V字経営研究所・酒井英之の4行日記 DiaryINDEX|past|will
「よく日記が続きますね」と、知人から言われることがある。私より続けている人は山ほどいるから私がそのコツを語るのもおこがましいが、最大のコツは「自分のために書く」ということだろう。誰かに読んでもらおうと思えば上手く書こうとして苦しくなり、少なからず自己嫌悪に陥ることもある。もうひとつは短文化。長く書くとしんどいが、4行ならばネタがない日もなんとか埋まる。
家電量販店で掃除機を選んでいると、どこからともなくツクツクボウシの鳴き声が聞こえた。なんじゃ今頃?と思って音の方に行くとそこは扇風機売り場。ツクツクボウシはイメージBGMだったのだ。その音色のなんとも涼やか。が、その声はやがてアブラゼミやクマゼミの鳴き声に変わった。すると随分と暑く感じ不快になった。セミの声とは良いアイデアだが、選ばないと逆効果だから要注意。
近所の西友が24時間営業化するという。そこから懸念されるのは騒音や、タムロなどの治安の問題。そのためご近所に説明会を開いているが、この噂を聞いた主婦たちは「24時間化するということは、今までのようなタイムサービスはなくなってしまうのかしら?」「鮮度管理がいい加減になるのでは?」。確かにコンビニにタイムサービスはない。価格への敏感さと関心のポイントの違いに驚いた。
私が一番この世で美しいと思っているのは「鮎」である。あのキラキラしたところが最高なのだが、あるとき女の子に最上級の賛辞として「君は鮎に似ている」と伝えたが、まったく喜んでもらえなかった。以前TVで大島渚が「魚に似ている人は映画俳優に向かない」などと話していた。そんな私は鏡を見ながら自分は提灯アンコウに似ていると思うが、やはり魚に似ているといわれて嬉しくはないなぁ。
韓国人女性ばかりのパブでクライアントと遊ぶ。隣に座ったのは相当な美人。そこで「君は夏目雅子に似ているね」と誉めたのだが、彼女は「?」と無反応。彼女は夏目雅子を知らないのだ。お世辞ではないことは同席した仲間も皆「似てるよぉ」と言っていたことから明らかだが、「夏目雅子」が誉め言葉にならないとは…。育った国、背負う文化・歴史が違うとはこういうことなのかと思い知った。
建設会社の社長が、セクショナリズムに悩んでいた。確かに職人を中心とした中小企業は異動が発生せず、縦割りで固まりやすい。そこで私が提案したのは『つなぐ野球』。仕事の流れを野球の打順に例える。1番「商品企画」→2番「提案営業」→3番「仮提案」→4番「本提案」→5番「受注・申請」…。「9」は昔から魔法の数字だというが、前後の関係から自分の役目を捉えなおすことが出来る。
外溝工事屋と植木屋とは違う美しい庭作りこそガーデニング屋の仕事。これが信条の社長が悩む。「受注から工事、フォローまですべて自分で行っているため、なかなか拡大できない…」。良い腕を持つ人が誰でも一度は陥る岐路だ。人を雇い作業を単純化・標準化して広く打って出るか。いろんなオーダーを断り納得できる仕事のみをやり続けるか。どちらが正しいかではなく、社長の一存次第だ。
特殊空調システムをウリにする某住宅会社は「おいしい空気」が売り物。そこで社長は「タバコを吸う者は採用しない」方針を打ち出した。しかし、この制度ができる前に入社したベテランには喫煙者も数名いる。そしてその喫煙者たちは仕事ができる。煙草を吸うなら会社を辞めろ!とは言えず、社長から「どうしたらいいでしょうか」と質問されてしばし窮する。私も愛煙家だが、この問題は扱いにくい。
ある営業マンが「営業マンにはサンカクが必要ですね」という。サンカクとは「汗をかく」「恥をかく」「手紙を書く」。このうち最も難しいのは「手紙を書く」だという。が、いつも書く必要はない。お客様が課長以上のマネージャの場合、「後学のためにマネジメントの秘訣を教えてください」というのは好かれるコツ。そして教わったら「大変勉強になりました」と礼状を書く。それさえできれば充分だ。
某地域ビルダーの常務の質問。「当社の住宅には『セントレージ』のようなブランド名がないが付けた方がいいだろうか?」。私の答えは簡単だ。社名が浸透している地場のみで勝負している限り、それは必要ない。社名で信用が得られるからだ。しかし、新たな地域に営業拡大するには特徴を凝縮した名前が必要。ブランド名は信用を得る道具。他にあればそれを使い、なければ作ればいいのである。
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