磐田市の経営者相手に勉強会。過去6年間で通算5回目の登壇。お馴染みの人も多く、中には「またあいつかよ」と思っている人ともいると思う。ところが、そのような不安をこの回の顧問が、最初の挨拶で打ち消してくれる。今回は「酒井さんは通算5回目。こんなに来ていただくのは、実は私が一番聞きたいからなんだ」と言ってくれた。そう言われるとこちらのモチベーションも上がるし、聞く側の期待値も上がる。その気配りに脱帽だ。
「問題が何か見えないときは不安だが、事実がはっきりすれば挑戦心がわく」と何かで読んだことがある。コンフェデ杯の「日本VSイタリア戦」を観ていて、このことを思い出した。おそらく日本代表は、ブラジルやイタリアなど強豪国には不安を持っていただろう。が、大舞台で正面からぶつかったことで、不安の源だった力の差は「事実」となり、「克服しよう」という挑戦心が湧いたのではないだろうか。惜敗は残念だが、そこから得たことを糧として、ますます強くなって欲しい。
昨日の勉強会に建設会社の人から持ち込まれた新規事業案に「避難やぐら」があったので驚いた。地上15Mぐらいの高さで、50〜100人ぐらいが載れる広さのやぐらだ。津波が心配される浜松市の工場等に、津波発生時の避難場所として提供したいという。が、既に2件の販売実績があるという。その2件は「経営者にとって一番大事な社員の命を守るために」と言って導入を決めたというが、そのような考え方の経営者が増えるのは素晴らしいことだ。
浜松の柳原新聞店さんが主催する商売繁盛塾の2回目の講師。今回のテーマは「新事業開発」。この中で「自分のプランは、小学校5年生でもわかるよう8秒で伝えるように」と教えた。すると、8秒にはどんな要素を入れたらいいのか?との質問が来た。入れる要素は「誰の何のためのどんな商品か。そのための型破りは何か」。質問者は対象市場を絞り込むことを決意ししたばかり。それは正解。後は、そこにその会社ならではの「型破り」を盛り込むだけだ。
コンサルタントの大先輩に会った。今じゃ学園の園長をしているが、そんな先生が部下育成の著書をしたためているという。そこで意地悪ながら「50歳前後で『上がり』を感じているベテラン社員の育成法は?」と聞いてみた。すると「老人でも盆栽やペットなど『育てる』欲望は衰えない。若手を育てられる環境においてあげればいいのでは」ということだった。誰かから必要とされることが人を育てるのだ。
昔の自分を褒めるのは単なる自惚れ行為だとわかっているが、昔と今を比較して、今に足りないもの〜忙しさの中で見失っていたもの〜が見えて大変な気づきを得た。他人を指導するときはどんな業績が悪い会社でもその会社の魅力を見つけることができるのだが、自分となるとサッパリわからない。それが10年を経て当時の仕事ぶりを振り返ると「自分らしさ」の価値がよくわかった。
捨てるときは「ときめくかどうかを判断基準にせよ」と、近藤麻理恵さんが著書『人生がときめく片付けの魔法』の中で言っていたが、10あるキャビネの中の資料の6割は「必要か不要か」を基準でに捨てた。が、目標は8割カット。あと半分捨てねばならない。これはなかなかしんどい。どれも残したい要素がある。それを貫徹する基準は「理屈」より「ときめき」に置く。すると迷いなく選択できそうだ。
昔の資料を捨てていて気がついたことの2つ目は、当時からケーススタディを多用していたことだ。当時書いていたケースの大半は、自分が体験したことではなく書籍から引用したもので、「こんな場合、あなたはどうする?」と問うている。ただ単に「ドラッガーはこう言っています」なんて言い方をせず、それをクイズのような問題にしたから当時の受講生も楽しみながら理解できた。中には10問連続で出し、何点取れるかという投げかけもしていた。このスタイルは今も続けている。
昔の自分が念入りにやっていたのが調査である。特に、百貨店の売り場で売られる陶器の問屋を教育したときは、問屋のことを調べるのではなく、百貨店の売り場の人のことを調べていた。彼らが使う歳時記(催事予定表)や売場作りプランシート、POPなど。そこに載っかるような提案をしないとダメだ、そこにある空白を埋めるような提案しようと働きかけていた。その考えを見て、それは正しかったとつくづく思った。
7月にオフィスの引越しが予定されている。移転先は今よりずっと狭いため、私は現在個人的に使用している10のキャビネを2まで減らさねばならない。実に8割カットだ。そのため休日に出勤してバサバサと捨てているのだが、昔の自分の資料(作品)を見ながら気づくことがいくつもある。特に売れっこになって超忙しくなる前の数年の資料はとても充実していた。パワポのない」時代の手作りの良さがあったし、コピー・ペーストしないオリジナルへのこだわりがあった。