V字経営研究所・酒井英之の4行日記 DiaryINDEX|past|will
北ゲートが開きます、という案内が流れると並んでいた人たちは皆、拍手した。そして開門と同時に走り出すのは、99%の人が日立かトヨタのある左サイドである。開門前におそらく2万人近くが並んでいたと思うが、その殆どが「日立かトヨタがいいよ」という噂を、どこかで、誰かから聞いていたのだろう。それを思うと「評判」になることの力を思い知った。一方で、評判を敵に回す怖さも感じた。
万博のトヨタ館は、なかなかだ。特にトランペットを吹くロボットは圧巻。嘘ではないかと疑ったが、ロボットがこっちを向いたときに音がハッキリと変わるのが分かったので、あれは本当に吹いているのだと実感できた。こうした実感のポイントがないと「嘘かも…」という疑念が晴れないから、360度顔を振るのは有効。ミスティック・リズムのようなダンスも観たことのない人には新鮮だろう。
朝早くからゲートに並んでいる人々は、得てして大らかだ。計画通りコトが運んでいる余裕か、他より抜き出ている優越感か。ところが、そんな大らかさにつけ込み横入りしてくる輩がいる。引退後の60歳代夫婦。独り者と思われる50歳代の叔母さん。そして40台のハイミス2人連れ。子供たちが大勢見ている場所だ。どうしてその歳になってなお社会のルールが守れないのか。いい加減にして欲しい。
朝6時の万博の北ゲート。ござを引いて、他にも多くの人が万博のゲートに並んでいる。その並んでいる人たちのグループの多くは「家族」である。やっぱり、自分が属する最小の組織は家族で、朝4時起きとか、朝6時から3時間も外で待つとか、そういう辛いことに笑いながら一緒に耐えられるのは、家族である。朝一に並びたいという我がままをこの世に受け入れてくれる人がいるのは有り難い。
日立館の受付はかなり不思議だ。箱舟のような台に座った女性が入場券を読み込んで登録。このとき、名前を読んでくれる。私は年間パスポートなので券に名前が書いてあり「ヒデユキさんですね」と向こうから言ってくれるのだ。そしてカメラで写真を撮る。「こんな人の撮影の仕方もあるのか?」と思うような撮り方で感心する。名前を呼ぶのはサービス業の基本だがこんな館は日立だけである。
小1の息子が、付箋紙に「日立」と書き、万博のガイドブックの日立の頁にその付箋紙を貼っている。どうやらもう一度行く気なのだ。6/23の日記に書いたPC上での事前の動物飼育と、終わった後HP上で自分の写真が楽しめる仕組み、そして希少動物(マイタイ)のグッズプレゼントまで。事前から事後にいたるwebによるユーザー・フォロー。それが小さな子に「ヒタチ」という名を覚えさせている。
日立館のサイトから、自分のPC上に希少動物(イルカ、アザラシ、カメ)のいずれかをダウンロードしてPC上で飼育し、海に返す。海に返すと、日立館を訪れた際、海の絵の中に自分が育て放した希少動物が登場する仕組みになっている。一体誰がこんな素晴らしい仕掛けを考えたのだろう。炎天下に5時間も待つ人には待つだけの理由がある。手塩にかけて育てた子供に会いたい親心なのだ。
日立館に入るのに5〜6時間も並ぶのが普通で、ゲート前で並んでいる時間も合わせれば、朝一番でも4時間以上は並ぶことになる。が、それだけの価値があるパビリオンだから仕方がない。構成は希少動物について知識を吸収する第一幕、希少動物と触れ合う第二幕、そして希少動物と触れ合った自分を確認する第3幕にきちんと分かれている。映像の技術もそうだが、構成が素晴らししい。
4回目の万博訪問。今日は日立とトヨタにだけ的を絞って、朝4:35に自宅を出た。6時過ぎに会場近くの駐車場に到着。北ゲートに6:20頃入ったが、予想以上に人は集まっていた。中に入ると日立の「当日予約」は完了。そのまま並んでも90分待ちだった。一方トヨタの方は午後2時からの整理券をゲットして、当初の目的を果たし17時には帰宅。観たパビリオンの数は少ないが、納得できた日だった。
中国に赴任した元部下がマネージャになった。そして「マネジメントがこんなに大変だとは思わなかった」とメールをくれた。さらに「ストレスの『強制発散』が必要ですね」とあり、夏になると部下に仕事を押し付けて、大好きな鮎釣りに出かける私の気持ちがわかったとあった。なるほど鮎釣りは私の『強制発散』だ。今年も睡眠時間を削って出かけているが、どっかでカラッポにならないと頭が回らない。
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