ハウスメーカーの下請け仕事は「素材も決められて選べない。どうやって今日一日の仕事を早く終わらせようか」しかない。お客様が喜んでいることをダイレクトに理解する機会もなく、「やらされ感」の強い職人さんが多い。そんな職人を「笑顔に変える自信は滅茶苦茶あります!」と語るのは自然素材の住宅でトップブランドのシャルドネの井上哲志さん。「人の人生観を変える・やりがいを作る」。彼の自信に、商いがもつ本当の力を感じた。
ハウスメーカーはなぜ高くても売れるのか?それは、顧客が地域の工務店に対して抱く「どこにあるかわからない」「ダサい」「なんとなく不安」という3つの不安材料。それを解消しているのが、自然素材の住宅でトップブランドのシャルドネだ。地域の工務店は同社の施工を請け負うことで、上記3つの不安を払拭することができる。特に3番目の不安の払拭は、「私たちは職人とお施主様を繋ぐ架け橋」と自覚する営業と、常にお客様の一言を汲み取って、思いや背景を理解し、お客様を理想の住まいへナビゲートする意識を持った若いスタッフのいる店舗の総合力から生まれる。同社で接客を経験したが、実に気持ち良い対応だった。
人口30万人の高知市で年間延べ10万人を集める「ネッツ南国トヨタ」は、顧客の満足度が右肩上がりに上がり続ける会社だ。通常、顧客の満足度は買った直後が最大で、徐々に下がっていくもの。下がるのは売り手との接触が減り、買った商品が陳腐化するからだ。ところが同社では、顧客と会社が接触し続ける。定例訪問する営業、定期点検時の整備士、コーヒーを入れてくれる女性店員、ユーザーが集まるイベント「ビスタ・ファミリーカー・オリエンテーリング」など。だから満足度は緩やかに上がり続ける。
「『1円でも安くしてくれ』とお客様に言われるとき、そこには(あなたには期待していないから)という前置きがあるのです。そうならないようにするには『早く安く怒られないためのオペレーション』から『喜ばれるためのオペレーション』に変える必要があるのです!」。そう力強く語ってくれたのはトヨタ系ディーラーで12年連続CS No.1で有名なネッツトヨタ南国の長山大助さん。安売りが本能的に嫌な理由がストンと腹に落ちました。
「障害者をウリにしたくない。だから、グルメ雑誌以外の取材をお断りしてきました」とワークス高知みらいの竹村利道代表は笑う。障害者を売りにすると「不味そう」と思われ、最初は慈悲で来てくれた客も次には来なくなる。結果的に障害者が育たなくなる、という。逆にそのようなことを言わず、後から障害者が働いていたんだとわかれば、お客様から「頑張ってたねありがとう」「美味しかったよ。ありがとう」と言ってもらえ、その声が障害者が育てるという。目先の売りではなく、障害者の成長に焦点を合わせる。そのぶれない姿勢に感動した。
社員数200人のうち、120人までが障害者。そんな食品工場&レストランを経営するワークス高知みらいの竹村利道代表にお会いした。彼は障害者雇用のポイントを「HOWを考えること」だという。G例えば、80gを量って盛るのが苦手な身障者も、踏めば80gが自動的に出てくる機械を使い、それを足で踏むことができれば仕事ができる。経営者がそのような機械に投資をすれば、雇用が生まれるという。健常者のように働くのではなく、健常者と同じアウトプットを出せるようにするには、どのような環境が整えばいいか。そのHOWを考えることで大勢の雇用を生んでいるのだ。
「○○化」という言葉が会社に溢れている。「強化」「特化」「平準化」「高度化」「見える化」などだが、それぞれは目的でも目標でもない。ある目標を実現するための手段である。ある目標を達成するために「営業力を強化」するのであり、「特定市場に特化」し、「負荷を平準化」し、進捗を「見える化」する。よって目的や目標に「○○化」という言葉が出てくるのはおかしい。某社の幹部にそう指摘され、深く納得した。
「事実前提」と「価値前提」という言葉を聴いた。ある経営者が自分の事を「私は価値前提の人間でして…」と語ったからだ。事実前提とは、「いくら売れば、いくら儲かる」を考えて意思決定すること。対して価値前提とは「何人に満足してもらいたいか」を考える「意思決定のこと。お金は後からついてくる、という考え方だ。お役立ちのため、本当にやりたいことに忠実になることは人間を生き生きとさせる。
優勝することやベストプレーを見せることだけがファンサービスではない。選手とファンの接点を増やすことこそファンサービスの基本だ。ダルビッシュ選手の記者会見を見て改めてそう思った。大事なのはファンの納得感で、ドームで11000人を前にしたインタビューにどのファンも納得しただろう。思わず泣けたが、それはダルビッシュの言葉というより、こんな場を作ったファイターズに感動したからだ。
シェイクスピア曰く「成し遂げんとした志をただ一回の敗北によって捨ててはならぬ」コピーライターの酒井とし夫氏のブログにあった今日の言葉。今日、自分の詰めの甘さを思い知らされる事件があった。少々落ち込んでいたときにこの言葉に出会う。70-80代の米国人は「日本人は、どれだけ言ってもくじけず改善案を持ってくる」と驚愕したというが、私にもそのDNAは流れている。ここに、捲土重来を期す。