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V字経営研究所・酒井英之の4行日記 DiaryINDEX|past|will
スノーピークで案内をしてくれた大島さんは、以前流通業にいた人。その頃は、冬に暖房器具の故障品を持ち込まれると「直る頃には冬が終わっていますよ」とか、「一か月かかりますよ、買い換えた方が良いですよ」と言っていた。ところがスノーピークは平均0.8日で直す。日曜に壊れたものを月曜に持ち込めば、金曜日までに直り、次の週末にまたキャンプに行けるサービスを展開している。さらに椅子の左肘が壊れたら、「右肘も直しておきました」のサービスを展開する。永久保証と合わせ、この姿勢もまたスノーピークブランドを支えている。
スノーピークは他とは同じものは作らない、というポリシーがある。それゆえに、クーラーボックスの開発は苦労したようだ。クーラーボックスでオリジナリティを出すのは難しいからだ。そこでつくったのが高品質・高耐久性で、ドライアイスを入れると冷凍機能が1週間続くもの。こうしたオリジナルへの徹底的なこだわりが、ブランド力になっている。
スノーピークの山井社長は「お洒落なキャンプ」という新しい価値を世の中に提案し、オートキャンプという市場を作った。そのオートキャンプの理想の姿を80年後半から90年前半にかけて描いた。その一枚の絵がビジョンとなり、その世界を築くことを実践していたわけだ。自分が作りたい理想の状態〜お客様が楽しんでいる姿を描ける人は、社員や協力機関など周囲を巻き込む。山井社長が「お洒落なキャンプという市場は僕が作りました」と語ったが、その口ぶりがかっこいい。一枚の絵が全てのスタートだ。
スノーピークの本社(HC1)を見学した。キャンプ場の中にオフィスがあり、12-13名の開発担当者がここで商品開発が行っている。ただしここで「新商品をどうしようか」とは考えない。彼らは毎週キャンプや登山に行く。そこで閃きを得る。それを持ち帰ってここで商品化する。アイデアは現場で考える。至極当然のことだが、できている会社は少ない。
ツインバード工業には中国からコストは1/10にして欲しい。量は10倍にして欲しいというオファーが来ているという。コスト1/10の量が10倍なら、利益は変わらないわけだが、量産やコストダウンを実現する設備投資は莫大だ。投資すべきかどうかを検討中というが、同社は為替に影響されない経営体質への転換を目指し、国内生産化を進めているという。経営の特異性を考えても、量産化に舵を切らないで欲しい。
ツインバード工業はメーカーであるが、基本はR&Dとアッセンブリ+品質管理を自前とし、部品の開発は地元の三条市の地場産業を用いている。この集積があってこそ、魅力的な商品の開発をしている。現在生活家電30%、調理器具30%、理美容30%だが、理美容関係を強化していきたいとのことだった。また、量販店販売30%、海外10%、通販30%、OEM30%だが、通販を50%にまで引き上げていきたいという。
新潟県燕三条市のツインバード工業を見学した。同社は商品開発のヒントをコールセンタから得ているというが、お客様の声を全部聞くわけではないという。お客様の声を全部聞くとマーケットサイズのないところに行ってしまうという。同社の商品開発の基準は「お客様の声+技術+デザイン+マーケットサイズ」。このルールがないと社員が「勝手なものを作って困る」という。その自由度が同社の魅力だ。
赤城乳業の説明には、サッカー日本代表とコラボして成功した話やコーンポタージュ味が大ヒットした一方で、ナポリタン味で大失敗したり「値上げをします」の謝罪広告の話も出てきた。これらは同じ水準で語られていて、聴き手にはスッと入ってきた。一般に外部に対して失敗体験は隠すものだが、失敗体験をそのまま語ることで、情報発信者への信頼が増し、同社により好感を持った。西田文男先生は、弱みを堂々と晒すとそれは強みに変ると語っているが、まさにその効果だ。
赤城乳業のソフト「上だけ」のCMを工場で何度も見た。帰りの新幹線の中でも見返して吹き出してしまった。なんでこんなCMが作れるのか…それは「少し憂鬱な世の中を遊び心で明るくしましょう。私たちは美味しさと楽しさと豊かさを提供するドリームメーカーなのだから」という同社の理念に基づくものだから。特に『楽しさを提供する』というのが秀逸。これを言っているメーカーは少ない。
ガリガリ君のプロモーションは変わっている。とにかく楽しいのだが、そのコンセプトは「ガリガリ君をどれだけ売ろう」ではなく、「アイス売り場に来てもらおう」だ。同社のタグラインは「あそびましょ。」だが、アイスには人を童心に帰らせる力がある。道行く人に「童心に帰ろう」と働きかけることがアイスを連想させ、ガリガリ君の販売に繋がる。
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