V字経営研究所・酒井英之の4行日記 DiaryINDEX|past|will
タクシーの運転手が嬉しそうに話す。「駅前のビッグカメラで来年のカレンダー配っていたから3枚貰ってきたんだ。日本地図のやつでさ」。見ると道路交通網を詳細に描き、主要都市の地下鉄路線図が付いた日本地図で、ビッグカメラは何年もこのスタイルを貫いている。海洋堂の動物・恐竜・魚シリーズといい、版権のない学校教材が受け入れられているところに今を生き抜くヒントがありそうだ。
某銀行の支店長が、千代紙で作った折鶴をくれた。小さなビニール袋の中には「この折鶴は、お客さまの幸せを願い、職員一人ひとりが心を込めて折ったものです。不器用ゆえ、不恰好なものもありますが、この鶴が皆さまに幸せを運んでくれますよう…」と添えた栞も入っていた。お客さまに差し上げるという。小事にこだわらぬブランドはない。小さなことを大切にすれば、きっと評判の店になる。
某社の課長からメールが届いた。「この度、ご指導頂いた案件が受注になりました。うれしくて思わずメールを差し上げた次第です。おそらく部下Kが、お客さまの要望を聞いたり、問題解決しようとする熱意を買っていただけたのだと思います。そこでずうずうしいお願いですが、K宛に受注のお祝いのメールを送っていただけないでしょうか」。私にとって受注も嬉しいが、課長の喜びようはもっと嬉しい。
ある駅前にマックがあって、いつもそこで朝食を済ませて客先に行くのだが、今日見てビックリした。8:05なのにシャッターが下りているのだ。「えっ!!??」。「ひょっとして潰れたの??」。仕方なく、近くのボロい喫茶店で朝食を済まして8:20、再びマックを見るといつものようにやっていた。開店時間が遅れただけなのだ。が、そんなことをやっていいのか!。こんなんじゃマックももう終わりだ。
『海洋堂』の社長はモノづくりの一番の基本を「良いものと儲かるものは違う」と説く。良いものは「ハート」を打つ。ハートがないと買ってもらえない。品質か、量産か。外食産業でも造園業でもコンサルタントでも、当てた人は誰もがその問題の板ばさみになる。量産したとき、多くの場合、品質は落ちる。自分がぶれないようにするには自分の「理念」をしっかり持ち、無私の境地で判断することだ。
よくもここまで精密にできるものだと感心していたら、一番最初に創りたいと思ったのは、米国の自然史博物館のミニチュアだったという。そこに、プランクトンの姿を象ったクリスタルがあって、憧れたのだそうだ。最初から美術館で売るミニチュアを創るレベルの高い志を持っていたのだ。それが安易にキャラクターフィギュアに流れず、本物の再現を第一とした気風に繋がったのだろう。
『海洋堂』のフィギュアはすべて手塗りである。「おまけを1万個作っても、その人が手にするのは1つ。それがひどいものだったらいくらおまけでも『失望』するんです」。『失望』という言葉が出たのには驚いた。CSでは満足の上に『感動』があるとはよくいうが、不満足の下に『失望』という言葉を使う会社は稀有である。そういう言葉が標準語になっているところが、同社の凄みである。
チョコエッグのおまけを作った会社の『海洋堂』を訪ねた。開発秘話などを伺うと「おまけというのは従来安っぽく、有り難いものではなかった。だからこそ、いいおまけを作ろう!」と発想したという。おまけ=0円=粗悪品から、おまけ=良品へ。考えてみれば、一般商品もアフターサービスとか担当者とか商品以外のおまけの良否で差のつく時代。それをそのまま実践した、素晴らしいセンスだ。
昨日の続き。タイプAは問題解決型の人。原因を究明し徹底的に叩く。確実な仕事をするが、解決しない場合は落ち込む。タイプBは情緒型の人。「朝の来ない夜はない」と、難事も発想の転換で乗り切ってしまう。タイプCは支援希求型の人。まず誰かに相談する人だ。事業部Xは3タイプが揃っているが、事業部YはタイプAが殆ど。タイプBはムードメーカーだけに居ないと組織が閉塞的になる。
某社社長から相談された。同社には事業部が二つあるが、事業部Xは幹部が実によくしゃべり、現場の情報が耳に入ってくるという。一方事業部Yは、幹部が抱え込みすぎるのか情報が社長まで上がってこない。相談主旨は「これは幹部のキャラクターの違いでしょうか?」。私はその通りですと答えた。快活な組織にするには、3つのタイプのキャラクターが揃うといい。以下明日。
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