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V字経営研究所・酒井英之の4行日記 DiaryINDEX|past|will
工場内を案内してくれたのは入社2年目の女子社員。あまりに流ちょうな説明に感動したが、それは鳥原社長の社員の主体性を引き出す教育の賜物だ。新人に対して最初の8カ月間、毎日日記を書かせる。その量ノートの上半分。それに対し、社長がほぼ同じ量のノート半分書いてフィードバックする。こんな丁寧なマンツーマンメッセージをトップから貰うと、成長速度は何倍にもなるのだろう。逆に言えば、このようなOne2One化が進めば、不特定多数を相手にしたマスメディア的な情報発信はどんどん価値を失っていくということ。発信者はそれを特に意識して情報発信しないといけないと感じた。
マルワの工場内を見学させていただいた。見学者が多くせいか見学の段取りが仕組み化されていて専用パンフもあり大変わかりやすかった。特に印刷機や製版機の説明では、担当の方がその機械をとても可愛がっている感が伝わってきた。高校生の見学やインターンの受け入れも行い、女性も印刷機に興味を持つというが、スイッチひとつで印刷機が動くわけではない=現場担当者の創意工夫が必要だと知るからこそ、「印刷って面白そう」と思うもの。社長は見学会のアテンドは一切せず、「おもてなしは現場の方が上手い」と笑う。それを聴きながら、若者や女性に経営されている業界も、実は伝え方次第で変わるのではないかと思った。
マルワに入って驚いたのは、玄関の社長の等身大のポスター。しかもポーズが「壁ドン!」。そのユニークに来訪者は、社長が伸ばした腕の下で写真を撮る。これは誰かが訪ねてきても社長が不在のことが多く、それをカバーするためのものだというが、これはインスタネタになる。また、同社は毎日玄関先のブラックボードに「今日の情報」を書いているが、こちらも社長がFacebookにアップしている。しかも、その社員を社長が褒めている。「この会社は面白い!」と感じるものを、皆が見ているSNSにタイムリーに発信する。壁ドンポスターもブラックボードも「記憶に残る情報発信」にこだわる同社ならではの仕掛けだ。
無敵経営研究会で名古屋の印刷業(株)マルワ様を訪問した。印刷業と言うのが申し訳ないくらい、昨今はその前工程である販売促進企画の部分や、後工程である配達サービスにも力を入れるSP会社である。鳥原社長は「安売りは大手の理論。安い印刷物を求めるのなら、ネットプリントに頼めばいい。中小企業は高く売って儲けるのが基本」と語る。そのためコト売りに力を入れ、お客様には「安心=安全、品質=価値、普通→特別」を、社員には「やりがい、認められたい、感謝されたい」を満たす経営を実践。これは、どの中小企業もお手本とすべき思想だと思う。
先週は大阪、長野、名古屋、大阪、大阪、名古屋のドサ回りだった。そのため、母の誕生日なんて忘れていたが…ありがたいことに高校生の娘とカミさんが祝ってくれていた。プレゼントは蘭。部屋の雰囲気が一変する華麗さに母も大喜び。不肖なオヤジをカバーしてくてありがとう。その蘭の鉢の下の刺し子があり、祖母の形見があった。娘から見たら曾祖母。テーブルの上に親子4代の想いが詰まっていた。それを見て感動した。
無駄な意見はない…その意見が出るのも必然だから最初からつぶしてはいけない…と教えてくれたのは、竹内日祥上人。今日から、某大手企業での新規事業立案研修がスタートした。とにかくアイデアを出そう、ということでヘンテコなアイデアでもいいので出そう出そうとしたら、随分ヘンテコなものが出た。「そんなものダメだ」と潰したかったが、放置した。するとグループ討議を重ねるうちに、そのアイデアはいろんなアイデアと結合して異質な、実に面白いアイデアに進化した。竹内日祥上人が言いたかったことはこのことなのか…いずれにしても、面白いアイデアが出てワクワクした。
週刊誌報道によると立憲民主党が票を伸ばしてるよう。同党の主張はともかく、党首が男気を貫いたということに人気の根源があるみたい。自分の信念を見失わず、何かを失う覚悟で大波の中で立ち続けることは多くの人の共感を呼ぶのだろう。「寄らば大樹」というがそれを元々持たなかった人は勿論、「寄らば大樹」の大樹に寄り添いながらも、そのような生き方に憧れている人は少ないのかもしれない。この事例から、人は主張や力量以前に、まずその人の生き様に共感するものだとよくわかる。
希望の党の失速気味だ。ここから学ぶことが多くある。民主党が傘下に入ることを決めたとき、「排除」を持ち出さなければ…そして小池氏が自ら衆院選に立候補し首相指名される環境を創れば事態は変わったかもしれない。つまり、勢いに乗る時は何でも飲み込んで一つの塊にして、自分も捨ててかかれば良かったのだ。秀吉は中国大返しのときにこれをやった。誰の配下の者でも反光秀で結束し、自分の姫路城の蓄えを全部兵士に与えてしまった。家康も関ケ原の時は、秀吉恩顧かどうか関係なく参加に加えた。共通の敵がいれば友になる、は歴史や地政学の教訓。企業合併でも、同じことで排除しなかったからこそ三井と住友や、三越と伊勢丹がくっついて今も大きな勢力を維持している。そうした合併の基本をしなかったのだから失速して当然だろう。
「社長しかメッセージを発することはできない。マスコミは社長のメッセージにしか関心がない。だから社長は言葉力を磨くべし」と土井英司先生に教わったことがある。今日、超大手企業で社長が語る危機意識のVTRを観た。数年前にも同じようなトップメッセージのVTRを観たが、そこにはトヨタ出身の取締役のメッセージとか、早大の先生のメッセージも含まれていた。しかし、今日観たVTRは、社長一人だけだった。それだけこのグループ企業がトップメッセージに自信を持ち始めた、ということなのだろう。識者に頼らず終始自分の言葉で10年先の危機意識を伝える姿勢に感動した。
他者の発表に強い関心を持ち、次々質問や意見を繰り出す。そんな活発な会議こそ企業の会議のあるべき姿だろう。新規事業を考えているS社では、24人が4つの班に分かれ、各チームのプランの中間発表会を行った。すると驚いたことに、Aチームが発表した後、他のチームからどんどん質問とか意見が出た。そのため発表10分質問5分は大幅に時間超過し、合計時間が2時間にも及んだ。同社の企画部長が繰り返し伝えた社内スローガン「自責で考える自立自走する」が社員に浸透し、皆、他チームのプランを自分事として考えているのだった。そんな若者たちの姿にこのプロジェクトのサポーターとして素直に感動した。
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