Howdy from Australia
←|目次|→
やっと研修が終り、午後から本格的に実際のデータを使って仕事をすることになった。ほんの小さな間違いが誰かの人生を大きく左右するかもしれない…。そんな肩に力が入りすぎている新入りの私たちをからかっているのか、励ましているのか、「間違えても大丈夫。全て上の人がチェックするんだから。何かあったときは、間違いを指摘できなかった上部の責任になるからね。ははは。」と、先輩スタッフが笑い飛ばす。さすが、オーストラリア。
節約のために昼食はお弁当持参なのだが、何の変哲も無いただのおにぎりでも「何それ?すごい。中に何が入っているの?」と注目を浴びるので、恥ずかしいものがある。同じ新規採用社員の中にとても気さくで快活なタイ人女性がいるのだが、タイ料理は匂いがきついから、お弁当には持ってこられないのよ〜と嘆いていた。彼女はオーストラリア人と国際結婚をしていて、16歳になる娘さんが一人いるのだけれど、お嬢さんと二人でタイに帰省すると、現地の人に召使だと思われたり、売春婦だと決め付けられたりすることがあるのだと言う。だから、タイ語をわざと使わずに英語でやりとりをして相手の反応を見るのだとか。何とも無礼で腹立たしい話をさらりと言っていたのが印象的だった。
今日は小さなグループに分かれて課題に取り組んだのだが、講義形式より眠くなくていいやと気軽に構えていたら、グループの中で一番下っ端の私がほぼ強制的に発表することになった。英語が母国語でなかろうが、ここらへん全く容赦ない。ある意味、特別扱いされてない証拠と喜ぶべきかも。これまでの経験では、まず台本を準備し、家で何度も練習をし、指導教授とリハーサルを繰り返し、やっと本番を迎えるというパターンが多かった。ひょえ〜、25分後に皆で集まって発表?同じグループの皆が口々に言う事を書きとめるのだって大変なのに、と慌てふためく。
で、25分はあっという間に過ぎ去った。皆の前に立って、一つ一つの項目を追いながら発表する。同じグループの人がユーモアあふれる人ばかりだったので、課題を解くにもひねりを加えたため、何度か笑いも取れた。後で、友達が「よかったよ、発表。yumikoのグループが一番おもしろかったよ!」と言ってくれたので、ちょっとほっとしたけれど、私の発想じゃないんだよ、あの冗談は!と念を押す。どこの国も政治家をからかうのがお好きなようで。
いやしかし、久々に緊張した!(って、こんなことで、永住できるのか?)
職場でさすがオーストラリア!と思うのが、午前と午後に10分ずつお茶の時間が設けられていて、昼食の時間もたっぷり1時間あること。会社の周りが大きな公園になっているので、昼食後は外に散歩へ行く人や、軽く運動をする人もいる。私も天気のいい日は、友達とおしゃべりをしながら周辺を散歩している。仕事柄ずっと椅子に座っているので、いい気晴らしにもなる。
朝は8時半開始なのだが、新規契約社員の中には「電車に乗り遅れて…」と遅刻する人もいる。けれど、いつも時間に無頓着なわけではなく、退社時間となると1分1秒まで正確で、4時31分にはうちの部署は誰一人として残っておらず、オフィスもいっきに閑散とする。契約社員だからと割り切っているのかもしれないけれど、終了のチャイムと同時に勢いよく駆け出す小学生みたいで可笑しい。私ももちろん我先にと家路へ急ぐ。
研修期間が終って一人前に仕事をこなせるようになると、「毎日22分余計に働いて4週間毎に1日お休みをもらおう!」という制度に参加できるらしい。朝22分早く来るか、夕方22分遅く残るか、それとも昼休みの22分間をあてるかは、本人の自由。私は考えた末、お昼休みをあてることにした。どう考えても1時間は長すぎる。散歩はできなくなるけれど、平日にお休みがあると、映画も安い値段で見られるし、銀行にも行ける。日本語情報誌に載っている某レストランのランチスペシャルも、就職したら絶対に行こう!と思っていたのに、ランチは平日のみだったりして、未だに念願叶わず。それを考えると、毎日22分昼休み返上なんて楽勝もの♪
|