V字経営研究所・酒井英之の4行日記 DiaryINDEX|past|will
「上海雑技団」を観た。「××雑技団」は日本で何度かお目にかかったことがあるから期待していなかったが、見てびっくり、感激の連続。さすがにリッツカールトン内の劇場で行われるはずである。米国のブロードウェイと同様に、ここを訪れた人は、中国の奥深さや底力を感じてしまうのだ。翻って日本はどうか。東京を訪れる外国人をここまで唸らせるエンターテイメントはあるだろうか?
ベトナムの宿泊先のホテルの部屋にボーイが花束を持ってやってきた。「何かの間違いだろう」と思いボーイに「もらう筋合いがない」と伝えると、明日視察する企業の経営者からだという。「私には視察団の仲間がいるが、全員に花が贈られたのか?」と問うと「そうだ」とも。室内に花を飾って「ふ」と考える。人から花をもらうなんていつ以来だろうか?部屋に花が届くのは、男でも悪い気はしない。
一大ヒットした『甲虫王者 ムシキング』。ショッピングセンターだけでなくローソン全店に置かれたときには唖然としたが、ブームも去ったと思った頃、第2弾『古代王者 恐竜キング』が登場。更に女の子向けに『おしゃれ魔女 ラブ&ベリー』も登場。熱中する子供を見ていて「その手があったか!」と感心してしまった。大ヒットしたモチーフを3度まで踏襲することは、成功の秘訣かもしれない。
ベトナムではクラクションを聞かない日はなかった。というより、しょっちゅう聞いた。日本では滅多に聴くことがなくなったクラクション。鳴らそうものなら、同乗者に「そういきり立つなよ、待っていればいいじゃん」と諌められてしまう時代だ。これに対し「そこのけ!俺が先だ!」と、クラクションが鳴らされている。携帯の着メロのごとく、バイクは彼らの自己主張を表現する印籠なのだ。
勉強熱心なのは上海のみならずベトナムでも同じである。勉強意欲の強いベトナム人は仕事が終わった後、語学学校に通い第二外国語を習得する。やはり日本語か韓国語だという。狭い教室で鈴なりになって語学を学ぶ人を何度も見た。案内してくれたガイドも実に流暢な日本語を話した。てっきり当然留学経験があると思ったが、まだ日本に行ったことはなく学校で学んだだけという。その力量に感心した。
上海の上流階級では、子供を私立学校に行かせる。小学校1年から朝7:30〜夕方16:30まで、8時間勉強させるという。小学校までに中国語と英語を覚え、中学からは第2外国語として日本語や韓国語などを学ぶという。これだけ言葉を覚えるのは、上海では外資系企業に勤めることが高収入への近道だからだ。国営企業に勤めるなら人間関係が第一だが、外資系企業では実力が一番大事だからだ。
上海の情報家電量販店に立ち寄る。主力商品は、携帯電話とMP3。特に携帯電話は日本製もあるが、NOKIAや韓国製の小型で2つ折りタイプでないものが多い。上海人に理由を聞くと、上海では女性が強く、女性がより小型のものを好むことと、韓流ブームでTVに出てくる俳優が使っているものと同じモノをほしがるからだという。その彼は「何でも売れる街ではない。日本人はもっと上海を研究しないと」と笑っていた。
中国とベトナムに進出した日本企業を視察してきた。勇ましい拡大戦略を聞いたが、その意気込みの源泉は『見える』ということだろう。一律化されたマーケットのどこに客がいるのかが丸見えなのだ。現状がクリアになれば課題が見え、そこに経営資源を集中して改善できる。その積み重ねが企業の競争力となる。そう考えれば、混沌とした社会では市場の「見える化」技術を持った者が勝ちである。
amazonがまた凄いことをはじめた。各書籍に「なか見!検索」のボタンがついたのだ。これにより、表紙はもちろん、裏表紙、目次、第1章の最初の数ページ、後袖や著者プロフィールなどを観ることができる。何十万という書籍をスキャナで読み、DB化する努力に恐れ入るが、これで本屋の優位性は失われた。やがて服を売るサイトでもタグやボタンなどをアップで見せるようになるかもしれない。
築地の魚市場に冷凍の魚を卸しているクライアントが、魚の鮮度が落ちないよう、特殊なシートをかぶせ、更に箱詰めして出荷した。商品を大事に思う気遣いの現われだが、これが市場内で評判に。誰が言い出したのかこの商品は「箱入りムスメ」と呼ばれ、「おい、今日は『箱入りムスメ』は入荷しているか?」と言われている。お客様に勝手にあだ名をつけられる。こんな商品を作ってみたいものだ。
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