V字経営研究所・酒井英之の4行日記 DiaryINDEX|past|will
ある中小企業の管理者育成を主としたコンサルティングを行なうことになった。急成長中だが昨年一年間だけ足踏みし、そのとき会社の中のいろんな問題が噴出したのだ。そこでエース級の社員にこれまでのやり方を見直しさせ、あるべき姿を構築し、それに近づく道筋を作る必要が出てきたのだ。組織が抱えている問題は、その組織が成長しているときは隠される。止まったときこそ見直すときなのだ。
ある会計事務所の所長と話す。手広く事業展開されている方なので列車での移動もグリーン車を当然使っているだろう…と思ったら、普通車だという。さらに4人で予約すれば割引になる早朝の特定時刻発の列車に乗るというのだ。「削れるところは徹底的に削る。そして投資すべきには惜しまず投資する」と所長は涼しい顔をしていた。これはよ高い志を持っている人にしか言えない台詞。その姿勢に脱帽だ。
息子が好きで飲んでいたので、自分も飲んでみた。炭酸とゼリーを混ぜた点が斬新で、飲んで美味しい。Fantaは誕生以来40年以上になるが、こんな工夫改善を重ねる姿勢には頭が下がる。今回も消費者に「飲む前に缶を振る」という手間を要求しているが、そこが子供たちに受け入れられているのだろう。おそらく「ねるねる」など子供向けヒット商品に素直に学んでのだろうが、その点を評価したい。
松本市を散歩。開明小裏の住宅街はどの家も庭があるがいずれもとてもよく手入れされいいる。小さな花を愛でるということは、小さなことを大切にして生きている証であり、ここに住む奥様方が自分の街を含めた今の暮らしを愛していることが伝わってくる。車一台やっと通る細い道が続くが、こんな日本人サイズの空間だからこそ、庭木の隅々にまで目が行くのかもしれない。心が洗われる想いだった。
近くの用水路には昔から亀がいた。イシガメとクサガメで、とりわけイシガメはその目の形が異相で子供心に怖かった記憶がある。しかし今、用水路を覗くとそこにはクサガメはおろかあんなに強そうだったイシガメの姿はない。何十といるのはミシシッピーアカミミガメ(通称ミドリガメ)ばかりである。ペット用が遺棄された結果だろうが、生態系の破壊をもの語るこの様子は見ていて心が痛む。
娘さんが少女バレーボール部に所属しているAさんの話。チームが勝っているときは誰も文句を言わない。ところが負け始めると、「起用法がおかしい」など監督に文句が行く。さらに負けが込むと「あの娘がミスをするから負けた」など、批判が個人を向いて噴出するという。勝利には、内部に秘めたいろんな危うさを常に覆い隠すチカラがある。逆に負けが込んだときこそマネージャの力量が問われる。
リチャード・クー氏が日経本紙上で今の時代を端的に語っていた。「職を賃金の安い海外に取られ、消費や地域活性化といった内需拡大も手付かずのまま。経済成長は外需に依存するほかなく、米国経済が減速すればその影響をもろに受ける。しかも政府は何もしない」。
組合員のために財形加入を進めたり、有利な融資制度を築いたり、労働組合の活動にひときわ積極的な委員長のT氏。彼にどうしてそこまで熱心なのかを伺った。すると、活動の原点は「預貸率の屈辱」だという。あるとき自分の組合の預貸率(融資/預金)が他の組合と比べたらとても高かった。このままでは他人に助けられても、他人を助けることができない。これは労組の「相互扶助」の精神に反する。だからこそ財形一斉加入を始め、預金量を増やしたという。その真摯さに、脱帽した。
「見える化が大切だ」と、各部門の業績をOpenにした某社。同社の業績はどの部署も総じて目標対比10%マイナス。それを見たマネージャは皆一様に「自分だけじゃなかった」と安堵してしまった。そして、最終的な業績は全部門未達成に終わったという。見える化は現状を認識して、自主的な改善を促すツール。それが未達成の連鎖に使われてしまうとは…目標達成の価値から正しく伝えねばならない。
休みの日に地域の少年野球を球拾いを手伝っているが、このスポーツを見ていて感心するのはエラーが必ずしも致命傷にならないこと。コーチや監督がエラーした選手に「切り替えていけ」と指示する機会も多く、立ち直ることの大切さを教えてくれる。また他の選手をカバーするプレイも多い。今、誰のカバーに這いらねけれなならないかをシュミレーションできる能力はEQを高める上で素晴らしい。
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