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V字経営研究所・酒井英之の4行日記 DiaryINDEX|past|will
人は自分を見ても自分には気がつかない。相手を見て、相手の動き変化を見て、それではじめて自分の変化に気が付く。私はセミナーをやっているとき、そのセミナーが良いセミナーだったかどうかは相手の反応で決めている。コミュニケーションを活性化するということはよく話を聞いて、相手の要望に応えていくということだ
コミュニケーションがうまく取れないという話をよく聞く。コミュニケーションができないということは相手の話がちゃんと聞けないということ。それは、相手の要望に応えるということができないということ。ちゃんと寄り添えていない、ということだ。逆に言うと、コミュニケ―ション不足は自分第1で動いてしまっているということだ。そして、自分一人で考え行動することそのものが、コミュニケーション不足を誘発するのだ。
A社は現在数多くの研修プログラムを走らせている。が、一般に中小企業はほとんど人材育成に投資をしない。投票しない一番の理由は人材育成の必要性を認めながら時間がないというもの。目先の仕事に追われて長期的な課題の解決がおろそかになっているのだ。そのため、実施した会社とそうでない会社では、人材育成という大きな長期的な課題が解決された会社とされないまま残っている会社の違いが生じる。この差は大きい。まさにA社も人が成長したから成長した会社ではないかなと思った。
A 社の業績をスコア化したシートを見ながら、これはイチロー選手が成長したシステムと全く同じだと思った。イチロー選手にスコア化したシートがあったわけではないが、彼は誰よりも球場入りが早く、入念に準備をし、道具をとても大事にし、礼儀正しく挨拶をし、相手に慮ってガッツポーズはしない、どのような業績を出してもより高みを目指して慢心しないなど、大変優れた自律心があった。それと同じように、今日やるべきことをきちんと徹底できるシートになっていた。地道に日々やることを評価する仕組みがある会社は、イチロー選手のように足腰がとても強く、危機に強い体質の会社になるのではないかなと思う。
A社の社長に、講演会で「特に酒井から社員に伝えて欲しいことは何か」を確認した。社長は「とにかく、私はこれだけです」と言って、現場を評価するシートを見せてくれた。そこには、いくつもの業績をスコア化する項目があった。半分は結果指標、半分はその原因となる原因指標だった。原因指標をしっかりやれば、自ずと結果指標が高くなる、いう仕組みになっていた。これは、現場のリーダーにとって何をすれば良いかがとてもよくわかる優れた制度だと思った。
昨日のA社の社長の話の続き。会社を現場の声を活かしたボトムアップを活発にしようとした社長は、管理職の皆さんに「考えるために必要な知識が不足している」ことに気がついた。そこで経理部門には経理の知識、人事部門には人事や人材育成のことを学んでいただくための研修を実施した。「学ばないと勝てない」は、同社長の言葉だが、金言だと思う。学ぶことで社員に考える機会を与え、マネジメントスタイルに変えることができるのだ。
急成長中の物流会社A社から周年記念の基調講演のオファーを頂いた。それに応えるため事前の打ち合わせをしたが、そこで社長の話を聞き大変感動した。同社は2000年から今日にかけて約5倍の規模に成長しているが、途中不良債権を抱え込んで倒産の危機を迎えたことがある。どうしていいか分からず、夜眠れなくなった社長は、ある晩現場の掃除を始める。そうすると頭が次第に落ち着いてきて、現場で「あれ、おかしいな?」「もっとこうした方がいいのでは?」と様々な事に気がつくようにになったいう。仕事中、掃除をしているといろんな人が声をかけてくれる。それを聴くうちに、現場の皆さんの意見を生かしたボトムアップの大切さを実感したと言う。この話を聴きながら掃除が全ての気づきの基本なんだと改めて思った。
わが社は経営理念を売りものにしている。日本ウエストンの臼井社長が講演でそう語ったことがある。同社の理念は「活かす」。捨ててもおかしくない材料を活かして再利用することが同社のサービスだが、それを提案することを「経営理念を売りものにする」と言っている。同じことを、松下幸之助の部下で、後に副社長になる社員で佐久間さんが、ドイツ赴任時に松下幸之助に「経営理念を売ってくれ」と言われている。彼が書いた本を読んだことがあるが、理念を売るというコトは、経営姿勢に共感してもらって、良いパートナーになってもらえ、ということ。私も今の理念に変えてから、出会うお客様が変わってきた。経営理念は、対外的にパートナーを見つける売りものなのだ。
松下資料館の遠藤館長に外国人記者に「あなたはなぜそんなに謙虚なのか?」と聴かれたときの松下幸之助の答えを教わった。「自分はいろんな人の意見を集める→これによって先見性が磨かれる→人に教えを乞う→徳を高めていく→自分の知らないこと・できないことの多さを知る→謙虚になる→素直な心で決断する」。結局、衆知を集める姿勢がその人の徳を高め、謙虚さを創り、新しいアイデアを生み出し、優れた決断に至ることだ。「聴く」ことの大切さを改めて知った。
日本は、古来より個人よりも家・共同体・国家といった集団を重視する社会が長い間続いたため、自分自身を集団や他者と切り離して考える文化が定着しにくかった。そのため、日本人は近代の西洋人に比べると自我意識が希薄だと言われている。近年は社会の多様化、流動化の影響で、現代人は自分のアイデンティティを保ち続けることが難しくなり、自分というものがよく分からなくなっている人も少なくない。そのような人を救うのは、個人のアイデンティティの確立よりも、会社としてのアイデンティティを強く確立し、その中で自分を磨き、存在感を高めて発揮していくことが、その人の自己成長をもたらす原動力になっている。シンコーメタリコンという会社には、価値観を同じくする社員のアイデンティティの確立を支援する強いポリシーを感じた。
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