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2004年06月06日(日)
「指輪物語王の帰還上」トールキン

「指輪物語王の帰還上」トールキン 評論社
上巻はほぼ全編戦闘場面が続く。しかしこれは改めて奇妙な「戦略」である。中つ国かってない会戦の目的が、ホビットの指輪を滅ぼす任務の遂行のため、敵の目を逸らすことだけだ、というのだ。
「武力で勝利は勝ち取れない。でも武力で可能性はつくれるかもしれない。」ガンダルフは言う。犠牲は甚大である。勇猛な戦士が、偉大な王が、次々と死んでいく、あるいは傷つき倒れる。
平和とはなんだろう。「力」とはなんだろう。答はまだない。(04.1読了)



2004年06月05日(土)
『トロイ』は80点

『トロイ』ウォルフガング・ピーターセン監督 ブラッド・ピット(アキレス)、エリック・バナ(ヘクトル)、オーランド・ブルーム(パリス)、ダイアン・クルーがー(ヘレン)ブライアン・コックス(アガメムノン)、ピーター・おとーる(プリアモス)、ローズ・バーン(プリセウス)、ショーン・ビーン(オデッセウス)80点
ちょっとした妄想です。お間違えなきよう。
『指輪戦争』が終わりエルフと魔法使いも去り、
人間の世紀たる第4紀に入ってはや数千年、
人間は懲りもせず、戦争をしていた。
魔法や魔物はすでにないが、体力と知恵で
ギリシャのアガメムノンは地中海世界を制覇しつつあった。
ただフロド著『指輪物語』は口承で伝えられていて
『私たちはやがて出来るであろう伝説の主人公になるんだ』
というサムの言葉は
アキレスを始め多くの民衆の中に血なり肉となっていた。
アキレスは『名を残す』ことに自分の生きがいを見つける。
まだキリストは生まれていないので、
『正義のための戦争』などという概念は生まれず、
『わしの嫁を寝取りやがった』という個人の欲望で
戦争を起こすことが出来た。
しかしそれだけでは兵士の士気は上がらない。
我々は何者なのか……という深い哲学的思索が
その後ギリシャの中で生まれるのは当たり前であった。
『人間は死ぬべき存在である。だから美しいのだ。』
アキレスはひとつの真実に到達していたが、
いかんせんそれは哲学として昇華されるのには
数千年の時間が必要だった。
ただ男と女は昔からいや今以上に率直に愛し合っていた。

歴史考証にちょっとそれは誇張だろう、
というものが多すぎとか、
アガメムノンの処理の仕方とか
(あれでは名作『アガメムノン』は生まれないよお)
不満はあるが、
それとテティスの役割が小さいので
『運命と人間』という叙事詩的テーマが散漫になったとか
色々あるけど、
私『ロード・オブ・ザ・リング』第四部として楽しみました。
禁欲的なエルフとして死んだレゴラスの無念がパリスとして転生し
『戦争には力が必要』という間違った考えで命を落としたボロミアは
英雄オデッセウスとして転生した、と私は『解釈』しました。
もちろんあの崇高なホビット族がいないので
第四部の評価が低いのはいかんとも仕方ありませんね。



2004年06月04日(金)
「下妻物語」は90点

「下妻物語」中嶋哲也監督 深田恭子 土屋アンナ 宮迫博之 阿部サダヲ  岡田義徳 矢沢心 荒川良々

今年の邦画の大きな収穫です。

しっかり元気になれる映画。
しっかり応援できるキャラクター。
土屋アンナちゃんも熱演しているのだけど、
深田恭子が凄い。
あのキャラで全然不自然ではない。(凄い女優だ)
脇役も大熱演。(阿部サダヲがお気に入り)
青春映画の王道を行くけど、
先の見えない展開。
楽しい映像。(宇多田ヒカルの夫よ参考にしてね)
細かいところへの気配り(下妻駅での猫とか)

エンドクレジット最後の断り書きが、真面目に書いているだけに
笑わせる(私「イオングループ」内のシネコンで見たのでよけいに)



2004年06月03日(木)
『レディ・キラーズ』は75点

『レディ・キラーズ』
前半も後半も楽しめました。
なんといってもトム・ハンクスの役つくり。
彼の人を騙す時の眼と本気の時の眼を
一生懸命見ているうちに
いつの間にか収まるところに収まって映画が終わっていました。
    
まあ、教会のあの大合唱を好きになれるかで、
この映画を楽しめるかどうかが決まるのでは。



2004年06月02日(水)
「フォーチュンクッキー」は80点

「フォーチュンクッキー」
たまたま前前日に見た「スクールオブロック」と構造上は良く似ている。知らない世界に飛びこんで、相手の事を知るということ。エンドタイトルにロックバンドの演奏を丸々聞かせるというのまで同じだ。けれどもこっちのほうがよっぽどいい。母親になった娘のホンボウな無機道ぶりもどきどきするし、その母親に恋する本来娘に恋する役割を持っているはずの青年の存在も「あれ?」と思う。先が見えない面白さ。もちろん話は大筋で定番通りに決着するのだが、その「ドキドキ」感がたまらない。人生とはこうでなくちゃ。



2004年06月01日(火)
「スクールオブロック」は65点

「スクールオブロック」
見ている間は楽しめるし、笑えるんだけど、みんなでどうしてこんなにいい子なんだ、PTAはどうしてこんなに聞き分けがいいのか、違和感が拭えなかった。これがファンタジーだと定義されればそれでいいんだけど。ディズニー製作だし。でもそうじゃないんでしょ。



2004年05月31日(月)
「ビッグ・フィッシュ」は80点

「ビッグ・フィッシュ」ティム・バートン監督 ユアン・マクレガー
ファンタジーを語りたがるものは総じて長話である。しかもどこが一番自分の語りたかったことなのか途中で本人さえもわからなくなる。その話が面白ければ、この主人公のように人にいされるだろう。ただし反抗期の息子には嫌われるかもしれないが。しかし話が面白くなければ、悲劇である。また始った……とつめたい目で見られる。
この男は才能もある。総じて幸せな部類である。しかし、息子からは嫌われる。息子は「時事」が大事。結論がわかりにくい話は嫌い。それはそれで大事な才能である。
けれどもその二人は分かり合えることがあるのだろうか。事実を大事にすることは決して真実を語ることとイコールではない。ファンタジーを語ることは決して真実から逃げていることではない。二人は分かり合える。きっと。その思いが伝わる映画である。私は感動した。私は「ファンタジーを語りたい」側だからだ。



2004年05月30日(日)
「キャシャーン」は60点

「キャシャーン」
すみません。寝てしまいした。何も語る資格はありません。



2004年05月29日(土)
「殺人の追憶」は75点

「殺人の追憶」
緊張感のある映像だし、韓国の田舎をよく撮ってあるし、民主化直前の韓国の状況をよく再現してあるし、その中での前近代的な捜査も再現してあるけど、もう少し「仕掛け」があるのだとばかり思っていた。結果はみんな事前に知っているのだから、あっと驚く仕掛けがほしかった。



2004年05月28日(金)
「赤目48瀧心中未遂」は65点

「赤目48瀧心中未遂」寺島しのぶ 大楠道枝
寺島しのぶが最後まで可愛いままの女であった。死ぬかもしれないといい緊張感のまま瀧を登っていくのと、なんの緊張感の無いまま、「女は謎だ」という事だけ感じながら登っていくのとはえらい違いだ。男がすでに「死んだ状態」なので、「女次第」と構造なので特にそうなのだ。これでなにを感じろというのだろう。これがどこが良かったのだろう。