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V字経営研究所・酒井英之の4行日記 DiaryINDEX|past|will
F社長は、お客様や社員から「ありがとう」と言われるために何が必要かと考えた。そして最も必要なことは「利他の精神」であることに気づいた。そこで経営理念を、それまでの「繁栄と幸福の実現」から「世界平和への貢献」に変えた。自らが繁栄するための自利的な発想を世界へのお役立ちに変えたのだ。 経営理念をこう変えることで、社員の中には、自分の子供から「パパの会社は何やってるの?」と聞かれた時に、「パパの会社はね、世界平和に貢献してるんだよ」と答えた社員がいた。これを聴いた子供は「パパはすごいことやってる!」と胸を張った。実際に中古の補給パーツの供給は、世界平和に大きく貢献してる。大言壮語でなく、小さなことでもそれがちゃんとできていることが、仕事への誇りにつながるのだと、この話を聞いて思った。
F社長は今、自社の定義を自動車部品製造業からSDGs部品製造業に変えた。新車ではなく、中古の補給パーツの依頼が東南アジアから次から次届く。これまでは1パーツ20万個作っていた。ところが、中古の補給パーツの部品依頼はせいぜい10個単位。しかし、補給パーツ当たりの付加価値は量産品の 50倍にもなる。これがいくつも積み重ねれば、十分に利益の出る水準になる。しかも発注主はとても喜び、「ありがとう」と言ってくれるのだ 。途上国に喜ばれる部品を製造する。これがF社長が自社をSDGs部品製造業と呼ぶ所以である。
F社長は2年前、赤字を解消すべく値上げに踏み切った。F社長は「ありがとうと言ってもらえない会社とは縁を切る」覚悟だった。値上げは、全体の10〜15%の客に認めてはもらえなかった。そしてそれらの客は去っていった。逆に日頃から「F社さんありがとう」と思ってくれる会社は、値上げを受け入れてくれた。そして去っていった客に対応していたのキャパを埋めるだけの発注をくれた。世の中とは面白いもので、失うことを恐れてダラダラと続けてしまうと事態は一向に良くならないが、「失ってもいい」と覚悟を決めてしまえば、自ずと良い方向に変わるものなのだ。
F社長の会社の発注主の中には「F社さんじゃないと駄目だ」という会社が3割ある。「F社じゃなくてもいいのだが、 F社の方がいい。万が一の時は、何が何でもF社は助けてくれる。だからF社に仕事を出す」と言ってくれる会社もある。こういった会社は、不良があ発せ下時に怒鳴ることはない。呼びつけられることもない。そして「ありがとう」と言ってくれる。「馬鹿野郎」という客と「ありがとう」という客は違う。F社長はこういう会社とだけ取引したいと考えるようになった。
鋳物工場は暑い。夏場の工場内の温度は50度近くにもなる。注文が多い時、夏場に休日出勤してもらうことがある。この環境下で、休みもなく働かせられれば誰だって嫌になる。数年前、若手のリーダークラスが退職した。F社長はこの事件を「痛恨の極み」だったと言う。「これでやっていて意味があるのか?」社長は自問自答を重ねた。
F社長の会社は自動車部品の製造している鋳物工場だ。年間約20万個の部品を製造してきた時、20万個のうちのたった一個でもミスがあると発注主の30歳の若手社員が飛んでくる。そして、60歳のベテラン社員に怒鳴る。しかも単価は毎年安く安くなっていき、何千トンと生産したところで、利益がほとんど出ない。
SDGsに真剣に取り組み、会社の仕組みを変えたというF社長。そのきっかけを作ったのが私だと聴いて、大変驚いた。私が昨年、あるセミナーで「ディズニーランドで一番人気があるキャストは何かご存知ですか?それはカストーディアルです。お掃除の担当です」「なぜならキャストの中で、カストーディアルが一番お客様から『ありがとう』と言われるからです。この言葉にF社長は、大変な衝撃を受けたという。そして「自社の社員はありがとうと言われる仕事をしているだろうか?」あるいは「ありがとうと言ってくれる人を客にしているだろうか?」と考えるようになった。そこからこの会社の改革が始まった。
一社化で成功する秘訣は以下の通り。�―亳�(ビジョン)を固める。この実現に協会が必要かを考える。�◆屬覆雫┣颪鬚弔�ったのか」=「社会的課題を解決するため」という公益性の高さを何度も語る(ここが弱いと潰れる)。�6┣餔�構成を限定する(当該会社の社員や支店にはなりたくないが、ノウハウは欲しい、という人たち)。�ね�想の未来を見せる=代表の考え方に人は惹きつけられる �ソ亳�から逆算して作る �ζ�り口は小さく(参加者に支払える金額で)。
一社化のメリットは、「普及を目的とした決意が伝わりやすい。メディアに打って出られて、立ち上げが速い。FCと違い業務(運営ノウハウ)がベースなのでコントロールがしやすい」。逆にデメリットは「内部になぜ一社にするのか説明が必要(ライバルがやり始めるリスクあり)、広く受け入れ→スキルの定着→次の集客の仕組み」ができていないと残らない(1/10程度の存在率)。そのためのパワーが必要。立ち上げは容易だが、続けて行くことがテーマ。近隣同業者が入会した時にもノウハウを提供しなければならない。その人にお客様を紹介することに喜びを感じるくらいの度量が必要」。
社内ベンチャーの場合のメリットは、「コストがかからず、今の資源(ヒトモノカネ)でできる。社内関係者でできるのでトラブルが少ない」こと。一方デメリットは「資源が限られているので拡大時の足枷。メディアに打ち出せないため伸びない。FC化すると実績にも責任が発生する」。
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