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V字経営研究所・酒井英之の4行日記 DiaryINDEX|past|will
トコロでは、採用予定の高校生が卒業するときに、花束を届けているという。「卒業おめでとう」を伝えるためだ。また採用した時の入社式では、本人に内緒でお父さんやお母さんに手紙を書いてもらい、その手紙を入社式で一つ年上の先輩が読み上げるセレモニーを行っている。こうした行為は「あなたがとても大切な仲間なんだ」という気持ちから出たものだ。一人一人を大切に思う大家族主義が、こんなところに出ていてとても素晴らしいと思う。
トコロの物流部門を見学させていただいた。当社はお客様に加工した紙を配達しているが、配達の生産性を上げるために GPS を投入していた。お客様のお届け先をどのようにして回るのが一番効率が良いのか、AI が最適なルートをシドライバーに教えてくれるのだ。以前見学させていただいた「たんぽぽ温泉デイサービス一宮」で利用客をピックアップする時にこの GPS システムが使われているのを例を見たことがある。決まり切ったコースではなく、その日その時の再適を探す上では、大変効率化に役に立つ素晴らしい仕組みだ。
トコロの見学で、総務・経理・人事部門が作成しているマニュアルを見せて頂いた。複数人でこの業務を行っており、誰かが休んだ時に誰でもすぐ代わりが務まるよう、仕事のやり方をとても丁寧に書いたものである。マニュアルを作り業務を標準化することは、�|甘�者が休みを取りやすいこと、�⊃祐屬�やるべき事と AI で代行できる事が区別しやすいこと、��人事異動が容易になって他部署の人の気持ちがよく理解できるようになり協力体制が組みやすくなることのメリットがあり、生産性向上には欠かせない。マニュアルを整備し、働き方改革への第一歩を踏み出している姿に感動した。
トコロの社内には、そのコーナーを見た瞬間に思わず写真に撮りたくなるビューポイントが2箇所ある。その2か所はいずれも掃除道具が片付けてある場所で、道具の片付けかたや、洗剤等の消耗品の保管の仕方がとても美しいのだ。道具並べ方次第でこんなにも美しく見えるのかと本当に驚く。これを見た人は必ず「当社でもこのようにやりましょう!」という。実際に同社の掃除道具置き場を見学したある企業は、「当社の掃除道具置き場もホームセンターの売り場のようにしましょう」と言って、本当にその通りにしてしまった。トコロは人のモチベーションを上げる挨拶をする会社だが、人のモチベーションを上げる整理整頓もできる会社なのだ。
トコロが熱心に取り組んでいらっしゃる活動の一つが、環境整備だ。私たちが会社説明を頂いた部屋にも、改善点が随所に見られた。表彰状の向きが一定方向を向くこと、ブラインドカーテンのブラインドが同じ角度を向いていること、椅子が常に机の同じ位置にしまわれること、プロジェクター用のケーブを正しく収納し、つまずいて転ぶようなリスクがないことなどである。ここでは当社がお客様の印刷会社も集まって勉強すると言う。こうした改善事例を目の当たりにしたお客様は、環境整備の大切さに気づき、それを地道に実践しているトコロの人間力に感動するだろう。
トコロの会社見学をさせていただくのは、私は通算で7〜8回目だ。最初の頃は、専務が会社概要を説明されていた。ところが途中から説明する人が一般社員に代わった。同社では「おもてなしプロジェクト」という委員会活動が行われていて、プロジェクトメンバーが説明してくれるようになったのだ。が、その説明は堂々としたもので、こうした説明は何も経営者の特権ではないな、と気づかせてもらった。他社の人に自分の会社の取り組みを正確に的確に伝えることは難しい。それを若い人が一生懸命になってやり切ろうとする姿に感動した。
トコロの会議室に案内される。そこに至るまで、見学者は皆度肝を抜かれる。玄関を入るとすぐ全員が起立して、正面を向いて大きな声で挨拶をしてくれるからだ。これは見学会の時の特別行事ではなく、通常の来場者に対しても、同社が何十年も前から欠かさず続けていることだ。私がトコロを初めて訪れたのは2000年ぐらいだったが、その時から今も変わらず全員立って来場者に大声で挨拶している。いちいち手を止めて相手と正対するのは、実に面倒なことで生産性を阻害する。しかし、それを当たり前にやり続ける姿勢に、来訪者は圧倒されてしまうのだ。
今回の訪問先は岐阜の紙問屋の(株)トコロ。総勢29人で訪問したが、その準備力に圧倒された。乗用車が全13台。一般に13台分の駐車場を用意できる会社は少なく、これだとバスを立てた方がいいかな?と思っていたら、社長に「お任せください」と言われた。そして、そのスペースを用意してくれたのだ。これだけで驚きだが行って見てなお驚いた。社員たちの乗用車が全くなかったのだ。聞くと、離れた場所に移動したという。天気が良い日だったから良かったが、もしこれが悪天候だったら、大変なご迷惑をかけるところだった。それを嫌な顔せず一つやっていただけることで、とてもありがたいと思った
藤尾先生は「逆境は続いてもせいぜい3年だ。ジタバタするな。自分が信じた道を行け。それが10年続いたら日本は変わる。暗闇を嘆くより、一灯を照らせ。それを増やしていくことが万灯行だ」と語った。これを聞いてとても感動した。私の理念は「暗夜に一灯を燈す」だ。闇夜に一灯を燈すことが、どれだけ人に勇気を与えるかを伝えたいと思っているからだ。目の前の一社に貢献することで世直しをする。僕の仕事は世直し業なのだと藤尾先生にいただいた。先生ありがとうございました。
先日、ある大手企業の見学会に参加した。大変丁寧に応対してくれて、スピーカーが自分の仕事のことを熱心に語ってくれた。ただ、その全てが「俺たちは強いぜ」 言っているように聞こえて、私は違和感を覚えた。その強さは影で多くの人を犠牲にしている強さであることを私は知っている。が、このスピーカーにはそうした人たちの苦労は他人ごとなのだ。私は弱い人を助けてあげたいとずっと思って今の仕事をしてきた。この違和感こそ僕の憤りであり、エネルギー源だ。藤尾先生の話を聞きながら、この違和感を覚えた自分を大事にしていきたいと思った。
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