V字経営研究所・酒井英之の4行日記 DiaryINDEX|past|will
某社で営業店長向けのハンドブックを作ることになった。構成を「『どのようにして部下をやる気にするか』というリーダーシップ」と「『どのようにしてまとまりのある組織を作るか』というマネジメント」の2章立てで考えていたが、その前段に序章として「店長の使命」を載せることになった。マネジメントの基本である「客知る・部下知る・己知る」の「己」の役割をよく理解させるためである。
ある営業店長がこういった。「本部は店作りに対してどうこう指示してくるわけではない。本部からくるのは事業目標(数値)だけだ。店は店長でしか変わらないのだ」。この発言を聞いて励まされた店長も多いのではないか。これは店長に限らず管理職といわれている人ならば誰もが同じである。統括部門がどの市場を大事にし、社員のモチベーションをどう上げるか。本部ではなく店長の裁量である。
某社の営業部長が、現場の営業店長の意識を変えようと現場ヒアリングを開始した。この中で営業店長に「営業店長の使命は?」と尋ねると、誰もが「目標を達成すること」と応えたという。が、続けて「なぜ達成する必要があるのですか?」と尋ねたところ、それに対し答えられない人が何人もいた。営業部長は答えられない人は絶対に目標達成できないという。どこかで「まあ、いいや」と思ってしまうからだ。
天津で起業した元部下が、一時帰国した。彼に「中国(天津)の×××って最高だあ」の「×××」を3つ揚げてくれと尋ねると、即座に「若い人の目」「人情」「格差のある社会」と帰ってきた。逆に「中国(天津)の○○○って最低だあ」の「○○○」を聞くと「創造性」「地方役人」「水」。さすが元コンサルタント。こういう質問に即返事ができるかどうかで頭のよさや日ごろの問題意識がわかる。
ベンチャーの経営者にさすがプロのコンサルタントと褒められた。相談は「クライアント各社から儲けすぎだとコストダウン要請が来ているが、応じることなく、また、がめついといわれないようにするにはどうしたらいいか」だ。私の答えは「呆れられること」。いくら儲けても「よくもあんな事業やりますね…」と人が呆れるような事業に正義感だけで投資していたら、誰も何も言わなくなるもんね。
最近は改革のステップを次のように語っている。「見方を変え」→「やり方を変え」→「意識を変え」→「行動し」→「習慣化する」。当たり前の流れのようだが、一般に経営者は勘違いをする。それは「やり方を変え」→「意識を変え」の順番を入れ替え、意識を変える方が先だと思ってしまうのだ。しかし、社員の意識は実際にまず何か変えない限り変わらない。まず何かを変えることから始めたい。
楽天の新監督は野村克也氏だと聞いてガッカリ。清原やローズも獲りに行くという。ガッカリ。楽天ってプロ野球をぶち壊してくれる存在だと思っていたのに、これじゃあ「ミニ巨人」だ。野球界の昔ながらのビジネスモデルを踏襲しているだけ。日ハムや千葉ロッテのように外国人監督を招聘し、従来では考えられないファンサービスを基本とした球団運営を期待したのに。多分仙台の人もガッカリだろう。
父の兄に当たる叔父が逝った。本家の惣領として親戚を引っ張っていた人だけに接点も多かった叔父さんだ。祖父が創業した会社を引き継いだ2世経営者だったが、今振り返ると合法磊落で中小企業経営者の典型だったように思う。父が堅物と称されるサラリーマンだったので、私は父と叔父のどちらのタイプにもあわせられるようになった。それによって養われた目が今の仕事に役立っている。
某会計事務所の所長と話す。所長のモットーは「「正直さ」と「一生懸命さ」では誰にも負けない」というもの。とりわけ正直であり続けることは難しい。先日もカネボウの粉飾決算を担当した会計士が逮捕されたが、正直でありたくても正直に成りきれない何があったのだろう。先の選挙で佐藤ゆかりから握手を求められ、握手できなかった岐阜市長も然り。正直であり続けるのは難しいことだ。
赴任する店を次々業績No.1へと塗り替える某行の支店長にマネジメントの秘訣を聞いた。すると「管理ということは難しいことではなくて、管理とは『大事にし大切にすること』だと思います」という返事。これには感心してしまった。人事管理は人を大事にするための制度、事務管理も、店舗管理も…。そう考えと目標管理は、目標を大事に大切にしていく仕組みだとわかり、ストンと腹に落ちた。
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