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V字経営研究所・酒井英之の4行日記 DiaryINDEX|past|will
朝ドラの「てっぱん」の最終章。地震の後一週間ぐらい放送がなく、再開されたとき、てっぱんの踊りを観た。以前は「あほちゃうか」と思っていたあの「てっぱん踊り」。が、老いも若きも市民が一緒になって踊っているのを観ると、平凡な日常のありがたさが込み上げてくる。商店街の人、野球少年、高校生、おばさん集団…被災した人が同じように踊れるまでどれくらいの年月が必要なのだろう。
リース会社の幹部と話す。原発事故への対応に対し、かつて原発の建設に携わった電力OBや建設OBなど現場を知る人が水漏れの防ぎ方とか戦車の出動等に対し「もっといい方法がある」とさんざん提言しているという。ところが、その情報を集めて理解して、的確な指示を出せる人がいない。技能が伝承されておらず、彼らの言うことを再現できないのだ。技能の伝承はリスクマネジメントの極めて重要なポイントだ。
友人のコンサルタントに3月20日の日記に書いたチャリティセミナーを開催するので、ぜひ講師をやって欲しいとお願いする。すると次のようなメールが届いた。彼は被災地から戻ったばかり。あまりにも正しくて切ないのでここに記す。
有名な女コンサルタントがこの東北の状況を「改革したくてできなかったのだから今がチャンス」とTVで話していた。聞いていて「この人は何もわかっていない」と思った。言っていることは正しい。が、そもそもチャンスとは何のチャンスなのか?金儲けか?GNPを高めるチャンスか?ピンチがチャンスなんて実感できるのは、ピンチの中ではなくピンチを脱したときだ。被災者は一瞬にして故郷をなくしたのである。軽々しく「チャンス」なんて言わないでほしい。
セ・リーグが29日の開幕を決めた。世間の感情と距離がある。この国の事情との間に距離がある。選手と球団との間に距離がある。セ・リーグとパ・リーグの間に距離がある。Jリーグなど他のスポーツと距離がある。自分が中心だと考えるのは勝手だが、自分が全体の一部だとわかっていない。自分がゲームをすれば会場が満杯になると思っている。セ・リーグの思い上がりに閉口する。
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