V字経営研究所・酒井英之の4行日記 DiaryINDEX|past|will
名古屋は軸がぶれにくいエリアだ。情報が東西に比べてワンテンポ遅いため、成功事例ばかりでなく失敗事例をよくよく吟味できたり、足元の市場が日本の1/10と小さいため、元々オンリーワンで勝負しようとする気質が強かったり。イチローも落合監督もトヨタも、正しいと信じることを毎日欠かさず、信じる家族とともに努力をすれば、きっと実るのが名古屋コンテンツのパワーなのだろう。
イチローは、小学生の時から彼の生きる方向・軸が全くぶれていない。それは小学校卒業時に書いた、プロ野球選手になるという作文がイチロー記念館に展示されていることからもわかる。軸がぶれない人は他にもいる。オタク族はその典型。が、イチローは需要が安定して大きく、かつ分かりやすい世界でぶれなかった。ぶれないのは、自分の中での優先順位が確立しているということだ。
世界を前にしたときに、この国に一番足りないものは「誇り」であろう。日本人として、胸を張れる何かがなかった。しかし、誇れるものは存在し、私たちはそれを逆に指摘されて気が付いた。ラストサムライの武士道はその一例。今日、確実に、同じ日本人として誇れる人が誕生した。ラストサムライのように「道」を求めるイチロー。「同じ日本人として、誇りに思う」。若者にこう言わしめた日本人は他にいない。
「お前、最近キレイになったなあ。もう近いんか」「え、はいそうです、近いんです」「そうだろうなあ、そういう美しさって結婚真近になると出てくる特有なもんなんだ…」。以前の同僚で、今は他部門に異動したOLを捕まえての会話。結婚前女性に共通するのは、瞼から目尻へつながったようにスウッと長くて深い皺ができて顔の層が広がり、かつそれが清清しく光る美しさ。なんとも不思議な現象だ。
某社の戦略のプレゼンを聞いた。説明に当った部長、とにかく図を描く。図はグラフか、マトリックス。最初に一般的な概念を述べた後に「そこで当社はここに出ます」と、自社の狙いを矢印やプロットで示す。同じ図の上で、その矢印が予期せぬ方向に飛び、驚く。言葉も「ここが本能寺」「『将を射ぬとすればまず馬を』の馬はこれ」「ストライクゾーン」など、平易で分かりやすい=説得力がある=人が動く。脱帽だ。
焼酎のブランドを開発している人に、ネーミングとボトルデザインのコツを聞いた。すると、「一人で飲んで、酔っ払って、その場にごろんと寝転がったときに、ただボーっとボトルを眺める。そのとき、ボトルやラベルが『お〜よしよし』って感じで、飲んだ人を肯定するメッセージを発するように考えている」。売るシーンでなく、愛飲し、酔っ払ったユーザーの目線を軸に生み出すとは…着眼点が素晴らしい。
福岡の某商社の事業構想を聞いていたら、「最後は上場して、プロ野球球団を持てたらいいですね。『福岡××××ズ』な〜んちゃって」。「××」は今、自分が扱っている商品群名が入る。規模的には夢の夢だが、少なくともそこに至るプロセスは無理なく描れてた。夢の話の最後を「球団所有」で締めくくるのは当世の流行。実務家からこんな喩えが出てくるのは、野球界の体質転換が評価された証拠だ。
友人が賭けに出た。といっても、ドラゴンズの優勝決定日の話。現在マジック3。ヤクルト3連戦に2勝すれば優勝決定。そこで雨で一試合流れるとし、1勝1敗と推測。そして優勝決定日は1日のナゴヤドームの広島戦…と踏んでチケットを買ったという。その前に決まってしまえば価値は半減…だから買えず、未だにこんな日のチケットが売れ残る…そう考えるのが友人を含めた名古屋人のセコさだ。
研修後のアンケートで、一人ぐらい他人とは逆に最低の評価をつける人がいる。そうした人は、中村天風よれば「知らないことを知っている人へのコンプレックスからの逃避の証」だそうだ。講師におぼろげにわかっていたことを指摘され「なるほど、そういうことか」と思うか「へん、その程度なら俺でも知ってらあ」と思って横向くか。松下幸之助はこの違いが一番だと、『素直』と色紙に書いて伝えている。
写真館対象の講演会で、撮った写真をアルバムにするだけじゃだめ。もっと額に入れて飾ったり、12枚の写真を並べて演出したり、ポストカードにすることをお客様に勧めるべきでは?と語ったところ、行きつけの写真館が早速これらの新メニューを導入。そうなると買わざるを得ず、頂いた講演料はそっくりこの写真館へ。でも、この店主夫妻の素直さに感服。腕も確かだし大成功間違いなしだ。
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