V字経営研究所・酒井英之の4行日記 DiaryINDEX|past|will
小学校の運動会の開会式を観ていたら、言葉の定義が出たので驚いた。その中で「勝負とは…」という定義があり、「最後まであきらめないこと」とあった。うまいことを言うなあ…下駄を履いてみるまでわからない、ということで、極めて教育的な定義だと思う。先輩に聞くと、この小学校でも手をつないでゴールする時代もあったそうだが、不評でやめたという。苦心の末ながら、お見事な定義だ。
ZETTONの稲本社長の話を聞く。外食に魅せられたのは、外食産業が情報を発信するメディアだと感じたから。客にカクテルを作るとき、赤い服の人に赤を出すのではなく、白を出す。すると「なんで白なの?」と聞かれ、お客様とキャッチボールができる。今作ったものにリアルなリアクションが得られることが気持ちいいのだ。飲食店を飲食店と捉えない考え方が、愛される構造の店を生む原動力なのだろう。
東京の勝ち組百貨店の人と話す。「岐阜市に住む女房も母も、わざわざ買い物で名古屋まで行きません。地元の百貨店で間に合うのです」と私が言うと、「しかし、地元の百貨店では買いたいものがないでしょう」と言う。ところが足りてしまうのだな…これが。自分のものはイオンで買い、贈答品だけ百貨店で買うのだから地元で十分。都会的センスがないのかもしれないが、私の一家のような人口が多いのは事実である。
地元の百貨店が潰れることが新聞発表された。そのテナントで紺のブレザーを買う。店に入り試着していると、何も言わないうちから「まけときますから」と、○割も値引いてくれた。ボタンの付け替えも無料(目の前で奥さんが付け替える。10分で完了)。テイジンあり、ミユキあり。店内でタバコを吸ってもよし。まるで元祖セレクトショップだと関心したが。こんなフレンドリーな店がなくなるのは本当に残念。
「『会社としてはこうなりたいんだ。だから、君もこうなってください…』と言われたら、感動すると思うんですよ」と、若い管理者は言った。私の「部下のやる気を引き出すのにどんなことをするといいと思う?」というインタビューに対する回答。大所高所からの「あなた」への期待と、その期待に応えて成長していく「あなた」の新しい姿。それを描いて伝えるのはトップの仕事ではなく、現場長の仕事である。
クライアントの29歳の担当者の座右銘は「人生送りバント」。いかに自分を犠牲にして他人に手柄を取らせるかだと言う。聞くと、かつて仕えた上司の座右の銘で、その上司は本当に他人のために奉仕し、決して「俺が、俺が」とでしゃばらない人だったという。同社のような官僚的組織の中でその生き方を貫くのは想像に難くなく、自分の座右の銘を真似する部下がいるだけで、その上司の器の大きさが見える。
自民党が大勝した。争点を明確にした勝利だ。郵政民営化賛成なら、自民党しかなかったからだろうが、経営でも今後改めて争点を明確にすることが強く問われるように思う。近く診断先のトップと話す機会があるが、テーマは「V字回復のために今必要なものは何か」だ。これに対し、あれもこれもの総花的な答えは民主党のようになる。コンサルタントも小泉型でないと通用しないかもしれない。
まったくもって勢いというのは凄い。阪神の急進と中日の凋落の差は凄まじい。つい一週間前には天王山だったのが、あっという間の6ゲーム差。天王山を取るかとらないかが人の心理に与える影響計り知れない。阪神が天王山でとった先方は先手・先手。後手に回った中日は追いつくのが精一杯だった。追う立場が精神的に有利というが、先行者に守りきった自信を与えるととても追いつけなくなる。
昨日のパーティで名刺交換した人の中にもう一人印象に残る人がいた。その人は、自分の名刺に鉛筆で2005/9/9と書おてから人に渡していた。受け取ってから日付を記入する人は少なくないが、自分で書いて渡す人を見たのは初めてだ。私など、いつどこで会ったかすぐ忘れてしまうので「後で日付を書いておけばよかったな…」と後悔しているから、受ける立場に立ったちょっとした気遣いに感激した。
パーティで名刺を交換した人の会社名は「スペシウム」だった。平静を装おうとしたが不自然なので「スペシウム…と聞くと、次はもう『光線』ですよね」と聞いてしまった。彼は「それが狙いなんです」と、わざと覚えてもらいやすい名前にしたという。「スペシウムは、スペシャル+マキシマム」の略ということらしい。名は体を現すというが、およそ会社らしくない対極の名を付けるのも印象を作る手段となる。
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