V字経営研究所・酒井英之の4行日記 DiaryINDEX|past|will
息子とプロ野球を観に行った。息子はファイルフライを捕るためグローブを持参した。自分のところに打球が飛んでくると思っているのだ。そして、「何でここには飛んで来ないのだろう?」と嘆き、何度も首を捻っていた。彼の嘆きは、試合に「自分が参加できない」嘆きである。ふと周囲を見るとそんなグローブを持った観客がうじゃうじゃ。皆、見ているだけでは飽き足らず自分が参加したいのだ。
人はどのようなときに達成感を感じるのか、知人と議論した。彼は自分がシニアマラソンに出たときに達成感を感じたと言い、そのときの様子を語った。当初は練習がきつくて『なんでこんなこと始めたんだ?』と後悔ばかりだったという。そして完走したときに「あ〜できた〜、終わった〜」という安堵感・開放感を味わった。これが達成感の正体。そう考えると達成感は後悔の先にあると言えるだろう。
北京に行ったとき、安そうな服を着ていた人を多数見た。彼らもやがては良い服や機能性に優れた服を着るようになるだろう。さらにデザイン性の高い服を着るようにもなるだろう。そしてその先にあるのは…何も着飾らない質素な格好か。今年1月に行った亀の井別荘は「静かな時間」を提供する旅館だった。そしてそれが心地よかった。人間の欲は究極は「無欲」に辿り着くのかもしれない。
昨日の支店長も自分の意識の低さを反省したことがある。それは某社の職場で財形のチラシを配ったときのこと。自分は「財形の募集が始まります。労金を宜しくお願いします」。一方労組の委員長は「労金の財形募集が始まります。宜しくお願いします」と言って配ったのだ。支店長は労金を「One Of Them」と思い、委員長は「Only One」と思っている。この意識の違いに愕然としたのだ。
組合の委員長を伴ってきた多重債務者から相談を受けた労働金庫の某支店。相談者に対し次長は「うちでご融資できるかどうかわかりませんが、とりあえずお話をお伺いさせていただきます…」これを聞いた支店長は慌てて言い直した。「是非、お話をお聞かせください。万が一うちでご融資できない場合でも、解決の糸口が見つかるまで一緒に考えさせていただきます」。そこにこそ福祉金融機関の精神がある。
製造業などでは現場から何件カイゼン提案が出されたか…が問われる。が、その提案に対し改善が実施されないと、「なんだ、出しても無駄か…」と思われて次から提案が出なくなる…という悪循環を招く。よって、提案件数でなく「設計変更実施率」という指標が重要になる。あるメーカーではこの設変実施率の目標を90%に定め、改善専任スタッフの設置と、部門毎の責任者が集う会議を毎週定例的に実施した。すると設変実施率は88%を実現、毎月出される提案件数も飛躍的に増えた。
「酒井さん、日記がもう何日も止まってるんだけど…」と、中部マーケティング協会の研究会で私に声を掛けてきた人がいる。鮮魚卸と回転寿司チェーンの中部魚錠の伊藤社長だ。まさか私のブログを楽しみにしていてくれたとは感激だ。社長の寿司店は創作寿司が多いことで有名。「サーモン温玉炙り」「ホタテカルパッチョ」「焼いて味噌!」「エビカツベーコンロール」など。創作意欲が旺盛な人は日々の知的好奇心も旺盛なのだ。
I社長の一番の理想は「家族から大きい会社だね、と言われるより良い会社と言わたい」。そのために「50歳の社員には年収1,000万円払えるようにしたい」。ものすごく定着率の高い会社にしたいなどを理想に掲げる。半年で辞めようとした社員には「そんなに簡単にめげていいの?」「そんなに軟弱なの?」と声を掛け、改心させることもしばしば。こんな理想を掲げる経営者は何人いるだろう。
昨日のI社長は、社員のため新たに退職金制度を導入した。その名も「ぼけっと退職金」。この退職金、意外と安い金額に設定してある。そして社員に見せたときに「このままボケッーとしているとなあ…お前の退職金、これだけや。どうや、もっともらいたないか?」と尋ねる。誰もが「はい」と答える。そこですかさず「そうやろ、だったらもっと働け!」。退職金をテコにするとは凄い動機付け方だ。
輸入雑貨業のI社長が昼食用の社員食堂を作った。場所は1Fに同社が経営するスパゲティ店が入っているビルの2F。シェフは同レストランのコックだ。料金は無料。I社長曰く「皆、昼飯といいながらコンビニ弁当食べている。あんなのカラダにいいわけない。だったら、上手いもの、栄養のあるもの食べてもらおうとはじめたんだ」。味もよく、社員には大好評だという。こんな暖かい話、久しぶりに聞いた。
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