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V字経営研究所・酒井英之の4行日記 DiaryINDEX|past|will
朝7時30分。業績優秀なとある金融機関の支店を訪ねました。「是非支店を見せていただきたい」と支店長にお願いしたら「開店前に来なさい」との指示でした。支店長は応接で自ら珈琲を煎れてくれました。その後「さあ、店内をご案内いたします」と席を立ちました。私は支店長について店内をグルグル回るのかな?と思っていました。すると支店長は、ロビーでお客様が座る長いすに腰掛け、私にその隣に座るよう促しました。それから支店長は、そこから見えるものについて説明をし始めました。つまり、お客様と同じ視点に立って、お客様から見えるものの意味について解説してくれたのです。例えば、店内には手作りのPOPが多数ぶら下がっていました。それらはピンク色で統一されていました。支店長は、ピンクを使うと女性客が増えると言いました。同店の近隣には大きな病院があり、医療従事者の多くが同店の大事なお客様でした。職業柄、いくつもの店舗見学をさせて頂いていますが長椅子に座っての案内は後にも先にもこの時だけ。この案内の仕方に、この支店長が常にお客様目線で行動されていることがよくわかりました。
あなたは誰かから10円もらったらどれだけ働きますか?9円分の仕事をして、1円を手元に残しますか?それとも10円分の仕事を頑張りますか?はたまた11円分の仕事をして、1円余分にお返ししますか?「10円いただいたら11円お返ししなさい」は松下幸之助翁の教えです。問題はその「+1円」が何かということです。その+1円は、「おまけ」が喜ばれる時代がありました。その次に「サービス」や「情報」が喜ばれる時代が来ました。そして近年は「おもてなし」が喜ばれました。それがコロナ災害でまたまた進化しました。「持続可能な社会をつくること」や「誰かを支えたり、勇気づけること」、「それらを共有できる人とのコミュニティ」になりました。どうやら「何のために」への共感が+1円になりつつあります。「+1円」の高度化には競争がなく、技術的な限界もなく、一人ひとりの工夫次第でどこまでも高めていけます。マーケティングの進化とは、「+1円」の中身を進化していくことかもしれませんね。
ホスピタルクラウンで有名な大棟耕介さんの講演を聴きました。ホスピタルクラウンは、ボランティアで小児病棟を周り、子供を喜ばすピエロ。そんな彼の話の中で印象に残ったことがあります。それは、人は「自分のために」よりも「他人のために」を目的にしたときこそ力が出る、ということ。彼がマジックをする。すると見ていた子供たち「あれ、どうしてそうなるの〜ねえ、お願い。もう一回やって〜」と言う。これが大東さんの力の源。大東さんは、そのことをロンドン五輪の北島康介選手と同じだといいます。この大会で、北島選手は平泳ぎ100Mで59秒79の5位で終わりました。が、その2日後の400Mメドレーリレーでは、自身の日本記録を上回る58秒64の好タイムでチームの銀メダルに貢献しました。バタフライの松田選手が他のメンバーと「康介さんを手ぶらで帰らせるわけにはいかない」と語り合ったことで有名になったレースです。北島選手は仲間のために、松田選手他のメンバーは北島選手のために持てる力以上の力を発揮したのです。大棟さんは、帰りがけに、小児病棟の子供たちにポチ袋を渡します。その中には、驚きのものが入っています。なんとそれは、外国の紙幣。子供たちが、「外国に夢を馳せる」という熱の残るパフォーマンスなのです。誰だって、他人の笑顔が何よりもごちそうです。あなたは今日、誰を笑顔にしますか?
