V字経営研究所・酒井英之の4行日記 DiaryINDEX|past|will
W杯行きの切符を手にした日本。中心人物の中田は、勝てば「中田がいるから勝った」「中田がいないから勝った」と言われ、負ければ「中田がいたから負けた」「中田がいないから負けた」など、とにかく勝っても負けても理由にされてしまう選手である。マスコミは「中田」を表紙にすれば売れるから常に『理由』されてしまう。同じ傾向は巨人の「清原」にもあるが、本当の一流選手とはそういう宿命なのだ。
外断熱ゆえに斬新な間取りで話題の地場工務店を訪問。同社は『子供がキレない家』をコンセプトとした提案を行っている。例えば、子供は子供部屋とは別のフリースターディエリアで父と母と一緒に勉強するべきだという。同社の営業マンに「客の評価が賛否分かれるのでは?」と尋ねると、「そうです。でも、それでいいと思います」とのこと。コンセプトで差別化する時代ははかくあるべきだろう。
ある経営者と日中の違いについて語り合った。その人は、中国の青磁器は分業で作られ、作者名が入っていないという。対して、日本の陶磁器は一人の人間が作り、作者名を彫り込む。この違いは一体なのか…というのだ。同じ製品を中国と日本で作るとき、この民族性を考慮すべきか否か…。その日は「需要家の違いによる差ではないか」と結論付けたが、上の人は考えのスケールが違うと感心した。
ある会社のコンサルティングのため、その会社のお客様を訪問し、その会社をどう思うかを尋ねた。すると、「フットワーク力」に加えて、「あそこは良心的だからね」という答えだった。これを聞いて驚いた。「良心的」という評価は、企業が得る評価としては実は最も得にくい評価だからだ。利益を追求しすぎる余りの不祥事や事故が後を絶たない昨今、「良心的」と言われるのは、誇るべき評価だろう。
自販機(カップコーヒー)で印象に残ったものを2つ。客先の自販機は、横断歩道のようなカウントダウン表示がある。だんだん数が減り、後何秒でできるかがわかる。ランプで進捗を示すものよりイライラしなくていい。また某駅構内の自販機は、今、機械内で行われてことが、液晶に中継表示される。カップが動き、注がれる様子がわかるのだ。そこまではいらないが、できるまで退屈はしない。
某社の会長に招かれ、中堅の幹部たちと雑談の会を催す。その会の最後に「貴方の夢・ビジョンを聞かせて欲しい」と頼まれた。人が抱く最も尊い夢は、「誰の何のために身を粉にすることができるか」という社会的な貢献意欲だと思う。それがわかっているのに、私の夢はそれより遥かに俗物的な己の栄達目標のみ。なぜ、一流のコンサルタントになりたいのか。その根っこをもう一度見直さねばならない。
当社の自販機でコーヒーを買うと、液晶画面に占いが出る。そして、その占いは「仕事運:年下の意見を聞いてみると、仕事がうまく進むかも」というノリで、どうやらオフィスに設置されることを意識したもののようだ。確かに会社の自販機で恋愛運も見ても仕方がない。コーヒーが出るまでの空白のスキマ時間を埋めるに占いは適しているが、供給側はちゃんとTPOを考えているようで感心した。
貴ノ花の相撲で一番印象に残っているのは、昭和52年春場所13日目の北の湖戦。貴ノ花は初場所12勝。この場所もここまで1敗。対して北の湖は全勝。もし勝てば…貴ノ花が最も横綱に近づいた一番だった。が、結果は北の湖の投げに逆転負け。夢に最も近づいた日。そんな日は私に来るのだろうか。そしてそこにそびえる壁はどんなものなのか。30年前の彼の雄姿に自分を重ねてしまった。
元大関貴ノ花の二子山親方が逝った。私も彼には多大な勇気を貰った一人だ。彼が北の湖に勝った翌日。当時高校生だった私は、柔道で100kg超級の有名選手と対戦。当時僅か63kg−白帯の私が勝てる相手ではなかったが「俺は貴ノ花だ」と思い込んで立ち向かった。逃げずに攻め続けたその試合は、私の柔道人生の中でもベスト・ファイトになった。そんな勇気をくれた親方の冥福を心から祈りたい。
近頃、出会い系サイトのメールが多数届き閉口している。読まずに削除しているが、つい開きたくなるタイトルの付け方には感心させられる。「先日の件ですが」「お伝えしたいことがあります」「…と言うことです」「ご存知ですか」等。「性に飢えています」というモロものには騙されないが、それよりは誘い出される。本やメルマガのタイトルを考えるときにこういうフレーズは有効かもしれない。
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