の子)が2時間かけて作ったという料理はどれも美味しく、わいわいがやがやと大勢で食事をするのはとても楽しかった。前日に焼いたクッキーとパウンドケーキを持参したら、結構好評であっという間になくなった。タルトとかチーズケーキが個人的には好きなのだけど、冷蔵庫に入れる必要のないお菓子といったらこれぐらいしか浮かばなかった。
「5人分作るのも6人分作るのも同じ手間だから、来週の水曜日も仕事帰りに是非うちにおいでよ!どうせ、Mもいないし、一人で夕食を取っているんでしょ。」
と誘われ、来週もお邪魔することに♪Mがいないのもたまにはいい口実になるかも。
「来週もクッキーとケーキ、忘れないでね!」
と、妹さん。それを聞いて、「私の友達なのよ」とたしなめる友達。二人のやりとりが笑いを誘う。何だか大家族の一員になったみたい。
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