コロナ災害で人員削減に踏み切る会社が少なくありませんが、利益と人件費の本質についてかつて日経ビジネスにこんな記事が載っていました。「例えば「収入−経費=利益」は極めて当然な算式とされています。ゆえに誰もが、利益を上げるためにやみくもに収入増に努め、人件費削減も含めた経費減を図っているのです。しかし、私の算式は「収入−人件費を除く経費=利益+人件費」です。もちろん、汗と知恵を出し、努力する社員の人件費という意味ですが、私の算式では、利益と人件費が目標となるわけです。すなわち、会社は株主と社員のものということです。このことにより、人が気持ちよく働き、収入増を図り、自分たちのために経費削減にも汗と知恵を出す。利益を出すまでの“過程”が大事になるのです」(中尾 哲雄 前インテック会長)。社員にこの考え方を伝えて目標値化したら、やらされ感は消えるかもしれませんね。
「名古屋はいいですね。地域が活性化していて」。名古屋で商売をしている某社長が同業の他地域の社長かこんな風に言われましたこの発言は、暗に「あなたの業績がいいのは名古屋という市場のお陰」と言われているのと一緒。これにカチンときた名古屋の社長は「違いますよ! 地域が活性化しているのではなく、 社員が活性化しているのです!」と返答しました同じ働くなら、このように社員の活躍を誇りに思う社長の下で働いきたいですね。
約1年前、「理念&ビジョン開発」をお手伝いした会社のリーダーからメールをいただきました。同社は地域密着の問屋業。見出した理念は「つながり創造」と「お困りごと解決業」です。今回のコロナ災害の影響を大きく受けていますがこんなことが書いてありました。「進むべき道に迷いがちな状況ですが、先生のご指導の下、経営理念・ビジョンを明確にしたため、新たな『つながりを創造』しながら『お客様の困りごと解決』をすることに力を集中することが出来ていると思います。その結果だと思いますが、逆に新たな企画・サービスが一般社員から多く生まれるという効果が出ています。時間的な余裕も手伝って、以前よりクリエイティブな社内になっているように感じられプロジェクトに関わった人間としてとても嬉しく思っています」これを読んで理念とビジョンの効果とは
シンクタンクの部長を務めていた頃、部下から「読んでください」と薦められた本があります。そこには誰もが知りたい次の問いとその答え書いてありました。「リーダーの法則はわかっているのに、なぜリーダーたる人が少ないのか?」著者の回答。「優れたリーダーシップは、ほとんどの人が払いたがらない代償の上にはじめて実現するものだから」。リーダーは、コトが思うように運ばす「もうやめた!」と叫びたくなることばかり。誰かのためにとリスクを背負い、仲間を集めて挑んでみるが、責任をとるのは自分だけ。そのとき「理想のためにこらえきれる心の強さ」があるかどうか。それがリーダーシップの本質だとこの本は語ります。この本は『頑固な羊の動かし方』。どうして部下が、この本を私に「読んでください」と言ったのか……都合の悪いことは忘れてしまいました。何か事件があり、ブチ切れそうだった私を諫めるつもりだったのかもしれません……
日本の上場企業で、定款に理念を盛り込んでいる会社が何社あるかご存知ですか?正解はたったの9社。エーザイはその中のひとつです。定款に『ヒューマン・ヘルス・ケア(hhc)』と書かれています。同社では社員全員が、仕事時間の1%を患者さんと喜怒哀楽を共にするために使う「hhc活動」が習慣づけられています。小児がんの子供ためにアンパンマンに扮して勇気づける社員がいます。末期がんのおばあさんの足を洗ってあげることで勇気づける社員がいます。嚥下困難の認知症当事者のそばにいた社員は、その人がゼリーを飲み込むのを見てアルツハイマー型認知症治療剤「アリセプト」のゼリー製剤を開発しました。内藤社長は、hhc活動はゴルフと同じだといいます。ゴルフでは、いつでも『ここに打て』と言われるフェアウェイがあります。お客様に寄り添っていると、『ここがゾーンだ。ここに打て』と、経営理念が語りかけてくるのだといいます。hhc活動をするようになってから海外でエーザイを知らなかった人たちの入社希望者が増えました。「寄り添う」を掛け声だけでなく、習慣にできる会社がお客様も社員も新人も惹きつける時代ですね。
「あのときやっていた事業は、実は自利。お客のことなんかまったく考えていなかった。ただ、儲けたい一心。だからうまく行くわけないわな……」某社で社員を集めて行われている「心を高める勉強会」。こんな話をする講師は、社長自身です。社長が伝えたいのは、稲盛さんの有名な「人生・仕事の方程式=能力×考え方×熱意」。ポイントは、考え方。自利で考えるなら(−)、利他で考えたなら(+)。「自利のために始めた事業はみんな失敗」「利他の心で始めた事業は全部成功」自分の体験談をそのまま語るので他の誰が語るより面白いし、説得力があります。社長自らが講師をする会社は社員の考える方向が揃います。何より、誰よりも社長が勉強します。だから、どこも好業績なのです。
和菓子で有名な「たねや」には、近江八幡に「ラコリーナ」という施設があります。年間300万人も訪れる集客スポットは、自然があふれています。作った動機は、業者からよもぎを仕入れた時にそのよもぎが農薬まみれだったこと。「安全安心の材料でお菓子を作りたい。自然とともに生きる。やっぱり自然が一番だ」そう考えた「たねや」の山本社長は、滋賀県の近江八幡に農園を作りました。「たねや」は50年後も100年後も存在していきたい。永源寺農園のあるラコリーナは「たねやの生き方がわかる、たねやが挑戦する場所」だといいます。その強い意思をビンビン感じる刺激的な空間。挑戦する場所が明確なのは、いいですね。是非一度、訪ねてみてください。
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