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V字経営研究所・酒井英之の4行日記 DiaryINDEX|past|will
6月から営業のV字回復コンサルをしている某社の取締役から呼び出された。8月末の中間レビューを見られて「一向に変化していないか大丈夫ですか?」と聴かれた。私の回答は「大丈夫です。実に良い方向に行っています」。組織活性化は、上2―中6―下2のうちの「中の上の2」が上の2に近づくことで起こる。中の上の2の変化こそがティッピングポイントなのだ。同社では、トップ2は好調だが、今ようやく中の上の2が動きだした。ここの背中を押せれば、組織は大きく変わり始めるはず。もうしばらく辛抱して変化を待ちたい。
最近、経営者のセミナー等で話をすると「失敗体験はありますか?」としばしば聞かれる。ズバッと出てこないということは自分の反省が足りないのかな…と思うが、振り返れば失敗も随分としてきた。� 屬�客様のためでなくお金のために仕事してしまうこと」�◆嵬榲�意識が弱く、手段を求める客に手段だけを提供してしまったこと。大事なのは課題の質を高めることなのにそれが出来てない」��「やることを決めたけど、いつまでに誰がやるか、そのフォロー体制も決めなかった。するとみんな『誰かがやるだろう』になって、誰も何もやらなかった」。結局「課題の質―GOAL−PDCA」の流れが弱いと、失敗する。それがよくわかった。
「Open the door and you are on the stage of Lexus world.(ドアを開ければそこはレクサスの舞台)」は「レクサス星ヶ丘WAY」に描かれた同社の独自の世界観だ。こういう世界観に惹かれて社員は入社し、こういう世界観を提供したくて仕事をし、そういう世界観を味わいたいお客様がやってくる。仕事を楽しくするのは、自分が生み出したい世界観をハッキリさせること。この目的に目指す方向を統一し常にこの軸がぶれていないかを追求していけば、必ず楽しい仕事はできる。当たり前のことだけど、提供したい世界観を描くことが一番大切なことだと確信した。
研究会のメンバーから「サービスに力を入れると残業が多くなる。働き方改革との兼ね合いでどう考えるのですか?」との質問が飛んだ。これに対し坂部部長は「やりたい」と思っているかどうかだという。同社のお客様が夜中に東海北陸自動車のトンネル内で、レクサスではない外車に乗って故障してしまった。このときオーナーから連絡があり、レクサスの担当者が急行した。こうした行動は「やりたくない」と思ったら奴隷だが、「やりたい」と思ったら楽しくなる。働き方改革の議論にはそういう視点を欠いているように思った。
トヨタGは「考え方に納得すれば、方法論はどうでもいい」という社風がある。考え方=正しいものの捉え方であり、価値観であり、目的、ともいえる。方法論はどうでもいいと考えるから改善策が多数出る。改善策を多く生み出すのに必要なのは、「考え方」を伝えることだ。同社では創業以来サンクスカードを実践している。サンクスカードは「やり方」だが、その背景にあるのは「仲間の良い行いを『素晴らしい!』と認めることが大事だ」が考え方だ。この考え方を行動に移すのなら、方法はサンクスカード以外にもいろいろある。
カーディーラーのおもてなしといえば、女性スタッフの戦力化が欠かせないが、受付の女性スタッフは「アソシエイト」と呼ばれる。アソシエイトは「繋ぐ」という意味で、お客様とメカニック係を繋ぐ、営業担当を繋ぐ、隣の三越を繋ぐなどの仕事が不可欠。そのためメカニック、保険、三越の催事などの情報を学ぶ必要がある。ほかにも「挨拶〜着席までで8割決まる」との考えで、立ち方、お辞儀の仕方など品格が宿るやり方を元和光の松原先生が伝授。最高のおもてなしを提供する受付は多くの知識が必要なのだ。
レクサス星ヶ丘では、毎朝と終了時に「価値づくりMTG」を実践している。その日できたこと、できなかったことを報告し、できなかったことをどうするのかを話合う。この内容を毎日社長と役員で共有する。重大事が発生した時は、社長による緊急MTGと毎週の店舗巡回が行われる。ベースにあるのは「緊張感のない職場に最高のおもてなしとサービスはあり得ない」という考え方。日々PDCAを社長の目の前で回しているのだ。
レクサス星ヶ丘の社風づくりは、面接のときから始まっている。トップが面接し、必ず聴くことは「経営理念に賛同していますか?」「ここに向かって仕事をしています」。ネッツ店を基盤とする同社は、高級車に乗っている顧客がゼロのときレクサス店を開所した。よって「『最高の店、最高の面倒見、真心こめたおもてなし』という価値づくりでお客をつくり、増やし、リピートさせる」戦略でやってきた。同社のビジョンは「レクサスと言えば星ヶ丘」と認識されること。それゆえに社員には「タダでのサービス提供」「常に勉強」を求めることになる。だから「経営理念に賛同していますか?」と尋ねるのだ。
レクサス星ヶ丘の担当者は、お客様の納車式にはひとり一人に合った手作りのプレゼントを差し上げることを習慣としている。例えばオーナーの奥さんが竹内まりあがお好きだと聞いた店員は、竹内マリアのCDを最初からメモリに入れておく。あるいは、愛車シボレーを手放したお客様がいつもチーフを指しているのを見て、シボレーと同色のチーフを用意し、納車の時に胸に刺してあげる…こうした行動が当たり前にできるのがすごい!
レクサス星が丘の入り口横には大きな生花が飾られていた。とてもアーティスティックな生け方だ。造花の店が多い中、女性はビジュアルと香りに敏感だという山口社長が自ら花屋を探してきたという。店内エスカレータの壁面には、風景写真が多数飾られて目を引くが、これらはアマチュアのお客様の作品だという。ソファの椅子は首をもたれる高さまであり、映像シミュレーションは16面という大きさだ。柱にはトヨタの創業当時を思わせるスピンドルの装飾がなされている。店内の施設のひとつ一つに、「どこにもないレクサス」の精神が生きていて、それぞれに「なぜこれなのか」の物語があって飽きない。
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