社員が取得した資格をすべて同じサイズにコピーし、同じ額に入れて壁一面に張り出す。こうした水道工事屋は多数ある。が、資格を取るごとに自分のヘルメットに、その資格の認定証を縮小コピーた紙を貼っている会社があると聞いて驚いた。心理学では「帽子は自己顕示欲の現れ」という。職業柄使う道具を、自分の力でその人の生き様を映すオンリーワン・ヘルメットに変えることができる。
中日新聞で連載中の夏目漱石の『坊ちゃん』。このコーナーの読書率は40%を超えるという。通常の新聞連載小説が読まれるのは7%あれば十分だから、驚異的な数字だ。今の人でなくとも昔、偉大な人がたくさんいたのだから古典に学べばいいという発想から始めたという。日本人がダメになったのは中国古典(論語や孫子、菜根譚)を学ばなくなったからというが、古典回帰は現代の根本ニーズかもしれない。
当世流行のレストランウエディングに出る。仲人を立て両家がスピーチ合戦する結婚式は、見合結婚主流の時代に作られたスタイルだ。見合いだから両家が正面から向き合う形式が必要になる。しかし恋愛結婚主流の時代は、大半の参加者が二人の馴れ初めも生業を知っている。だから堅苦しい紹介も儀式もいらない。と、頭でわかっていても、違和感を禁じえない自分は過去の産物だろうか。
某地銀の支店長の話。「数年前に交通事故で複雑骨折。その後腸膜炎を起こし腸の殆どを摘出する手術を受けた。三途の川を渡りかけたが、今は運良く現役を続行している。事故と病気を経て自分は変わった。生かしていただいたのは、この世でまだ何かをせよという証。出世などはどうでもいい。何人育てたか・育てられるかが私の目標です」。学歴でなく苦暦(くれき)を持つ人は天命を知る。
どう考えても赤字にしかならない某社の新事業案。部下2人に柔軟な発想を求めるが、私と同じで起死回生の手段は出てこない。誰だって「やめたら」に辿り着いてしまう。しかし「やめなさい」と言えば、事業も自分も前には進まない。そこで諦めずに考える。3日目。突然思いがけぬプランを探り当てた。あることに集中して考えると情報感度が高くなるが、そのお陰。諦めない限り失敗はないのだ。
なかなかV字回復できない大手家電メーカー。その根本原因を社長は「これまでは、社内の管理者育成を目途とした社員研修しか行ってこなかった。逆にお客様に対するプロを育成する研修を怠ってきた」と語ったという。管理者を育成しても部課長の職位にアグラをかいて会社に活力が出ない。プロを育てられる指導者は、部下に成功体験を作ってやれる人。それを意識している管理者が少なすぎるのだ。
在庫を把握するとき、多くの企業が月単位で行う。在庫が「三か月分」というが「180日分」とは言わない。ところがトヨタグループとその取引先には「月」という単位はない。「日」だけである。月を消したのは、月で管理すると狂うからである。今年度、最も営業日の多い月と少ない月の差は5日だ。月で管理すれば22%も誤差が発生するのである。これを全社員・全Gに徹底しているトヨタは凄い。
反省の大切さは誰でも知っている。が、反省会を開いている会社のなんと少ないことか。中古品の専門店「コメ兵」は、毎月一回定休日に「死に筋研究会」を開催している。売れなかった商品ごとに、値段設定が悪かったのか陳列がまずかったのかを徹底検証する場だ。その反省が中古品販売に欠かせない買取ノウハウとして蓄積される。反省の時間は意図的に作らないと存在しないのだ。
某住宅会社の社長の名刺。社名・名前・連絡先に加え写真と自己紹介あり。「生年月日、出身の後、昭和×年創業、これまでの○万棟・○万戸の住宅を建築させていただきました。お客様にご満足いただく家造りを心がけ入居後、安心24時間サービスにより、緊急のトラブルにも対応させていただいています。宜しくお願いいたします。」知ってもらおう、愛されようと一生懸命なのがよくわかる。
七五三で写真館に行く。撮影前に、アンケートを書かされた。内容は子供の呼び方、親の呼び方、クラス名、担任名、好きなキャラクターなど。なぜ…と思ったが、その謎はすぐ解けた。撮影中「山田先生ってこんな顔?!」ってカメラマンが豚の鼻をすると、子供は大笑い。そこでカシャ!。子供を笑わせるために必要な情報を事前に入手したのだ。子供相手でも情報収集は儲けの源泉なのだ。