経営者の皆様に講演会。タイトルは『会社を変える人=イノベーション・リーダーの育て方』。試行錯誤の挙句ようやく2時間で話せるだけの内容に仕上がった。たかだか2時間だけど現代を語るオリジナリティ溢れる、どっから聞いても退屈させない学びのあるセミナーはなかなか作れない。一作品できただけで満足しているようじゃ器の小ささを披露するようなものだが、素直に手応えを感じる。
『あまちゃん』の中で、主人公のアキが「かっけー」とつぶやくシーンが何度か出てくる。それらはすべて対象となる人物が、自分の理想や目標を信じ、そこに迷いなく進んでいる姿を観たとき。アキもすぐに「私、○○になりたい!」「自分のためにやる」と迷わず口にする。脚本家の宮藤官九郎は視聴者にそういう生き方を奨励したいのだろう。体が悪いのに漁に出た忠兵衛や、それを許す夏、娘を許す春子、リスクを考えないユイ、増客しか頭にない大吉など。視聴率が高いのは、そのような生き方に憧れる人が多いからだろう。
朝ドラの「あまちゃん」を欠かさず観ている。地方都市が人気のキャラクタに頼って集客し再生を図ろうとするが、キャラクタに頼ってばかりでは駄目だよ、という教訓に見える。私の町・岐阜市には「やなな」という人気ゆるキャラがいたが、今年3月引退した。その引退ドキュメンタリーをTVでやっていたが、柳ケ瀬商店街の人が引退の是非を巡って討論していた。「引退=集客減=困る=反対」という意見と「いつまでもゆるキャラ頼みではダメだ」という意見。やななが人気絶頂の今、引退を決めたのは後者の考えに立ったから。認知を上げた後は違う姿で人を惹きつける。朝ドラは、その重要性を訴えている。
有名な漫画家やイラストレータが主人公たちの似顔絵を描き、ネットにアップする「あま絵祭り」をwebで観た。かつてこんな現象はなかったから、新たな社会現象にビックリだ。特に私は青木俊直さんが好きでFacebookでフォローしているが、彼のイラストの「いいね!」の数が、放送開始当時は2桁だったのに、今は1000件を超える日も。フォロアーは6000人近い。無名の人が、独自の切り口でヒット番組を切るだけで一気にメジャーになる。この現象に改めてネット時代の可能性や凄さを感じている。
某メーカーの管理者に「叱らってもらった」と思う経験を聞いた。ある管理者は無免許でクレーンを動かしたとき、当時の上司にひどく叱られたという。当女の状況を聞けば毎日のようにクレーンを動かす必要があり、資格を持った人が忙しくて見よう見真似でやったというのが、「できるかどうか」より「万が一の時に責任が取れるかどうかが問題なのだ!」と言われたという。その指摘が彼の中で感謝の気持ちとして残っているのだ。
新技術が次々誕生するIT部門で新たにマネージャになった人から質問を頂いた。それは「自分は、マネージャになった時に自分自身のIT技術の向上は捨てました。なんぼ追っかけも若い連中に追いつけないから。それより部下たちの働きやすい環境を作ることに専念しているがそれでいいのでしょうか?」。答えは、○。プロ野球の監督は、選手と競争するようなことはしない。中日の落合元監督のように老いたら環境づくり専念すればいいのだ。
若手行員からの質問その3。「価値観が多様化していて、企画部門がとやかく言っても法務部門とか監査部門とリスク管理部門から逆のことを言われる。どうしたらいいの?」。 私の答え。確かに最近は、細かいミスが目立ちやすい時代であり、部分最適化の傾向は強くなってきている。が、いつの時代も焦点を当てるべきは顧客満足以外にない。そして顧客満足は、顧客自身ではなく、顧客が喜ばせてあげたいお客が満足したときに最大になる。顧客とお客の問題を解決してあげること。いろんな言い分があるだろうがそこに焦点を当てて、取捨選択するのが最も望ましい。
若手行員からの質問その2。 「若い人と世代間ギャップを感じるが、当事者意識が薄く全力を出しているようには見えない彼らをどうしたらいいか?」。 私の答えは、「一緒に仕事をする仲間なんだから、世代間とか細かい違いを大きな違いのようにグチャグチャ言うな。目的と目標を共有して、それ目指してどうやったらいいかとことん話し合って進めばいい!」。上司が目標達成に熱くなれば、部下は自ずと熱くなるはずだ。部下を熱くしようとするのが間違いなのだ。
某金融機関の中堅行員の質問に応える、というセッションを行った。印象に残った質問その1。最初の質問「人に『刺さる伝え方』って何ですか?」。 私の答え。大事なことは「何のため、誰のため」という目的をはっきり話すこと。そして、「どうなるか」という結果に焦点を当てることだ。結果を見ると、人はその中身に興味を持つ。中身は話すのはそれから。目的と結果を話すことが、中身に興味を持たせる秘訣だと答えた。
業績が低迷する組織の幹部社員の行動と意識を変え、オンリーワンへの軌道に乗せるV字回復専門コンサルタント。慶応義塾大学経済学部卒業後、ブラザー工業�蠧�社。入社当時、希望部署への配属が叶わず辞めることばかり考えていたが、度量の大きな上司に拾われて開眼。入社2年目のときに、競争に負けたワープロの一部の機能だけを取り出したラベルライターを企画。これが全米で25年経った今もシェア70%を誇る大ロングセラー商品となる。この効果で、ブラザーはミシンの低迷から脱出。以後経験を生かし経営コンサルタントに転身。世界シェアNo.1の会社から10人以下の会社まで、約400社のオンリーワン化に貢献。 ・主な著書として『勝ち組になる会社なれない会社』『なぜ社員の意識は変わらないのか』『稼ぐチームのつくり方』(PHP研究所)『スーパー上司力』(アーク出版)『仕事ができる人、会社に必要な人』(クロスメディアパブリッシング) など多数。