V字経営研究所・酒井英之の4行日記 DiaryINDEX|past|will
K社の発表が秀逸だったので、改めて講評を書いた。発表会の最後に講評はしたのだが、時間も少なく半年間、時間外を使って取り組んだ彼らの努力とのバランスがとれないほど簡単なものだった。人は常に他者からのフィードバックに学ぶもの。彼らにフィードバックできるのは、場数を踏んでいる私しかいない。講評文の作成に都合6時間を要したが、誰かの学びになればこんな嬉しいことはない。
K社の発表会後の打ち上げパーティ。会の締めくくりは、子会社の工場で毎朝行われている『やるぞコール』の唱和だった。『やるぞコール』は『部門間コミュニケーションの活性化』チームが、子会社で行われていることとして紹介し皆が興味を持ったところに、工場の担当者たちが登壇し、親会社も子会社も全員で一緒に唱和したのである。こうした唱和は、一体感を醸成し、両者の距離を縮める。
社員50人のK社で半年以上かけて行ってきた戦略的小集団活動の最終発表会に参加した。彼らが挑んだテーマは『10年後の当社の姿』『新人の10年間の育て方』『部門間コミュニケーションの活性化』『当社にできる社会貢献』。重いテーマだと心配していたが、内容は驚くほど秀作揃いだった。特に膨大な情報からキーワードを拾い出す集約力が高い。日本の小集団活動の威力を改めて思い知った。
人材は人財と書くように、会社の宝であり資本である。そのことを某社社長は、「社長の自己資本は、『誰かにこのプロジェクトをやらせたいなあ…』と思ったとき、候補者が何人思い浮かぶか、それで測れるものだ」と語った。社長の器は「その人の周囲にどんな人がいるかを見ればわかる」が、優秀な人材を多く抱える社長はそれだけ人材に投資してきた証。候補者となる社員の厚みが自己資本の厚みなのだ。
ある会社の社長が嘆いていた。「私はこれまで、効果が見えるものばかりに投資をして来た。しかし、目に見えないものには投資してこなかった。今、そのことを一番後悔している」。目に見えぬものとは「人材」である。人材への投資は投資効果が最も大きく、かつそれは永続的に続き、再生産性のあるものだ。それを怠って最後に後継者不足を嘆いても遅い。即効果が見えないからこそ、成果を分けるのだ。
某工場で安全管理を徹底しようと招いたのは、労働基準監督署職員。問題が起こってからではなく、起こる前に危険な箇所の指摘を受けようというのだ。評価者を敢えて立てて自らを律しようとする謙虚な姿勢は、その道のプロフェッショナルからは歓迎されるもの。要請された彼らは工場内を巡察し、指摘するだけでなく、努力している点を褒めてくれる。これが、社員には自信になり励みになる。
人の紹介には他に、この人の話を聞くメリットや、その人の優秀者を裏付ける武勲を加えるといい。例えば「年上の部下たちから『この課長なら一発やってやろう』。そう言わしめた課長です。彼の話から、きっとベテランのモチベーションの上げ方などを学べるでしょう」と紹介するのだ。そして、最も大切なのは名前を最後に紹介すること。「ではご紹介しましょう。××さんです!」で終わる。実際私がやってみても万来の拍手が起こった。
某社で、特に優秀な結果を出した管理者2名が、自分の取組みを他の管理者の前で発表するイベントが行われた。私はこの2名を紹介する係。そこで改めて人を紹介するときのポイントを振り返ってみた。その第一は、その人が持っているギャップを示すこと。「経験が浅いのにまとめ上げた」とか「年上の部下たちを常勝軍団に変える」など。なぜ?どうしたの?の興味喚起にギャップを示すことは欠かせない。
急ごしらえのヒライケンジ風セミナーは、受講生である二世経営者達にバカ受けだった。いつもと違うやり方が新鮮だったのか、集中力が違った。おかげで私も重責を果たすことができたのだが、今日のセミナーは午後半日の長丁場。相手も300人。朝一番で声が出るよう鍼灸院で治療を受ける。すると、セミナーでは何とか全うな声が出るようになった。奇跡というべきか…天は私を見捨てなかった。
朝、医者に行くと急性咽頭炎。薬を貰ったが、声の出は史上最悪。今日の講演は、若手経営者ばかり集めて17時から90分。それまでに声が回復する見込みなし…となると…。閃いたのは、お笑い芸人のヒライケンジ! これしかない!と思い、17時までの予定をすべてキャンセル。次々と大きな字がスライドに出てきて、それを見ているだけで学べるパワーポイントを100枚作った。果たしてその効果は…
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