V字経営研究所・酒井英之の4行日記 DiaryINDEX|past|will
今年は花粉が凄いという。実際に多くの人がクシャミをし、マスクをして歩いている。私も小学生の頃からの筋金入りの花粉症患者だが、なんと今年は花粉症になっていない!去年、一昨年と2年続きで「花粉症が治る」と噂の鍼灸院にかかった効果かもしれない。毎年5回くらい通っただけだが、私は声が商売道具だけにこんな有難いことはない。逆に体のどこかが悪くなっていないか心配するほど好調だ。
「今後貴社が一層発展するには、自信を付けつつある彼らが目先のことだけでなく、長いスパンで貴社をどのような会社にしていくか考える力をつけていくことが必要でしょう。このプロジェクトを通じて彼らの潜在能力と更なる自発性を引き出せるものと確信しています」。某社トップに私が出した企画書の「はじめに」の一節である。これを読んだ当の「彼ら」は、この一文に燃えたという。「はじめに」で人を動機付ける。コンサルタント冥利だ。
3年前、職場の後輩が小さなプロダクションへ転職した。そのとき彼には、かつて彼と一緒に訪問した会社の社長の言葉を贈った。その言葉は、「10代は健康を手に入れる。20代は家庭、30代は仕事、40代は人格を手に入れる…」。今日、彼がその会社を辞めるという連絡を貰った。彼は現在30代半ば。生涯やり抜く仕事=貢献分野を固めるにはまだ時間がある。今一度自分と向き合って再出発して欲しい。
万博のサテライト会場にできたディスコ。そこに杮落としは「踊る将軍様マツケン」だった。マツケンサンバの熱狂振りは、バブル当時の「おどるポンポコリン」と重なる。スーダラ節と合わせ、景気は良いのだが「世の中、おかしいんじゃないか」と思う時代にこうした変な唄が全世代から指示されて流行る。年金とか、フリーターとか、リストラとか。あのキンキラにそうした不安を忘れたい願望が見える。
毎週土曜日に仕事をし、休みが日曜しかない状態。すると、日曜くらいはゆっくり休もう、という思いより、「折角だから思いっきり遊ぼう!」とかえって元気になってしまうから不思議だ。僕らの親父世代は、皆こうやって日曜日を元気に遊んできたのだろう。近年は、男性の日曜の在宅時間が増加しつつあるが、ビデオ&TVゲーム漬けの土日よりは週休1日の方が、緊張感があって良いかもしれない。
大手企業の課長30人に、入社してから「期待以上だったことは何?」と聞いた。主な答えは2つ。第一は「会社がここまで大きくなるとは思わなかった」。今、大会社に勤めている人の多くは、90年以降この逆で、いかに会社を小さくしていくかばかりを体験し、大きくすることのイメージすらできないのに、これは素晴らしい体験だ。ただし、大きくしたのは他の誰でもない。この課長たち自身である。
先日、講演会で訪ねた某市は、犯罪多発都市になる可能性を秘めていた。高速道路が開通、交通至便となり、外部から人は簡単にやってくるようになった。郊外型ショッピングセンタやロードサイド店が新しくできた郊外の駅前に林立し、これで商店街を中心としたコミュニティは崩壊。こうした店で深夜まで働く人、遊ぶ人が増えれば、その人の家はカラ。そこを空き巣が狙うのだ。
「どうしても達成しなければならない目標より少し高い目標を作り、それを達成できる計画を立てましょう」。こう聞くと、誰もがふむふむと頷くだけである。ところが「これをストレッチ・ゴールといいます。少し背伸びをした目標ですからストレッチです」というと、皆一斉に「ストレッチ・ゴール」という言葉をメモする。キーワード化できるかどうかは、人を揺り動かす技術のひとつである。
忙しいという字は「心を失う」と書く。これまで実際に心を失うほど忙しくなったことは過去一度もなかったが、この11月から2月までは、まさに心を失うほどのハードワークだった。それゆえに日記の更新が20日も停滞したり、メールのレスポンスも遅れがちになった。いかんなあ…こんなことではと大反省。大切なものを守る心を失って、自分はどこへ行きたいのか。見失っては何にもならない。
タクシーに乗ったら、座席の目の前に「あなたの手と足となり、ベストガイドで頑張ります」と書いてあった。この運転手の決意表明だ。「足」になるのは分かるが「手」とは…とすぐにはピンと来なかったが、荷物運びを意味するのだとわかった。この運転手は自分が何を売っているかよくわかっている。タクシーは客を目的地に運ぶことだけが仕事ではない。その街のポーターでもあるのだ。
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