V字経営研究所・酒井英之の4行日記 DiaryINDEX|past|will
高山市内のホテルに泊まる。部屋に入るとフロント・レディたちが手書きで作った『フロント新聞』が置いてあった。リードには「今年は台風のせいもあってか、紅葉が例年よりも早く、見た目もちょっと…という感じらしいので、がっかりされる方もいらっしゃるでしょうが、その分私たちフロントガールズがとびっきりの笑顔でお迎え致します」とある。いいなあ、こういうの。また来たい。
ホテルに泊まるといつも感心するのが電気ポットだ。「給湯」というボタンを押しても出ない。よくみると「解除」ボタンが付いていて、それを押さない限り湯が出ない仕組みになっている。おまけにその解除ボタンには赤いランプが付いていて、赤ランプが消えたら出るのよと教えてくれる。こんな設計、というか気配りシステムをいったい誰が考えるのだろう?日本人にしかできない芸当だと想う。
ある経営者は言った。「人生とは何か。それをたった二文字の言葉で表すとどうなるのか。それをずっと追い求めてきた」「酒とか、女とかとも考えたが、全然見つからなかった」「それが、私は56歳だが、55のときふっと気が付いた。ああ、これなんだって」。人生をたった二文字で切り取るのは難しいが、そうやって己と向き合い続けることは己を進める。この意識がサラリーマンと社長の違いだ。
デイキャンプをする。うっかり燃焼材を忘れてしまい、近くのドラッグストアに行く。店員に燃焼材はないかと聞くと、100円ショップへ行けという。どうやらチャッカマンと勘違いしているようだ。そこで改めて固形燃料と言い直すと「そういうのはないねえ…紙に火をつけて燃やすしかないわよねぇ」と、ごく普通のマッチ箱を1箱くれた。的外れだが、少しでも何とかしようとしてくれる姿勢が嬉しい。
某社経営者が耳元で囁く。「俺よぉ、昨日遺言書を書いたんだ」「そしてなぁ…もし俺が死んだらあんたを社外重役にせよと書き添えておいたぞ」。悪い冗談だと思ったら、どうも真実らしい。「経営陣に危機意識が薄い」「先々の経営見通しが甘い」「意思決定が遅い」などのリスクを抱える可能性のあるオーナー型企業では、経営監視機能の強化は必須。要求水準が高くて頭を抱えてしまった。
ある喫茶店で朝食を頼んだ。トーストの横にゆで卵がついている。そのゆで卵をよく見ると、賞味期限のシールが付いたままだった。ボイルしたのはこの店のオヤジなのだろうが、せめてシールくらい剥がす注意が欲しいものだ。おまけに上手く剥けない。1〜2ミリの厚さの白身が殻にくっついて損をする。「二度と来るものか」と思うがこの店はクライアントの真ん前。なんとかならないものか。
某コンビニ大手の配送センタを見学した。ベルトコンベア上を店舗ごとに配送される箱が流れてきて、その箱が自分の前に止まる。すると、自分の背後にある食品の棚がパカパカと点滅し出す。点滅灯の横にはデジタルの数字。「点滅している食品を、デジタル表示の数だけ取って箱に入れる」という合図だ。積み終わると箱はまた流れていく。やってみたら私にもできた。誰もが即戦力化できる仕組みだ。
某社経営者と話す。同社には30歳代半ばに優秀な社員がいて、自他共に認めるエースだ。そのエースが体調を崩した。会社から見るとエースに休まれるのは大変な痛手。が、経営者は「本人にとってはいいことだろう」と呟く。病を得れば誰もが謙虚になるからだと。「無病息災」というが「一病息災」という人もいる。今はわからないだろうが、エースも後になって「あの病気のお陰げ」と気付くことだろう。
某社の研修受講後のアンケート。研修に関しての自由記入欄に「当社が好きになりました!」と元気よく書いてあった。まだ20歳だが、営業研修を通して自社商品のことを深く知り、それがお客様のどんな役に立つのかをロールプレイングで体感したからだ。感想を読んで、社員が自分の会社のことをより好きになってくれるように仕掛けていくことがコンサルタントの使命だと実感した。
長男が早起きした。仕事部屋に入ってきたので「ママと妹はどうしている?」と聞くと、「まだ寝ている」という。「そうか、じゃ静かにしていろよ」と私は言った。が、これはコーチングの観点からは失敗。「あんたに言われなくたって分かっている」といわれそうだ。本来なら「そうか。で、お前は何をする?」と聞き、それが静かな遊びなら「偉いな。音を立てないよう気を遣ったな」などと言うべきだろう。
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