松井秀喜選手が引退した。「もっとやれただろうに」という声が聞かれる。しかし、それでは本人が一番納得できないのだろう。野村や工藤のようにボロボロになるまでやって辞める人も、松井選手のように「まだまだ」と言えるうちに辞める人も、自分の納得感を大事にしているのが一番だ。辞めたいのに誰かに言われたから続けている…そのことが一番苦しいはず。自分に素直であることはスポーツ選手の美徳だ。
ONE PIECE展で『記憶』というガイドブックを買った。3500円と高価だったが、今読み返して買ってよかったと思う。そこには、この展覧会を企画したプロデューサーたちのインタビュー記事が載っていた。読むと「オファーを頂いた時、本当に自分で良いのかと思った」「『漫画を体で感じる』というコンセプトを見つけた」など、彼らが苦しみながらこのクリエイティブな空間を生み出したことがわかった。彼らは見たところ30代半ば。その純粋な創造力に敬意と感謝を思う。若い人たち、本当にありがとう。
良い作品は、見る人が潜在的に持っている創造力を否応なく呼び起こす。昔、海底のゴジラが水爆実験で目を覚ましたように、自分の中の眠っていた部分が目を覚まし、暴れる予感を感じた。かつて、自分が何冊も本を書いていた頃、自分の中には暴れたがるモンスターがいた。ここ数年、そいつは全然出てこなかった。呼び覚まそうと思っても出てこなかった。やっと、そいつが出てくる。休火山が活火山になる。ONE PIECE展は私にとって、水爆以上の衝撃のクリスマスプレゼントだった。
大阪港でONE PIECE展を観た。凄い。泣けた。二次元の漫画の世界を、」二次元の魅力を最大に引き出した演出が見事だった。「実物大フィギュアを置いただけなら怒るぞ!」と思ったが、そんな安直な演出はどこにもなかった。作家の展示会のように原画ばかり並べられてもガッカリするし、アニメ動画を流されてもガッカリする。そのような既存の二次元演出の限界は十分研究したのだろう。スタッフの人たちがこの展示会に、もの凄く挑戦的だったことが伺える。作り手の、この作品が持つ価値(読み手の魂を揺さぶる迫力)を空間的、立体的に伝えようとする凄まじいばかりの情熱に圧倒された。
なんばグランド花月を予約して鑑賞。新喜劇+公演のセットメニューを申し込んだのだが、このコースは新喜劇を見る前に、若手芸人さんと2ショットで写真を撮る仕組みになっていた。一緒に写真を撮ったのは今別府直之さんと山本奈臣実さん。これから売り出す後からではなく最初に一緒に写真を撮るのは、二人に親近感を持ってもらうため。実際に、舞台に立っている2人をかなり注目して見てしまった。知っている人がTVに出ているとこちらも嬉しくなるというが、そういうファン心理を突いた心憎い演出だった。
なんばグランド花月1FにAKB48shop&caféがあった。中に入るとそこにいたのは中年の男性と若い男性が数名、そして小学生の女の子とその母親が二組。店内はプロモがガンガンかかるが、一番の売りはAKBコスチュームを来た店員さん。これが可愛くて思わず「あなたのブロマイドはないのか?」と尋ねてしまった。コースターが一人一枚貰えたり、テーブルの上にアイドルのサインがあったりするのもよかった。
なんばグランド花月の1Fのうどん屋『千とせ』で、肉吸いを食べる。肉吸いは、「肉うどんのうどんがないもの」で、評判は聞いていたが、もう滅茶苦茶美味かった。肉吸いの起こりは、吉本の芸人だった花木京が、酔った時に『千とせ』の主人に「肉うどんのうどん抜き」と注文したことが始まりだという。肉吸いはまさにユーザーイノベーションの好事例だ。一緒に出て来る玉子ご飯との相性も抜群!行列ができるもの頷けます。花紀京さん、素晴らしい食事、事例をありがとう!
なんばグランド花月で吉本の百年記念公演を観る。西川きよしの物語だったが、その実態は横山やすしの物語だった。観客の誰もが横山やすしの芸を知っている。素行ぶりを知っている。だからこそ、西川きよしが引き立って見える。横山やすしの何たるかを知らない若者には、何のことかわからないシーンもあったであろう。 思い起こせば、かつて一緒に仕事をした故・小林繁さんは講演会で王や長嶋の話をした。誰もが知っている対象を通して自分を語ったのだ。そうしないと講演会は受けなかったという。伊集院静氏も、講演会で交遊のある松井秀喜のことを語っていた。自分の話より、松井の話の方が伝わることを知っていたのだ。「100円のコーラを1000円で売る方法」という本が売れているが、それも同じ。誰もが知っているコーラという題材だから、付加価値を加えるとはどういうことかが伝わるのだ。 何かを伝えるとき、共通の認識を使うことは本当に大切だ、死してなお、吉本キャラクターとして活躍している横山やすしを見て改めて思った。
圧勝した自民党の得票率43%。が、獲得議席数は79%。対する民主党は得票率23%。が、獲得議席数は9%。勝者と敗者がこれほど逆転するとは…小選挙区ならではの「かたより現象」が如実に出た形。この「かたより現象」は書店に喩えると分かりやすい。大きな書店で「売れ筋を5冊持ってきて」とお願いするときっと5種類の、違う本が集まるでしょう。一方、キヨスクのような小さな書店5件に、「売れ筋の本を持ってきて」とお願いします。すると、同じ本ばかりが5冊揃います。キヨスクは大きな書店での売れ筋を見て仕入れているから、大きな書店でのNo.1だけが、圧倒的に売れる状態ができてしまう。大きな書店でのNo.1と2位や3位との差は僅かでも小さな書店を巻き込んだときの総数は、巨大な差になってしまいます。ネットの普及で、小さな買い場が乱立する時代やコンビニのように、小さな買い場が極めて重要な買い場の時代を生き残る方法は二つしかありません。ひとつは、今回の自民党のように大きな買い場でNo.1になること。もうひとつは、それでも小選挙区で当選した民主党議員のように、小さな買い場でも大きな買い場のNo.1に負けないNo.1になること。つまり選挙でもビジネスも、ますますNo.1戦略が重要だということ。長野の奇跡もランチェスター戦略から生まれた。「竹やぶ理論」をもっと広げて行こう。
N社との会議の最後に、私は次のように伝えた。「できると思えば、できます。必ず、できます。それを皆さんは証明しました。だから、できっこないと諦めている周囲の仲間に『君にもきっとできる!一緒に頑張ろう』を伝えていくのが、一度成功体験をした人の義務なのです」。一番若いメンバーは、同社で今後30年は働く人たちだ。是非、周囲を巻き込める人になって欲しい。