V字経営研究所・酒井英之の4行日記 DiaryINDEX|past|will
木の家の良さをうまく伝えられないのは、伝統商品だからかもしれない。以前、納豆のメーカーが、品質差が認識されず価格差ばかりが訴求される「品質<価格」となってしまうのは伝統食品の宿命だ、と語っていたが、木の家も「品質<価格」となっているのかもしれない。どこの木の住宅メーカーでも「木の家の良さ」として書いてあることが同じなのだ。これでは叩き合いになるだけだ。
最近、木の家で寝る機会が時折あるのだが、なんというのか、とても気持ちがいいのだ。うまくいえないが「空気が違う」と思う。それが布団に伝わり布団が違うような感じだ。こういう気持ちよさに接すると、RCの家で育ち、今もコンクリートで固めたマンションに住む自分がとても損をしているような気になる。古木なども天井の梁などで一定の需要があるが、それがわかる気がする。
クライアントが環境のことを強く意識している会社で、空調を28度に設定して講義した。同じ講義の3回目。今日は会場をいつもと変えていたために、受講生の反応は鈍い感じがした。研修担当者は「受講生の反応が鈍いのは会場のせいですかね…」という。が、私の答えはNO。部屋が暑すぎるのだ。空調の設定が28度でも、受講生が座る場所が30度のこともある。そうなると研修は限界である。
クライアントから貴方の失敗体験ばかりで90分話せとの要請。う〜ん…一生懸命売った商品は事業撤退…投資に失敗して借金まみれで親族会議…私を裏切った人は自己破産…自分の20代の振り返るとひとつのキーワードが出てきた。それは「逃げてもいいよ。誰もいないところまでどんどん逃げろ。そこまで逃げたら後は踏ん張れ」。結局「逃げてもいい」「言い訳してもいい」と堂々と語ってしまった。
長良川で溺れかかった。去年良型の鮎が釣れた中州。いつもより30センチ高だが行けないことはないと思っていくと、中州の手前が大きな穴になっていて立てない。あわてて中洲によじ登るが、左右濁流でとても帰れない。助かる方法は一か八か泳ぎ切るしかない…。竿をたたみ必死に泳いで流されながらも何とかもとの岸へ。「こんなところで死んでたまるか!」と本気で思った。川の怖さと命の尊さを知った。
65歳を過ぎている親戚が、孫と一緒に相次いで万博に出かけた。孫にせがまれて入ったのが「ワンダーサーカス」。帰ってきて口々に「あれは良かったよ〜ドイツ館よりも」。私の周りの大人の印象は「?」だっただけに意外な答え。ただよく考えてみれば、この世代はディズニーランドでライドものに乗って遊んだことがない。だから、新鮮なのだ。娯楽の評価はその人の経験的の有無で決まるのだ。
パリとロンドンで2012年の五輪の開催を争った。最後はロンドンが勝ったが、日韓W杯のように一緒にやるという発想はあの国にはないのだろう。私などはベルギーとオランダの区別も付かないが、ヨーロッパ人から見れば中国も韓国も日本も同じ。だから一緒にやったらと言えたのだろうが、英仏にはとてもいえない。それだけ歴史と民族性の違いがある。それが世界中に認知されていることは凄いことだ。
バブル前と後の違いでは、今の名古屋の繁栄もまた、バブルとの関係が深い。名古屋が五輪の開催をもくろんだのが、88年。もしこのとき名古屋になっていたら、バブルの絶頂、大変なコスト高の中でインフラ投資したはずである。きっとその後大きな負債を抱えて苦しんだことだろう。しかし、五輪ははずれ、万博をゲット。低コスト化での開催は、この街のポテンシャルを高めるには充分だった。
店頭上場したばかりの経営者に、成功要因を尋ねる。すると、他社はバブル前に設備投資をし、当社はバブル後に設備投資したので」という答えが返ってきた。バブル前と後ではコストが決定的に違う。バブル前に投資した会社は、その後のキャッシュを借金の返済に回すことで精一杯。一方バブル後に成長した会社は、そのキャッシュを事業拡大の再投資に回すことができた。この差は決定的である。
趣味の鮎釣りに行こうと思っていたら、ご近所から保健所に行きたいので車を出して欲しいとの要望があった。3日前、私のマンション前に子猫が3匹、段ボール箱に入れられて捨てられていた。この3日間、近所の奥さんたちが総出で飼ってくれる人を探したが見つからず、子猫を保健所に預けるという。子猫には気の毒だがやむなし。そして、わが貴重な趣味の時間を奪うとは、猫を捨てた人を許せない。
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