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V字経営研究所・酒井英之の4行日記 DiaryINDEX|past|will
『99%の絶望の中に「1%のチャンス」は実る』を読んで、これを読ませたい人が脳裏に3人浮かんだ。一人は息子だ。今の時代は閉塞感だらけだが、自分が行動すればこのような未来を自分の力で切り開くことができるし、周囲の人を幸せにすることができる見本のような話だからだ。もう2人はクライアントの新規事業担当の社員。彼らは、今、自分の手で新規事業を立ち上げる機会を得ている。しかし、未知の世界に飛び込む前特有の不安を抱えている。その心理的バリアを突破するのにこの本は有効だろう。岩佐氏は語る「いま、この町に必要なのは、『復興』を超えた『創造』なのだ。新しい時代を創ろう。そのために新しい自分を創ろう。仕事は「社会にどれだけインパクトを与えられるのか」。やがてそれがお金に代わる」。2人を動機づけてくれたら、と願う。
昨日、Iメッセージ調の成功体験本のことを書いたが、そのような本の中にも良書はある。先日友人が紹介してくれた『99%の絶望の中に「1%のチャンス」は実る』(岩佐大輝著・ダイヤモンド社)だ。東日本大震災で被災したイチゴ農園の復興の物語。何よりもたった3年で近代的なイチゴ農園を切り開いたかと思ったら、インドにまで進出し農園を開いている。その展開力の速さと凄さに驚いた。
たいして有名でない人が、「私はこれで成功しました」と言いたげに本の表紙に登場し、自分の成功体験を綴った本がある。このような本を私の師匠は時代遅れです、と切り捨てた。LINEのような双方向メディアで情報交換する時代。読者は「私は…」「俺が…」という「Iメッセージ」より「あなたは…」「…ではありませんか?」「…ですよね」のような「Youメッセージ」を受け入れるようになっている。だから、本もそのようなタッチで書くべきだとの教えであった。私自身Iメッセージは苦手な方だが、Youメッセージはもっと苦手だ。新聞記者的書き方が得意なのだが…が、主張したいことがあるのなら、時代に受け入れられるように表現していかねば発信する意味がない。改めていこうと思う。
Facebookを見ながら、時折残念な投稿を見つける。それは批判的な文章だ。たとえば、何か有名な景色を見に行く。それに対して「確かにきれいでしたが、一度見れば十分ですね」と書く。そのくせ動画をアップしてその景色の美しさを語っている。なんで後半をわざわざ付けるのかわからない。誰に向かって語っているのか。引退者の評論家的な物言いは後の世代には決してプラスにならない。そんな小さなひとりの投稿にムカムカしている私もどうかしているが、自分の中でネガティブな表現に敏感になっているのはなぜだろう。独立後、V字回復支援を意識することで人や企業の可能性を強く信じるようになったせいかもしれない。
某社で行っている業績回復PJTの進捗について、リーダーたちから報告を受けた。驚いたのは、「計画通りに進んでいるかどうか」の報告をしない幹部がいたことだ。それがA社とB社で同時に発生し、私は自信を失いかけた。私の指導法に何か誤りがあったのかと…が、B社の幹部と話して気が付いた。どちらの会社も「目標設定→目標達成」の習慣がなく、目標達成への意識に個人差があったのだ。となれば、そこをきちんと指導できなかった自分の責任だ。これからは彼らの目標達成意欲がどうか、きちんと見極めて指導しないといけないと気が付いた。
昨日の某社の部長研修の発表会には他のコンサルタントも一緒に参加した。彼らは役員からの集中砲火に「部長には評価が厳しいですね」と語った。確かに、今まで実施してきた部長クラスの研修を振り返ってもその発表会で部長たちが褒められたなんてことはなかったように思う。部長には常に「もっとああせい、こうせい」と注文が付くものだ。そこではっと気が付いた。私自身も部長職を長く務めたが、自分が何かを発表しても褒められたいとは思わなかった。むしろ、気が付いていない弱点をズバッと指摘されたい気持ちの方が強い。中には重箱の隅を突くようなしてきもあり閉口することもあるが、鋭い指摘は何よりも部下の成功に繋がる。そのためには甘い褒め言葉より、「そんなこともわからないのか、この大馬鹿ものめ!」の方があり難いのだ。言葉を選ぶ必要はあるが、これからの部長研修は相手のためを考えてビシバシやろうと思う。
クライアントの部長研修の発表会。部長たちが会社の体質を変えようと、放置されている組織横断型の問題解決に取り組んだ成果を役員に伝える日だ。指導したのは私だ。しかしてその評価は…というと、一言でいって惨敗だった。役員から厳しい指摘を受けた。一番反省しなければならないのは私自身だと思った。同じ指摘をする情熱と力が私にあれば…。高倉健さんは「いい映画には役者が発する気が現れている。役者同士がぶつかる火花と言ってもいい」と語ったが、私にはその「気」が不足していた。講評ではそのことを素直に謝罪した。このままでは、悔しくて仕方ない。有難いことに即時、指導期間の延長を了解していただいた。ここで捲土重来を期す。
3年前に2015年ビジョンを選抜メンバー10人で考えた某社から、次の3年のビジョンを立案したい、とのオファーがあった。同社は3年前、大切な顧客から見放されその存在価値そのものが危うくなっていた。その危機的な事実を共有し、以後、数々の施策を展開。結果は落ち込んだ分を取り返すV字回復を遂げた。そのためこれからの3年間は、真に理想を掲げ「目指す経営」を推進する時期となる。つまり、「何がダメだから直そう」ではなく「こうなりたいから、○○を実践しよう」を考える本当のビジョン開発だ。それも全社一丸となれる、ワクワクするビジョンでなといけない。ポイントは、参考にすべきベンチマーク企業がどこか、ということ。「あの会社のようになりたい」「あの会社の素晴らしさを、アレンジしてわが社に取り入れたい」。そう思えたら、会社はますます強くなる。それを探すお手伝いも私の仕事だが、考えただけでワクワクする。
海外での新規事業の企画を進めているBさんからコンサルの応援要請があり、今後の打ち合わせをする。そんなBさんが先ごろ現地に行き、「市場テストに協力してほしい」と見込み客を回ってきた。結果はお願いしたすべての会社から「いいですよ。そのようなサービスを望んでいました。協力させてください」との回答を得た。この手応えにBさんは、「『新規事業を立ち上げたい』一心で始めたプロジェクトだが、今は『この人たちのお役に立ちたい』と思うようになった」という。そんな話を聴きながら、「自分のため」の仕事から「世の中のため」へのモチベーション・チェンジしたBさんを心底応援したいと思った。
先日、愛知のニッチ・トップ企業メーカーを訪問した。同社の社長とは中部マーケティング協会の会合でよく顔合わせをしていて、私が「事業と人財のV字回復を専門でやっています」と独立の挨拶をしたところ、早速「頼みたいことがあるから会社に来なよ」との連絡を頂いた。そこで喜んで訪問したところ、絶好調の本業とは対照的に、赤字が続く子会社をV字回復させたいという。ただ、聴けば聞くほど大変に難易度の高い課題だった。社長は「この技術にはまだ可能性があるのではないか」という。ちょうどイノベーションのアイデアの出し方を整理しようとしていたところにいい試金石が舞い込んできた形だ。これも自分の「試されごと」として取り組んでみようと思う。
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