V字経営研究所・酒井英之の4行日記 DiaryINDEX|past|will
昨日述べた「検証する」を解説すると「人に対して何かを投げて、跳ね返ってきたものを確かめる」こと。テストや試験はこの典型で、答案を点数化することで理解度を検証していることになる。また、自分と同じような人を見ながら「私もあの人のようなのだ」と、自分自身を確かめることができる。最終日に共に触れ合い共に手をつないだ人たちは、隣人という鏡で自分を見ていたのかもしれない。
万博が閉幕した。TVを観ていたら徹夜で並んだ人は押しなべて来場10回以上の猛者たち。全部見たはずなのに、大混雑の日に来て長時間並ぶとは…。それも過酷な状況なのに、皆、なぜか幸せそうな顔をしている。この不思議な現象は何かと会社の同僚と話していたら「自分は『万博が好きだ』とかそういう確証が欲しいのかな」「そういう想いを検証したいのでは」との意見が出た。卓見だと思う。
クライアントの社員が他界した。半年前までとても元気だったので残念でならない。半年前にインタビューしたとき、「自社のブランド品が店頭に並ぶと、親として子供たちにいろいろ伝えることが出来て、教育上大変良い。こういうビジネスを(部員)皆でやりたい」と熱く語っていたのが印象的だった。「これが私の戦略です!」と堂々と語れる数少ない営業マンだった彼のこれまでの功績を称えたいと思う。
清里のキープ牧場。清泉寮の名物ソフトを食べながら何気に呼んだのは創始者・ポール・ラッシュ博士の言葉。「DO YOUR BEST AND IT MUST BE FIRST CLASS.日本語に訳すと「最善を尽くし一流たるべし」となる。前半はよく聞く言葉だが、これに後半を加えたところが非凡だと感心した。自分は、飛行機はビジネスクラスでかまわないが、一流の仕事をする人材でありたいと思う。
山梨県のオオムラサキセンターに行く。驚いたことに、ここには有名な世界のカブトムシ・クワガタムシが生きたまま、虫かごの中で飼っていた。その数約30。なんで今、この季節に、熱帯地方のカブ・クワが生きているのかわからん。他に、バッタの類をたくさん飼っていたり、ゲンゴロウもいた。昆虫系博物館は幾多もあるがどこも標本中心。生きたものを見せるというコンセプトが素晴らしい。
某社の経理の責任者は営業マネージャ達のマネジメントを指して「ストップウォッチを持ってヨーイドン!で走らせて、後はゴールへ行って測るだけ」と指摘する。この例えに笑ってしまった。部門間の業績格差が部下の優劣で決まるだけだからだ。駅伝がそうであるように、長距離レースほど監督の影響は大きくなる。ゴールで測るだけより途中でのチェック、アドバイスが上司の仕事なのだ。
万博は連日20万人を超す盛況ぶりだが、開幕当初大人気だった名駅そばのポケパークはガラガラだ。子供だましの施設にリピータがつかなかったのだ。万博の人気はリピータとその人たちの噂によるところ大。面白いものならば人は何度でも求め、そうでないものは見捨てる。終盤に来て二つの万博会場が、その差を見事に見せている。この結果を当初読めなかった自分の不明を恥じるばかりだ。
昨日の吉田さんへの質問は、最初「こんなチャンスはめったにない…何かを聞かなきゃ…」と思うのだが、突然だったし全く質問が出てこなかった。日頃から「いかに自分が問題意識が低く、研究テーマが曖昧で、自分の貢献領域が定まっていない人間か」がよくわかって、こんな自分に嫌気が差した。そこで一端立ち去った後、自分の使命を思い出しもう一度戻ってきて昨日の質問をしたのだ。本当に聞いてよかった。
ラスト万博。何気なく立ち寄ったNGOのブースを見て驚いた。なんとルアンダの戦災者のために義足を作り続ける日本人・吉田真美さんと、ご主人のガテラ・ルダシングワさんが居たのである!思い切って彼女に「人を勇気付けるために常に心がけてることは?」と尋ねたところ「『やればできる』と思い込ませることかな…」との返事。コンサルタントの仕事の本質を現すほど重い言霊を頂戴し勇気をもらった。
小学校の運動会を見る。紅白どちらも一生懸命の応援合戦。私自身、応援団にいたこともあり応援は好きなのだが、見ていて何か違和感を覚えた。このような文化を持っている国は他にあるのだろうか?また日本の応援団の文化は、いつごろ誕生したのだろう?この国の精神論や、メディアの影響力の強さと深くかかわっているような気がする。応援は、一方で何かを盲目にしているような気がする。
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